カタヤマヒロキが「食」と「ロック」を綴る異色コラム

お酒はいつだって呑み過ぎる。

いつだってそうだ。

「今日は軽くね、軽くだよ、カルクカルク」

まるで呪文のように飲み始める前に唱えたって、気が付けば呑み過ぎている。

やっかいなのは「呑み過ぎ」には、呑んでる最中は気が付かないのだ。

酒を呑まない人からすれば「なにアホなことを言ってるんだ、飲まなければいいだろ」というものだろうが、これは呑兵衛にとって大きな問題なのだ。

そして、そんな呑み過ぎた翌朝。

頭は痛い。

身体は怠い。

気分は悪い。

（うわあ……呑み過ぎた……しまった……まだ少し酒残ってるな……ふふふ……にしても呑み過ぎた…………水くれ……お水……お水……ふふ……）

脳内で喋りながら目覚め、この猛烈に二日酔いの状態で食べたくなるものがある。

それは僕の場合“から揚げ”なのだ。

なぜだろう。

気分は最悪なはずなのに、味のこってりした揚げ物、シンプルな“から揚げ”が無性に食べたくなる。

この気持ち、わかる人はいるだろうか。

もちろん、二日酔いの時には何も食べない、もしくは胃に優しい汁物等が、身体は喜ぶはずなのだが、胃もたれするような味の濃いものを欲するのだ。

書いていて自分の阿呆さに呆れてきたが、事実なので仕様がない。

文字に起こすことで自分への戒めとしたい。

そんな二日酔いで食べるから揚げは、なにがなにやら異常なほど美味い。

但し、後半はもちろん胃がもたれるがそんな話はしてない。俺たちは戦争をしているのだ。

今回はそんな“から揚げ”について書きたいと思う。

 

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まず、東京へ来て、覚えている一番古い記憶にある揚げ物が恵比寿の「どんく」という定食屋さんのから揚げ定食。

ここのから揚げ定食はまさに「これは……今求めていたから揚げだ……！」と感情が激しく昂ぶる、から揚げ定食だった。

ここは、から揚げの数が3個、6個とあり、写真は3個入りなのだが、見ればわかる通り1個が大きく3個でも充分なボリューム。

だが、胸肉なのでサッパリした味わい。

ソース、胡椒、マヨネーズ、お酢、そして柚子胡椒もあり、途中で味変するのも楽しい。

ちなみにここはチキンカツも美味しい。

こちらも枚数が選べて、ボリューミー。

 

次は三軒茶屋にあるとある町中華「こうらん」のから揚げ定食。

ここは渋めの店で年季の入った雰囲気が特徴。

から揚げはもりもりゴロゴロ系。

ビジュアルが良く、なんともそそられる見た目。

衣が脂でベチャッとしているが、鶏肉がジューシーで癖になる味だった。

定食の冷奴が可愛い。

 

余談だけど、これは自分で揚げたから揚げ。

……特に言うことは何もない。

 

有名なチェーン店「ガブリチキン」のから揚げ。味が濃くってビールとハイボールと相性抜群。呑ませるから揚げ。

こちらは以前も紹介した台東区鳥越にある「居酒屋まめぞ」のから揚げ。

詳しくは第17回「さあ 逃げよう この世は残酷だから」

 

これは横浜のとあるフードコートで、なぜか物凄いギャルの店員ばかりのから揚げ専門店でのから揚げ定食。

つけ爪が蝶々で派手だった記憶しかない。

と、まあ、から揚げについて書いてきたが、から揚げは僕の地元の大分県では専門店が沢山あり、小さな頃からおやつ感覚で食べてきた食べ物なのだ。

から揚げ専門店が駄菓子屋感覚で街中にあり、1個100円未満くらいで揚げたてを学校帰りなどよく食べていた。

サクッ、じゅわぁ。

胃もたれを気にせず、いつまでもから揚げを食べ続けたい。

 

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2018年5月から毎月書いていたコラム「食べロック」だが、ここで一旦終了となる。

だが、食べロックの旅はまだまだ続く。

ご愛読ありがとうございました！

 

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