夏の魔物

夏の魔物

AL『夏の魔物』

通常盤

AL『夏の魔物』

AL『夏の魔物』

初回限定盤A

AL『夏の魔物』

AL『夏の魔物』

初回限定盤B

AL『夏の魔物』

AOMORI ROCK FESのホストユニット「夏の魔物」がファーストアルバム『夏の魔物』をリリース

成田大致との付き合いは長い。長いが彼が何を表現したいかを把握したことは一度もない。今でも一体どこへ向かいたいのか今イチわからない。ここ数年での彼を取り巻く激動を目にすると、それも致し方ない。最初のバンドは解散、ユニットを立ち上げたものの1枚のアルバムで消滅。再びユニットを立ち上げるものの、メンバーは定着せず(この間のゴタゴタが実に長かった)。ようやく夏の魔物というユニットに落ち着いたのがつい最近のことだ。彼のなかでのストーリーはちゃんとあるのだろうが、リスナーにとっては、相当細かくかつ根気よくつきあっていない限り物語にはついていけてない。

ロック・ミュージシャンを作詞作曲やプレイヤーとして起用はするものの、CDジャケットはアニメ風だし、ミュージックビデオもなんだかいろんな要素を詰め込みすぎでワチャワチャしてる。ロックというわりにはライブはアイドルと同じくカラオケで歌っているし(リキッドルームのライブでようやく魔物バンドという生演奏のバンドが登場する)、その様相は、まるでカオスだ。成田大致は「自分が表現したいロックンロールが今ひとつ一般に伝わらない」と嘆くが、それはしょうがない。カオスなのだから。

しかしながら、このカオスこそが成田大致の表現の着地点と考えれば、すべてがスッキリする。成田大致は巨大ロックフェスがアイドルを招聘するずっと前から、自らが主催するフェス夏の魔物にアイドルをブックしていた。当時ロックファンから大ブーイングだったが、今やフジロックにベビーメタルが出て称賛を浴びる時代になってしまった。一時期、ロック・イン・ジャパンのDJブースにもアイドルが次々に登場していた。ここに来て、世間はようやく「成田大致はこういうことがやりたかったのか」と納得するという具合。先見の明というか、彼がやらんとしていることは理解されるまで多少の時間を要する。

成田大致はアンダーグラウンドもメジャーもひっくるめて、あらゆるサブカルチャーを愛している。成田大致のロックンロールのあり方はサブカルチャーへの愛といっても過言ではない。夏の魔物フェスにおける漫画家、文化人、映画監督、ロックバンド、アイドル、プロレスが一緒になって爆発する文化祭的な感覚。それこそが音楽ユニット夏の魔物のすべてといっていい。好きなものを全肯定する。夏の魔物の出発点はそこなのだ。好きなものを全肯定したい気持ちは、誰のなかにもあるよ、という意見もあるだろう。しかし好きなもののすべてを自分の表現・作品にブチ込む無謀さを持ち合わせている人はどこにでもいるわけではない。それを実践しているのが夏の魔物であり、成田大致なのだ。

今回のアルバム『夏の魔物』には作詞作曲や演奏で様々なミュージシャンが参加している(抜粋)。後藤まりこ、HISASHI、ヒャダイン、ROLLY、奥野真哉、只野菜摘、tatsuo、曽我部恵一、BIKKE、大槻ケンヂ、YO-KING、越川和磨、ウエノコウジ、クハラカズユキ、ハジメタル、Sundayカミデ、大森靖子、TOKIE……などなど。このラインナップだけでも、カオスこそ着地点、全肯定が伝わってくる。「こんなに詰め込むなんて、なんて馬鹿げてるんだ?」とリスナーが思ったとしたら、成田大致の勝ちだ。アントニオ猪木は「馬鹿になれ」といったが、成田大致は猪木のいうところの「馬鹿」になったのだ。それが夏の魔物の、成田大致のロックンロールなのだ。だから一介の編集者に具体的に何を表現していきたいのかを掌握されたら、それは夏の魔物としても成田大致としても失敗なのかもしれない。成田大致がファーストアルバム『夏の魔物』を「1枚でロックフェスのようなアルバム」というのは、そういうことだ。(森内淳/DONUT)

【夏の魔物】「未来は僕等の風が吹く」MV

【夏の魔物】「恋の天国はケモマモハート」MV

INFORMATION

AL『夏の魔物』

2016年9月7日(水)リリース

【通常盤】PCCA.04416 / ¥2,778(本体)+税

1st album『夏の魔物』通常盤

【初回限定盤A】PCCA.04414 / ¥3,241(本体)+税

1st album『夏の魔物』初回限定盤A

【初回限定盤B】PCCA.04415 / ¥3,241(本体)+税

1st album『夏の魔物』初回限定盤B

収録曲

  • 1.恋愛至上主義サマーエブリデイ
  • 作詞:後藤まりこ
作曲:ARM(IOSYS)、成田大致、鈴木秋則
編曲:ARM(IOSYS)
Gt:HISASHI(GLAY)
  • 2.魔物、BOM-BA-YE ~魂ノ覚醒編~
作詞:コールドストン・スタナ、前山田健一
作曲:前山田健一
編曲:前山田健一
ナレーション:杉田智和
ゲストGt:鈴木修
  • 3.恋の天国はケモマモハート
作詞:畑亜貴
作曲:ROLLY、浅野尚志(SUPALOVE)
編曲:浅野尚志(SUPALOVE)
Gt:ROLLY
Key:奥野真哉(ソウル・フラワー・ユニオン)
  • 4.爆裂レボリューション
作詞:只野菜摘
作曲・編曲:浅野尚志
Gt:ROLLY
  • 5.SUNSET HEART ATTACK
作詞:アントーニオ本多
作曲:大隅知宇
編曲:tatsuo
Ba:IKUO
  • 6.世界は愛と夢で出来ている
作詞:及川眠子
作曲:田中公平
編曲:tatsuo
Ba:IKUO
  • 7.東京妄想フォーエバーヤング
作詞:山内マリコ
作曲:曽我部恵一
RAP作詞・歌唱:BIKKE(TOKYO No.1 SOUL SET)
編曲:ARM(IOSYS)
  • 8.バイバイトレイン
作詞:大槻ケンヂ
作曲:YO-KING
Gt:越川和磨
Ba:ウエノコウジ
Dr:クハラカズユキ
Key:ハジメタル
  • 9.ダーリン no cry!!!
作詞・作曲:Sundayカミデ
Gt:越川和磨
Ba:フミ
Dr:BOBO
Key:ハジメタル
  • 10.どきめきライブ・ラリ
作詞:コールドストン・スタナ
作曲:大森靖子
編曲:浅野尚志
Gt:越川和磨
Key:ハジメタル
  • 11.リングの魔物
作詞:只野菜摘
作曲・編曲:玉屋2060%(Wienners)
Gt:ROLLY
Ba:TOKIE
  • 12.未来は僕等の風が吹く
作詞・作曲・編曲:前山田健一
Ba:山口寛雄
Gt:板垣祐介
  • 13.サマーロマンサー
作詞:藤林聖子
作曲:成田大致・鈴木秋則
編曲:ARM(IOSYS)
Gt:nikka

夏の魔物ファーストアルバム発売記念 「夏の魔物現象2016」10th ANNIVERSARY BOM-BA-YE

2016年9月16日(金)恵比寿リキッドルーム

開場16:30/開演17:30

出演:人間椅子、大森靖子、生ハムと焼うどん、ベッド・イン、吉田豪、夏の魔物+魔物BAND(ウエノコウジ・森信行・越川和磨・ハジメタル)、クロユリ from 夏の魔物 ※スペシャルゲスト:大槻ケンヂ、and more…!!

AOMORI ROCK FESTIVAL’16 〜夏の魔物〜 10周年記念大会

2016年10月1日(土)青森県東津軽郡平内町夜越山スキー場

開場6:30/開演 7:00(予定)

出演:夏の魔物 with ヒャダイン、人間椅子、BELLRING少女ハート、藤井隆、清 竜人25、POLYSICS、曽我部恵一、ROLLY、アーバンギャルド、SCOOBIE DO、THE NEATBEATS、バンドTOMOVSKY、HINTO、ザ・チャレンジ、ゆるめるモ!、生ハムと焼うどん、DJ やついいちろう、クリトリック・リス、吉田豪、杉作J太郎、久保ミツロウ・能町みね子ほか

公式サイト:http://natsunomamono.com/

PROFILE

夏の魔物

夏の魔物/歌って・踊って・プロレスする!青森で毎年開催されているロックフェス「夏の魔物」の公式ユニットとして主催者の成田大致を中心に結成。 《ロック》《アイドル》《プロレス》《グラビア》《特撮》などあらゆるエンタメ要素をクロスオーバーさせたライブ・活動を行う。 2015年8月、ポニーキャニオンよりシングル「恋愛至上主義サマーエブリデイ / どきめきライブ・ラリ」をリリースしメジャーデビュー。2016年1月に発売したセカンドシングル「東京妄想フォーエバーヤング/ダーリン no cry!!!」はフジテレビ系「めちゃ×2イケてるッ!」の主題歌として抜擢され、オリコン週間チャート25位を記録した。 2016年6月には前山田健一作曲による「魔物、BOM-BA-YE~魂ノ覚醒編~」をリリース。9月にファースト・アルバム『夏の魔物』をリリース。【メンバー】:成田大致、ケンドー・チャン、塚本舞、アントーニオ本多、大内雷電

取材・テキスト:DONUT(秋元美乃/森内淳)