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2017/5/24

ザ・ビートルズの世界的な名盤『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の50周年記念エディションが登場!

THE BEATLES

今さら『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の素晴らしさを力説することもないだろう。2003年にローリング・ストーン誌が「500枚のグレイテスト・アルバム・オブ・オールタイム」で1位に選出。それだけで十分だ。早い話、ロックの歴史のなかでナンバーワンのアルバムということだ。リリースは1967年。レコーディングは1966年の11月24日から始まった。

ビートルズは66年の夏まで日本を含むワールド・ツアーをやっていた。これが彼らのラスト・ツアーになった。その頃のビートルズはレコーディングに入れ込んでいて、テープの逆回転からオーケストラのオーバーダビングから効果音の導入からリダクションの多用から、当時の技術で考えられるすべてのアイディアを注ぎ込んでいた。デジタル機器もHDDもシンセサイザーも打ち込みもアップルのコンピュータもなかった時代だ。ビートルズの手元には、4トラックのテープレコーダーしかなかった。

『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の前作『リヴォルヴァー』の収録曲「トゥモロウ・ネヴァー・ノウズ」を聴いてみれば、ビートルズがどれだけ偉大かよくわかると思う。ちなみに『リヴォルヴァー』のセッションは「トゥモロウ・ネヴァー・ノウズ」からスタートした。もはや4ピースのバンドで再現できるものではなかった(ライブにおけるテクノロジーがビートルズに追いつくまで30年かかった)。だから66年の夏を最後にビートルズはライブをやめ(ツアーにも疲弊していた)、本格的にスタジオ・ワークに没頭することに決めた。それが『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』に結実する。

その『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』が発売から50年経った今、新たにリミックスされてリリースされる。世界で一番のロックのレコードをなぜリミックスするのか。「今まででナンバーワンなのに、これ以上手を加えてどうするんだ?」と思う人もいるだろう。ここにも当時の事情が絡んでくる。今、ビートルズのアルバムとしてリリースされているのはステレオ・ミックスのバージョンだ。ところが当時ビートルズが最後まで立ち会っていたのはモノラル・ミックスだ(モノ・ミックスは現在入手困難)。だからといって、ステレオ・ミックスが手抜きというわけではないが、当時のエンジニア、リチャード・ラッシュが「ジョージ・マーティンとジェフ・エメリックと僕が数日でステレオのほうをやっつけたときには、ビートルズのメンバーは誰ひとり現れなかった」「モノ・バージョンには、ステレオには入っていないちょっとしたエフェクトが、あちこちで使われている」(『ザ・ビートルズ レコーディング・セッションズ完全版』より)と発言しているように、ステレオ・ミックスが微妙な代物であることには違いない。だから「発売50周年を記念してミックスし直しましょう」という意図があったのだろう。現代の雰囲気にアジャストして、さらに普遍性を獲得するように云々というエクスキューズが語られているが、ぶっちゃけて言えば、「ちゃんとしたステレオ盤を作ろう」ということだと思う。

そして、プロデューサーに故ジョージ・マーティンの息子、ジャイルズ・マーティンが起用され、ミキシング・エンジニアにサム・オケル、アビイ・ロード・スタジオのエンジニア陣、オーディオ復元のスペシャリストたちが呼ばれ、一大プロジェクトがスタートした。今回、彼らが、着地点として目指したのがモノラル・ミックスだ。その結果、サウンドは真ん中に集約され、モノラル盤に近い感触に仕上がっている。そのかわり、今までのステレオ盤に漂っていた下世話なサイケ感は影をひそめた。そこで賛否が分かれると思うが、ビートルズの意図したものに近づいたのはたしかだ。しかも「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」のように「ステレオならではの広がり」が気持ちいい楽曲の特徴は生きている。この新たなリミックス盤は、「モノラル盤とステレオ盤のいいとこ取り」といっていい。これをデフォルトの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』にしてもいいのではないだろうか(本当はモノラル盤をデフォルトにしてほしいのだけど)。

今回のリリースにはリミックス盤だけのCDの他に、2枚組のCDと6枚組のCDボックスが用意されている。前者には今回のリミックス盤とレコーディング途中のテイクを曲順通りに収めたディスクが付いてくる。一番の聴きどころは「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(テイク7)」「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(テイク26)」。『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』セッションの最初にレコーディングされた「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」(アルバム『マジカル・ミステリー・ツアー』収録)はテンポとアレンジが異なるテイク7とテイク26をジョージ・マーティンが(ジョン・レノンの指示で)つなぎ合わせて作ったもの。その元となるテイク7とテイク26がそのまま収録されている。さらに6枚組のCDボックスには、収録曲の未発表テイクが2枚のディスクにわたって時系列で収録されている。レコーディング本を読みながら聴くと至福の時間を過ごせるだろう。

ビートルズがライブをやめ、スタジオ・ワークに没頭し、楽曲に向かっていく過程の音源は、たくさんのリスナーやミュージシャンに、新たな刺激を与えることになると思う。(森内淳/DONUT)

『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』記念エディション

リリース:2017年5月26日(金)

『サージェント・ペパーズ』2017 ステレオ・リミックス(1 SHM-CD)

UICY-15602 ¥2,600+税

『サージェント・ペパーズ』2017 ステレオ・リミックス(1 SHM-CD)

  • サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド/ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ/ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ/ゲッティング・ベター/フィクシング・ア・ホール/シーズ・リーヴィング・ホーム/ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト/ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー/ホエン・アイム・シックスティ・フォー/ラヴリー・リタ/グッド・モーニング・グッド・モーニング/サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(リプライズ)/ア・デイ・イン・ザ・ライフ

『サージェント・ペパーズ』2017 ステレオ・リミックス(2 SHM-CD)

UICY-15600/1 ¥3,600+税

『サージェント・ペパーズ』2017 ステレオ・リミックス(2 SHM-CD)

  • DISC1:『サージェント・ペパーズ』2017 ステレオ・リミックス
  • DISC2(セッションからのコンプリート・アーリー・テイク他):サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(テイク9)/ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ(テイク1 – フォールス・スタート・アンド・テイク2 – インストゥルメンタル)/ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ(テイク1)/ゲッティング・ベター(テイク1 – インストゥルメンタル・アンド・スピーチ・アット・ジ・エンド)/フィクシング・ア・ホール(スピーチ・アンド・テイク3)/シーズ・リーヴィング・ホーム(テイク1 – インストゥルメンタル)/ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト(テイク4)/ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー(テイク1 – インディアン・インストゥルメンツ)/ホエン・アイム・シックスティ・フォー(テイク2)/ラヴリー・リタ(スピーチ・アンド・テイク9)/グッド・モーニング・グッド・モーニング(テイク8)/サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(リプライズ)(テイク8)/ア・デイ・イン・ザ・ライフ(テイク1・ウィズ・ハムド・ラスト・コード)/ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(テイク7)/ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(テイク26)/ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(ステレオ・ミックス2015)/ペニー・レイン(テイク6 – インストゥルメンタル)/ペニー・レイン(ステレオ・ミックス 2017)

アナログ盤(直輸入盤仕様)

UIJY-75068/9 ¥7,800+税

アナログ盤(直輸入盤仕様)

  • DISC1:『サージェント・ペパーズ』2017 ステレオ・リミックス
  • DISC2:2 SHM-CDバージョンのディスク2の1曲目から13曲目を収録

スーパー・デラックス・ボックス・セット(完全生産限定盤/6枚組/4SHM-CD+DVD+ブルーレイ

UICY-78342 ¥18,000+税

スーパー・デラックス・ボックス・セット(完全生産限定盤/6枚組/4SHM-CD+DVD+ブルーレイ

  • DISC1:『サージェント・ペパーズ』2017 ステレオ・リミックス
  • DISC2(セッションからのコンプリート・アーリー・テイクをレコーディング順に収録):ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(テイク1)/ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(テイク4)/ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(テイク7)/ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(テイク26)/ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(ステレオ・ミックス2015)/ホエン・アイム・シックスティ・フォー(テイク2)/ペニー・レイン(テイク6 – インストゥルメンタル)/ペニー・レイン(ヴォーカル・オーヴァーダブズ・アンド・スピーチ)/ペニー・レイン(ステレオ・ミックス 2017)/ア・デイ・イン・ザ・ライフ(テイク1)/ア・デイ・イン・ザ・ライフ(テイク2)/ア・デイ・イン・ザ・ライフ(オーケストラ・オーヴァーダブ)/ア・デイ・イン・ザ・ライフ(ハムド・ラスト・コード)(テイク8、9、10 & 11)/ア・デイ・イン・ザ・ライフ(ラスト・コード)/サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(テイク1 – インストゥルメンタル)/サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(テイク9・アンド・スピーチ)/グッド・モーニング・グッド・モーニング(テイク1 – インストゥルメンタル、ブレイクダウン)/グッド・モーニング・グッド・モーニング(テイク8)
  • DISC3(セッションからのコンプリート・アーリー・テイクをレコーディング順に収録):フィクシング・ア・ホール(テイク1)/フィクシング・ア・ホール(スピーチ・アンド・テイク3)/ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト(スピーチ・フロム・ビフォア・テイク1、テイク4・アンド・スピーチ)/ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト(テイク7)/ラヴリー・リタ(スピーチ・アンド・テイク9)/ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ(テイク1・アンド・スピーチ・アット・ジ・エンド)/ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ(スピーチ、フォールス・スタート・アンド・テイク5)/ゲッティング・ベター(テイク1 – インストゥルメンタル・アンド・スピーチ・アット・ジ・エンド)/ゲッティング・ベター(テイク12)/ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー(テイク1 – インディアン・インストゥルメンツ・オンリー)/ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー(ジョージ・コーチング・ザ・ミュージシャンズ)/シーズ・リーヴィング・ホーム(テイク1 – インストゥルメンタル)/シーズ・リーヴィング・ホーム(テイク6 – インストゥルメンタル)/ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ(テイク1 – フォールス・スタート・アンド・テイク2 )/サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(リプライズ)(スピーチ・アンド・テイク8)
  • DISC4(『サージェント・ペパーズ』モノ・アルバム&ボーナス・トラック):サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド/ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ/ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ/ゲッティング・ベター/フィクシング・ア・ホール/シーズ・リーヴィング・ホーム/ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト/ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー/ホエン・アイム・シックスティ・フォー/ラヴリー・リタ/グッド・モーニング・グッド・モーニング/サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(リプライズ)/ア・デイ・イン・ザ・ライフ/ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(オリジナル・モノ・ミックス)/ペニー・レイン(オリジナル・モノ・ミックス)/ア・デイ・イン・ザ・ライフ(未発表・ファースト・モノ・ミックス)/ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ(未発表・オリジナル・モノ・ミックス – No.11)/シーズ・リーヴィング・ホーム(未発表・ファースト・モノ・ミックス)/ペニー・レイン(キャピトル・レコーズ・U.S.プロモ・シングル・モノ・ミックス)
  • DISC5 & 6(ブルーレイ&DVD ):【オーディオ(ブルーレイ:DTS HDマスター・オーディオ5.1、ドルビー・トゥルーHD 5.1/DVD:DTS、ドルビー・デジタル5.1)】『サージェント・ペパーズ』アルバム最新5.1サラウンド・オーディオ・ミックス/「ペニー・レイン」最新5.1サラウンド・オーディオ・ミックス/「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」2015年5.1サラウンド・オーディオ・ミックス/【ハイレゾ・オーディオ(ブルーレイ:LPCMステレオ 96KHz/24bit/DVD:LPCMステレオ)】『サージェント・ペパーズ』2017年ステレオ・ミックス/「ペニー・レイン」2017年ステレオ・ミックス/「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」2015年ステレオ・ミックス/【映像】ザ・メイキング・オブ・サージェント・ペパーズ(リストアされた1992年ドキュメンタリー・フィルム)~ポール、ジョージ、リンゴ、ジョージ・マーティンが明かすアルバム制作秘話/【プロモーショナル・フィルムズ(4Kリストア)】ア・デイ・イン・ザ・ライフ(1967)/ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(1967)/ペニー・レイン(1967)

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