GLIM SPANKY

GLIM SPANKY

2016.10.31新木場コースト

2016.10.31新木場コースト

GLIM SPANKY 全公演SOLD OUTの全国ワンマン・ツアーファイナル公演をリポート

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GLIM SPANKY初の全国ワンマン・ツアー『Next One TOUR 2016』のファイナル公演が30日(日)新木場STUDIO COASTで行われた。会場は満員ソールドアウト。立錐の余地もない。この光景を目の当たりにすると、ロックンロールが盛り上がっていないという常套句が嘘のようだ。年齢も幅広い。ロックンロール・ファンとブルース・ファンとかオールドロック・ファンとか、そういうことすらも軽く飛び越えてしまったかのようだ。ブレイクするというのはこういうことをいうのだろう。何も知らない人が見ると「ロックンロールってブームなんですね」なんて言うんじゃないだろうか。実際、ライブハウスではロックンロール・バンドがどんどん台頭してきている。EDMや打ち込みの反動なのかどうかはわからない。が、どのバンドもやたらとクオリティが高い。その中で頭ひとつ抜け出しているのがGLIM SPANKYだ。彼らが見せてくれたこの光景は明日のロックンロール・シーンのようだ。

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会場内にはローリング・ストーンズの「MISS YOU」が鳴り響いている。音量が徐々に上がっていくと、会場の明かりが落ち、オープニングのBGMが鳴り出す。大きな拍手に迎えられながらメンバーが登場。松尾レミがギターをかき鳴らすと同時にショウがスタート。1曲めは最新アルバム『Next One』のタイトル曲「NEXT ONE」。松尾レミのボーカルは今日も秀逸だ。彼女の歌声と紡ぎ出すメロディは音楽のカテゴリーを突き抜けた普遍性を携えている。そこに亀本寛貴のギターが絡んでくる。楽曲の身なりはとてもシンプル。時代にアジャストするためにアニメの主題歌風な過剰なアレンジを施すわけでもない。もちろんEDMに寄り添うわけでもない。ステージにあるのは揺るぎないギターと揺るぎない歌と強靭なリズムだけ。そのシンプルさが逆に圧倒的な存在感と肉体感を強調し、それがGLIM SPANKYのリアリティとして昇華している。ステージ上の演出も過剰なものではない。GLIM SPANKYとサイケ風に描かれたボードが掲げられているだけ。それがかっこいい。かつ新鮮に映る。メンバーがふらっと現れ、演奏をして、ただ帰っていく。そもそもロックンロールのショウとはそういうものだ。

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ステージは「焦燥」「褒めろよ」とつづく。キーボードから始まって、亀本のブルース・ギターへと展開する「ダミーロックとブルース」がとてもいいアクセントになっている。その後「NIGHT LAN DOT」「grand port」「時代のヒーロー」「いざメキシコへ」「grand port」とつづく。このブロックはGLIM SPANKYの真骨頂だ。「grand port」は一歩踏み出せないで年老いていく純朴な画家が不安にまみれる世界に飛び出していく歌。「時代のヒーロー」は世界の只中に船を漕ぎ出す歌。失敗とか成功とかどうでもよくて、踏み出した者こそヒーローだと歌う。笑われようと積極的に世間とコミットし、表現したいものを臆せず表現する行為を尊いと思っているからこそ出てくるメッセージ。彼らの精神的な支柱を的確に表した曲たちだ。その心情を文学的に落とし込んだ歌が「NIGHT LAN DOT」。ダイレクトな言葉ではなく物語として語られると、余計にぐっと来る。ロックンロールは売れないからなあ、と遠くを見つめていても何も始まらない。あえて大海原へ漕ぎ出す。GLIM SPANKYのここまでの成功は、そういう気持ちの持ち方によるところが大きい。嘆いていてもしょうがない。届いてくれと叫んでも届かない。ならば届けに行く。最新アルバム『Next One』の曲で構成されたこのブロックはこのワンマン・ライブの肝のようにも思えた。

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MCを挟んで「風に唄えば」「話をしよう」を披露。みんなが主役になれる曲「BOYS&GIRLS」で「大人の価値観」に一撃を食らわせ、映画『ONE PIECE FILM GOLD』の主題歌「怒りをくれよ」で、変革の野望をむき出しにすると、会場は一気にヒートアップ。ロックンロールこそ新しい音楽シーンを切り開いていくという確信と立脚点。それがGLIM SPANKYをよりタフなバンドへと導く。だから彼らの楽曲は決してタイアップにはのみ込まれない。タイアップと楽曲は対等に渡り合う。タイアップはお茶の間へと歩を進めるきっかけしかすぎない。果敢にも茶の間という壁に挑む楽曲たちは、松尾レミが24歳だからこそ歌える歌ではない。ロックに出会った頃から見続けていた、変わらない風景なのだと思う。端的に言えば、ロックという確信を彼らは最初から持っているのだ。だから、どんなタイアップがつこうが、歌っている「核心」は変わらない。「大人になったら」を披露し、いつでもワイルド・サイドをゆく、と決意した「ワイルド・サイドを行け」で本編終了。アンコールは「リアル鬼ごっこ」を披露。全17曲、2時間弱のライブは、最後にオーディエンスに感謝の意を込めつつ、客席をバックに記念撮影をして終了した。

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初めての全国ワンマン・ツアーが全会場ソールドアウト。最後は洋楽・邦楽問わずにライブを観に来る新木場コースとで超満員のお客さんを迎えての大団円。新世代のロックンロール・バンドが頭角を現す瞬間を目撃した手応えを掴んで、会場を後にした。GLIM SPANKYを筆頭に、ロックンロールの猛攻が始まる、と信じている。(森内淳/DONUT)


  • 松尾レミのコメント
    初の全国13カ所のワンマン・ツアー、全公演ソールドアウトで締めくくることができて、本当に幸せだと思います。どの会場も最高に熱いお客様ばかりで、全て楽しめました。これがスタートとなるようにもっともっと大きなステージに行きたいと思います。お客様も仲間だと思いますので、みんなを引き連れて、大きな世界を見に行きたいと思います。今後とも応援をよろしくお願い致します!
  • 亀本寛貴のコメント
    ほとんどが初めて演奏する会場なので、自分たちのお客様の雰囲気であったり、自分たちのワンマン・ライブの雰囲気が手探りで、どういう風になるんだろうと不安であり、楽しみでありました。実際はとても楽しくでき、次はもっと色んな場所のお客様に会いに行きたいなと、より思うようになる初の全国ワンマン・ライブツアーでした。ありがとうございました。

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INFORMATION

LIVE INFO

  • 11月23日(水・祝)東京・南青山レッドシューズ
    レッドシューズ生誕35周年記念プレミアムイベント「SHEENA WAS A PUNK ROCKER」
  • 12月3日(土)大阪・なんばHatch
    the pillows presents 世界の始まりをワイルドサイドで確かめにいこう
  • 12月8日(木)東京・原宿アストロホール
    MAGICAL WEEKEND PARTY vol.
    guest:勝手に観光協会Z
  • 12月9日(金)東京・キネマ倶楽部
    MAGICAL WEEKEND PARTY vol.2
    guest:ストレイテナー
  • 12月23日(金)名古屋・CLUB QUATTRO
    年末調整GIG 2016

PROFILE

GLIM SPANKY

GLIM SPANKY(グリム・スパンキー)/2007年、長野県で結成。2010年、ベースとドラム脱退後、松尾レミと亀本寛貴は活動の場を東京へ。サポートメンバーを迎え、ライブ活動を再開。2013年、初の全国流通盤『MUSIC FREAK』をリリース。翌2014年には、ミニアルバム『焦燥』でメジャーデビューを果たす。2015年2月、ファースト・シングル「褒めろよ」を、同年7月にファースト・アルバム『SUNRISE JOURNEY』をリリース。フジロック・フェスティバルに出演。全国ツアーを行う。ロックとブルースを基調にしながら、時代のアジャストしたサウンドを鳴らす男女2人組の新世代ロック・ユニット。メンバーは、松尾レミ(Vo・G)亀本寛貴(G)。 公式サイト:http://www.glimspanky.com/

取材・テキスト:DONUT(秋元美乃/森内淳)