面白いフェスは主催者の思想がブッキングや企画に表れている。大物ばかりがどんどん出て来るカタログフェスも悪くはない。それはそれで楽しみ方がある。しかしARABAKIのようにちょこちょこと主催者が仕掛けてくると、オーディエンスがステージに向かう姿勢も変わってくる。ニューカマーやブレイク寸前のバンドの並べ方、取り合わせなど、今回もいろいろと楽しめた。とくに2日目のお昼前から13時台のGLIM SPANKY〜Drop’s〜HEATWAVE×Reiという流れは盛り上がった。話題の女性アーティストが次々に登場する流れ。HANAGASA〜ARAHABAKI〜HANAGASAと行ったり来たりで忙しかったが、充実した時間を過ごすことができた。

GLIM SPANKY

まずは11時55分からHANAGASAでGLIM SPANKYを鑑賞。メンバーは松尾 レミ(Vo,G)と亀本寛貴(G)。2人とも20代。GLIM SPANKYの楽曲は60年代〜70年代のロック黄金期の空気がみなぎっている。アプローチはサイケデリックだったりロックンロールだったりブルーズだったり。松尾レミのソウルフルかつブルージーなボーカルを聴かせる。亀本寛貴は揺るぎないロック・ギターを響かせる。

GLIM SPANKY

しかし着地点は決してマニアックではない。1曲目は「ワイルド・サイドを行け」。2曲目が「褒めろよ」。それぞれの楽曲には、Jポップ・ファンも納得するような歌メロがしっかりと存在している。60年代や70年代のロックが持つアプローチの重要性をわかりながら、ポピュラーミュージックの大衆性がいかに重要かを熟知している。GLIM SPANKYは両方の要素を吟味して、楽曲に封じ込めている。「時代のヒーロー」「NEXT ONE」とライブはつづく。盛り上がるオーディエンスを尻目にステージはひたすらクール。オーディエンスに媚びた態度は一切なし。淡々と演奏に終始する。あえてペルソナを押し殺したようなステージ。それがすごくカッコいい。GLIM SPANKYが大衆性を武器にタイアップをとりまくろうが、マニアックなロックファンが熱い視線を送るのは、そういうところに、彼らの真意を見るからだと思う。彼らはロック風なことをやろうとしているのではない。

GLIM SPANKY

 

ロックそのものをやろうとしているのだ。GLIM SPANKYは、最後に「大人になったら」を演奏してステージを降りた。昨今、あちこちのライブで「ロックンロールは今一番流行ってない音楽」という自虐的なMCが聞こえてくる。しかし確実にロックンロールの逆襲は始まっている。短いステージだったが、それを確信した。(Drop’sへつづく)(森内淳/DONUT)

セットリスト

  • 1.ワイルド・サイドを行け
  • 2.褒めろよ
  • 3.時代のヒーロー
  • 4.NEXT ONE
  • 5.大人になったら

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GLIM SPANKY

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