ましまろ

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AL『ましまろに』

AL『ましまろに』

ましまろが迎えた「あたらしい季節」

ましまろ

2016年10月7日渋谷クアトロ。「ましまろのほーぼーツアー2016」の東京公演2日目。ジョッキを片手に、真城めぐみ(Vo&Per)、中森泰弘(G)、真島昌利(G&Vo)、そしてサポートの伊賀航(B)がステージに登場。満員の会場から万雷の拍手。全員、スタンバイしたあと、1曲めのイントロのギターを真島昌利が鳴らす。今夜のましまろのライブはセカンドアルバム『ましまろに』同様、真島昌利ボーカルの「朝」からスタート。2曲めは「さがしもの」、3曲めは「したたるさよなら」とつづく。真城めぐみの歌が会場をあたたかく包み込む。そこへ真島昌利のコーラスが滑り込んでくる。真城めぐみに負けないくらいの存在感。真城めぐみの声と真島昌利のコーラスが融合したとき、どこにもないアンサンブルが生まれる。

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クロマニヨンズのファンにとっては真島昌利にもっとメインで歌ってもらいたいという気持ちがあると思う。あるいは、ヒックスヴィルのファンには真城めぐみだけの歌が聴きたいと思っているかもしれない。とくに去年のツアーの段階では、そういう感情が少なからずあった。しかし今回のライブではそういう気持ちが一気に解消された。昨年のライブはどこか手探り感が否めなかったが、今年のましまろは違った。中森泰弘、真城めぐみ、真島昌利の3人がそれぞれの役割を深く理解し、揺るぎないバンドのグルーブを生んでいた。何と言っても、真島昌利の歌うパートが増えたことが奏功していた。これは中森泰弘と真城めぐみのレコーディング中のジャッジによるもの。彼らは何とか真島に歌わせようと、アプローチしたという。真島も彼らの言うことを素直に受け入れた。ちなみに、中森と真城は「マーシーの歌のファンだから」という理由で、真島の歌うパートを増やしたそうだが、実際には、メンバー全員がよりバンドになろうとして最良のバランスを見出したとしか思えない。それが無意識であろうと意識的であろうとも、お互いがより濃い交わりを求めるバンドへと進化したということだ。その結果、コーラスや歌の割合が増え、それがライブにおいて予想以上の化学反応を生んでいた。このライブを観るまで、どこかで、まだ真島のソロライブ的な要素を求めている自分がいたが、それは完全に消滅した。むしろ、3人のケミストリーをもっと楽しみたい、という気持ちしか残っていなかった。果たしてましまろはこのセカンドツアーで完全にバンドになっていた。ライブ中、筆者は「めちゃくちゃいいバンドになったなぁ」と思わず声に出して呟いてしまった。それは筆者だけではなく、客席も同じだった。ステージに向かうオーディエンスの熱が一曲終わるごとに、ぐんぐん高まっていくのがわかった。

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ライブのクライマックスは「大ヒットナンバーの時間です」というMCをきっかけに、シングル曲「ガランとしてる」と「遠雷」を披露。15曲めの「ひき潮」で本編を終了。アンコールはビートルズの映画の話題から、めちゃくちゃかっこいい「Twist And Shout」を真島がシャウトした。次に「She’s A Woman」をやろうとしたがやめて「Dizzy Miss Lizzy」を歌った。そこから圧巻の「天国の扉」へ突入。そういえば、コンサートの前半でも、「海とにくまん」というとびきりのブルースを奏で、ハープを吹き、歌う場面があった。これらの曲が生きるのもまたましまろという枠組みだからこそではないか、と思った。真城の歌が真島の歌を引き立て、真島の歌が真城の歌を引き立てる。そして時に融合し、全く別の世界を展開する。中森はその2人を見守るようにギターを弾く。ほぼ1曲ごとに繰り出すMCも含め、ましまろは今や3人の才能を自由に開放する場としても成立しているように思えた。3人が開放されれば開放されるほど、ましまろはバンドとして高みに行き着く。その根底には、3人の個性をましまろとして昇華させられるという自信が存在している。またひとつ、かっこいいバンドが生まれた感じがする。

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「天国の扉」が終わったあと、アンコール最後の曲「ずっと」を演奏。ここで大団円かと思いきや、急きょもう1曲、予定になかった「ハートビート」を演奏した。アンコールの数曲の間にもバンドが加速していく感じがたまらない。となると、リスナーとしては、どうしても3作めに期待したくなる。もちろんライブももっと観たい。たまたま2作めは楽曲も揃っていて、1年のインターバルで作れたそうだが、今後はどうなるかわからないという。多忙な3人のスケジュールを合わせるのは至難の業だろうが、せめてライブだけでもちょこちょこやってほしいものだ。次は何年後になるかわからないが、どんなケミストリーを見せてくれるのか、今から楽しみにしている。(森内淳/DONUT)

ましまろ

Set List

  • 01.朝
    02.さがしもの
    03.したたるさよなら
    04.体温
    05.ナポリの月
    06.しおからとんぼ
    07.海とにくまん
    08.けあらしの町
    09.わたりどり
    10.妙なねじれ
    11.公園
    12.成りゆきまかせ
    13.ローラー・コースター
    14.ガランとしてる
    15.遠雷
    16.ひき潮En
    (Twist And Shout〜Dizzy Miss Lizzy)
    En1.天国の扉
    En2.ずっと
    En3.ハートビート

ましまろ、関連ページ

INFORMATION

AL『ましまろに』

AL『ましまろに』

2016年8月31日(水)リリース

CD:¥2,913+税 BVCL-745

アナログ盤:¥3,241+税 BVJL-22

CD 収録曲: 朝/さがしもの/けあらしの町/ひき潮/ナポリの月/遠雷/ローラー・コースター/成りゆきまかせ/妙なねじれ/わたりどり 全10曲

アナログ盤 収録曲:

Side-A 朝/さがしもの/けあらしの町/ひき潮/引き潮(inst)/ナポリの月

Side-B 遠雷/ローラー・コースター/成りゆきまかせ/妙なねじれ/わたりどり 全11曲

PROFILE

ましまろ

ましまろ/1980年代初頭、新宿JAM STUDIOで知り合った中森泰弘(G.Vo/ヒックスヴィル)、真城めぐみ(Vo/ヒックスヴィル)、真島昌利(G.Vo/ザ・クロマニヨンズ)が30数年の時を経て結成したバンド。

取材・テキスト:DONUT(秋元美乃/森内淳)