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2017/12/21

若いリスナーやミュージシャンに聴いてほしいポール・マッカートニーのアルバム

ール・マッカートニーの主要作品が紙ジャケット仕様でリリース。これを機会に若いリスナーやミュージシャンにぜひ聴いてほしい作品を紹介。

「もう2017年も終わりか」なんて声も聞かれるが、ぼくらポール・マッカートニーのファンの2017年は、ゴールデンウィークにポールが来日公演をやって離日したときに終わっている。あとはもう消化試合のようなもので、2017年って今頃終わるの?っていう気分だ。そんな2017年の終わりにポールが紙ジャケでCDを再発した。ザ・ビートルズはもちろんのこと、ポール・マッカートニーも過去の作品をリマスター、豪華版には当時の貴重な資料や写真を収録するなど、アーカイブに忙しい。自分のキャリアの集大成に入ったといっていい。そうなると、買う方のファンは大変だ。「一体同じものを何度買わせる気か?」と嘆く声も聞こえてくる。しかしそれは大きな間違い。ロックの、ポップスの価値観を大きく変えた、偉大なミュージシャンの作品は、むしろ何年かおきにリニューアルして世に出されるべきものだ。それはディズニーの過去の作品が5年くらいのタームでリニューアルしてリリースされ、その度に新しいファンを獲得していくのと同じ発想だ。

これからサブスクリプションの時代に突入する。名盤に簡単にアクセスできるが、膨大な作品のなかからそこにたどり着く困難も生じる。そういう意味でも、紙ジャケのCDを出したり、アナログ盤をリニューアルしたり、カラーレコードを出したりすることで、話題になり、その話題を受けて、ポールやビートルズの音楽にアクセスする人もたくさん出てくるだろう。オールド・ファンの視点からすると「何度買わせるんだ?」 だろうが、ポールが目指しているのは新しいファンであって、別に何度も買わせようと思ってリリースしているわけではない。だけど買っちゃうんだよね、ぼくのようなオールド・ファンは。まぁ夢中になれるものがある人生というか日常は幸せですよ。

今回リリースされた作品群のなかで、若いミュージシャンやリスナーにぜひ聴いてもらいたいのは、『バンド・オン・ザ・ラン』と『ヴィーナス・アンド・マース』だ。共に70年代中期の名盤だ。そのアイディアは斬新だ。例えば、前者の表題曲「バンド・オン・ザ・ラン」は3曲のまったく別のポップ・ナンバーが合体して1曲になっている。ついつい3曲に分けたら印税は3倍だったのに、と考えてしまう。しかしポールはそんなことはしない。正直な話、2017年の今もこの曲の斬新さを超える曲はない。そしてこれは楽曲作りにおいて大きな刺激とヒントを与えてくれると思う。例えば佳曲でも組曲にしてしまえば、まったく違う風景を創り出すことふぁできる。ポールの場合は佳曲というレベルではないが。ポールはこのアルバムを気に入っているらしく、現在のライブにおいても、「バンド・オン・ザ・ラン」「ジェット」「ブルーバード」「ミセス・ヴァンデビルト」「レット・ミー・ロール・イット」「西暦1985年」など多くの曲が演奏されている。

『ヴィーナス・アンド・マース』は1975年を代表するメガヒット・アルバムだ。コンサートが始まるのをスポーツ・アリーナの座席で今か今かと待っているヴィーナスとマースの物語「ヴィーナス・アンド・マース」から始まり、「ロック・ショー」でコンサートが始まる。ザ・ビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』を想起させるような導入部分だ。ちなみに途中で「ヴィーナス・アンド・マース」のリプライズも登場。この辺も『サージェント・ペパーズ』っぽい。「幸せのアンサー」「ワインカラーの少女」「あの娘におせっかい」の名曲の他、「磁石屋とチタン男」や「遥か昔のエジプト精神」など、風変わりな曲も収録されている。ポール・マッカートニーと彼のバンド、ウイングスはこのアルバムにあわせ、大規模なアメリカ・ツアーを敢行。ポールにとって1966年のビートルズ以来の本格的なツアーとなった。この模様は『ウイングス・オーヴァー・アメリカ』という3枚組のLPレコードとしてリリースされた。この作品はライブ映画にもなり、日本でも公開された。ポールの音楽を一気に楽しみたいというリスナーにはベスト・アルバムよりも、このライブ盤をおすすめする(今回のシリーズにはラインナップされていないが)。

今回、紙ジャケ仕様でリリースされた他の作品を紹介する。まずは『ポール・マッカートニー』。この作品にはヒット曲「恋することのもどかしさ」が収録されている。裏ジャケットのリンダ・マッカートニー撮影の写真はコンサートでも使用されていた。『ラム』は隠れた名盤。コアなファンからの支持は厚い。アナログ盤で『ラム』のモノラル盤がリリースされたが、できればそちらも聴いてほしい。ソロ名義では一番好きな作品だ。『スピード・オブ・サウンド』は何と言っても「心のラヴ・ソング」に尽きる。ポールの作品のなかでもトップクラスに入る珠玉のナンバーだ。四の五の言わずにただひらすら「I LOVE YOU」と繰り返すサビはかえって斬新だ。『マッカートニーⅡ』はウイングスから離れて制作した久しぶりのソロ作品。1曲目の「カミング・アップ」が世界的にヒットした。4月の来日公演のときには2曲目の「テンポラリー・セクレタリー」が演奏され、ファンの頭に疑問符が浮かんだ(あまり知られた曲ではない)。そういうことを突然やるのも、またポールなのだ。『タッグ・オブ・ウォー』はジョン・レノンのショッキングな死から徐々に立ち直っていく過程においての再始動作。ファンの間では高評価のアルバムだ。ジョン・レノンに捧げた「ヒア・トゥデイ」を収録している。『パイプス・オブ・ピース』は『タッグ・オブ・ウォー』の続編のような作品。多くの作品が『タッグ・オブ・ウォー』のレコーディングと同じ時期に録音された。前作ではスティービー・ワンダーと、今作ではマイケル・ジャクソンとコラボレーションを行っている。ぜひ若い音楽ファン、洋楽を通ってこなかった若いミュージシャンに、ポール・マッカートニーの作品を聴いてほしい。ロックンロールとポップのヒントがざくざく埋まっている。(森内淳/DONUT)

 


ポール・マッカートニー

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  • 01.ラヴリー・リンダ / The Lovely Linda (Remastered 2011)
    02.きっと何かが待っている / That Would Be Something (Remastered 2011)
    03.バレンタイン・デイ / Valentine Day (Remastered 2011)
    04.エヴリナイト (2011 Remaster) / Every Night (Remastered 2011)
    05.燃ゆる太陽の如く / グラシズ / Hot As Sun / Glasses (Remastered 2011)
    06.ジャンク (2011 Remaster) / Junk (Remastered 2011)
    07.男はとっても寂しいもの / Man We Was Lonely (Remastered 2011)
    08.ウー・ユー / Oo You (Remastered 2011)
    09.ママ・ミス・アメリカ / Momma Miss America (Remastered 2011)
    10.テディ・ボーイ / Teddy Boy (Remastered 2011)
    11.シンガロング・ジャンク / Singalong Junk (Remastered 2011)
    12.メイビー・アイム・アメイズド (2011 Remaster) / Maybe I’m Amazed (Remastered 2011)
    13.クリーン・アクロア / Kreen-Akrore (Remastered 2011)

 


ラム

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  • 01.トゥー・メニー・ピープル (2012 Remaster) / Too Many People (Remastered 2012)
    02.3本足 / 3 Legs (Remastered 2012)
    03.ラム・オン / Ram On (Remastered 2012)
    04.ディア・ボーイ (2012 Remaster) / Dear Boy (Remastered 2012)
    05.アンクル・アルバート~ハルセイ提督 (2012 Remaster) / Uncle Albert / Admiral Halsey (Remastered 2012)
    06.スマイル・アウェイ / Smile Away (Remastered 2012)
    07.故郷のこころ (2012 Remaster) / Heart Of The Country (Remastered 2012)
    08.モンクベリー・ムーン・デライト / Monkberry Moon Delight (Remastered 2012)
    09.出ておいでよ、お嬢さん / Eat At Home (Remastered 2012)
    10.ロング・ヘアード・レディ / Long Haired Lady (Remastered 2012)
    11.ラム・オン / Ram On (Remastered 2012)
    12.バック・シート (2012 Remaster) / The Back Seat Of My Car (Remastered 2012)

 


バンド・オン・ザ・ラン

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  • 01.バンド・オン・ザ・ラン (2010 Digital Remaster) / Band On The Run (Remastered 2010)
    02.ジェット (2010 Digital Remaster) / Jet (Remastered 2010)
    03.ブルーバード / Bluebird (Remastered 2010)
    04.ミセス・ヴァンデビルト (2010 Digital Remaster) / Mrs Vandebilt (Remastered 2010)
    05.レット・ミー・ロール・イット (2010 Digital Remaster) / Let Me Roll It (Remastered 2010)
    06.マムーニア / Mamunia (Remastered 2010)
    07.ノー・ワーズ / No Words (Remastered 2010)
    08.ピカソの遺言 / Picasso’s Last Words (Drink to Me) (Remastered 2010)
    09.1985年 (2010 Digital Remaster) / Nineteen Hundred and Eighty Five (Remastered 2010)

 


ヴィーナス・アンド・マース

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  • 01.ヴィーナス・アンド・マース / Venus And Mars (Remastered 2014)
    02.ロック・ショー / Rock Show (Remastered 2014)
    03.歌に愛をこめて / Love In Song (Remastered 2014)
    04.幸せのアンサー / You Gave Me The Answer (Remastered 2014)
    05.磁石屋とチタン男 / Magneto And Titanium Man (Remastered 2014)
    06.ワインカラーの少女 / Letting Go (Remastered 2014)
    07.ヴィーナス・アンド・マース(リプライズ) / Venus And Mars (Reprise) (Remastered 2014)
    08.遥か昔のエジプト精神 / Spirits Of Ancient Egypt (Remastered 2014)
    09.メディシン・ジャー / Medicine Jar (Remastered 2014)
    10.コール・ミー・バック・アゲイン / Call Me Back Again (Remastered 2014)
    11.あの娘におせっかい (Remastered 2014) / Listen To What The Man Said (Remastered 2014)
    12.トリート・ハー・ジェントリー~ロンリー・オールド・ピープル / Treat Her Gently – Lonely Old People (Remastered 2014)
    13.クロスロードのテーマ / Crossroads (Remastered 2014)

 


スピード・オブ・サウンド

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  • 01.幸せのノック (Remastered 2014) / Let ‘Em In (Remastered 2014)
    02.ザ・ノート・ユー・ネヴァー・ロウト / The Note You Never Wrote (Remastered 2014)
    03.僕のベイビー / She’s My Baby (Remastered 2014)
    04.愛の証し / Beware My Love (Remastered 2014)
    05.ワイノ・ジュンコ / Wino Junko (Remastered 2014)
    06.心のラヴ・ソング (Remastered 2014) / Silly Love Songs (Remastered 2014)
    07.クック・オブ・ザ・ハウス / Cook Of The House (Remastered 2014)
    08.やすらぎの時 / Time To Hide (Remastered 2014)
    09.マスト・ドゥ・サムシング / Must Do Something About It (Remastered 2014)
    10.サン・フェリー・アン / San Ferry Anne (Remastered 2014)
    11.やさしい気持 (Remastered 2014) / Warm And Beautiful (Remastered 2014)

 


マッカートニーII

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  • 01.カミング・アップ (2011 Remaster) / Coming Up (Remastered 2011)
    02.テンポラリー・セクレタリー (2011 Remaster) / Temporary Secretary (Remastered 2011)
    03.オン・ザ・ウェイ / On The Way (Remastered 2011)
    04.ウォーターフォールズ (2011 Remaster) / Waterfalls (Remastered 2011)
    05.ノーボディ・ノウズ / Nobody Knows (Remastered 2011)
    06.フロント・パーラー / Front Parlour (Remastered 2011)
    07.サマーズ・デイ・ソング / Summer’s Day Song (Remastered 2011)
    08.フローズン・ジャパニーズ / Frozen Jap (Remastered 2011)
    09.ボギー・ミュージック / Bogey Music (Remastered 2011)
    10.ダークルーム / Darkroom (Remastered 2011)
    11.ワン・オブ・ディーズ・デイズ / One Of These Days (Remastered 2011)

 


タッグ・オブ・ウォー

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  • 01.タッグ・オブ・ウォー / Tug Of War (Remixed 2015)
    02.テイク・イット・アウェイ / Take It Away (Remixed 2015)
    03.サムバディ・フー・ケアーズ / Somebody Who Cares (Remixed 2015)
    04.ホワッツ・ザット・ユア・ドゥイン? / What’s That You’re Doing? (Remixed 2015)
    05.ヒア・トゥデイ (Remixed 2015) / Here Today (Remixed 2015)
    06.ボールルーム・ダンシング / Ballroom Dancing (Remixed 2015)
    07.ザ・パウンド・イズ・シンキング / The Pound Is Sinking (Remixed 2015)
    08.ワンダーラスト (Remixed 2015) / Wanderlust (Remixed 2015)
    09.ゲット・イット / Get It (Remixed 2015)
    10.ビー・ホワット・ユー・シー / Be What You See (Link) (Remixed 2015)
    11.ドレス・ミー・アップ・アズ・ア・ラバー / Dress Me Up As A Robber (Remixed 2015)
    12.エボニー・アンド・アイボリー (Remixed 2015) / Ebony And Ivory (Remixed 2015)

 


パイプス・オブ・ピース

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  • 01.パイプス・オブ・ピース (Remastered 2015) / Pipes Of Peace (Remastered 2015)
    02.セイ・セイ・セイ / Say Say Say (Remastered 2015)
    03.もう一人の僕 / The Other Me (Remastered 2015)
    04.キープ・アンダー・カヴァー / Keep Under Cover (Remastered 2015)
    05.ソー・バッド / So Bad (Remastered 2015)
    06.ザ・マン / The Man (Remastered 2015)
    07.スウィート・リトル・ショー / Sweetest Little Show (Remastered 2015)
    08.アヴェレージ・パーソン / Average Person (Remastered 2015)
    09.ヘイ・ヘイ / Hey Hey (Remastered 2015)
    10.タッグ・オブ・ピース / Tug Of Peace (Remastered 2015)
    11.スルー・アワ・ラヴ (ただ愛に生きて) / Through Our Love (Remastered 2015)