GLIM SPANKYが新作『BIZARRE CARNIVAL』のタイトルに込めた意味とは?
GLIM SPANKYがサイケな新作『BIZARRE CARNIVAL』をリリース。
ブレイクすればするほど、マニアックな音楽性を全開にするリアル・ロック・バンドの凄み。
GLIM SPANKYのリリースペースは早い。アルバムだけを見ると1年ぶり。だが、その間にミニアルバムをリリースしている。だからほぼ半年に一度は作品のリリースがある。人気バンドだけに、レコード会社からのリクエストという商業的な意味合いもあるだろうが、それだけ楽曲ができているということでもある。今回の動画インタビューでは時間の都合でカットしたが、曲ができるスピードと求められるリリースペースとは足並みが揃っているそうだ。それどころか次にやりたいことが必ずあるという。これもまた彼らの才能と言っていい。リリースペースが早いにもかかわらず楽曲のクオリティはどんどん上がっていっている。このサードアルバム『BIZARRE CARNIVAL(ビザール・カーニヴァル)』ではサイケデリックの森の中に足を踏み入れている。サイケデリックに引っ張られるように60年代・70年代のロックが持つ風合いがより色濃く表れている。人気が出れば出るほど大衆に擦り寄るのが世の常だとすれば、彼らはまったくその逆で、リスナーを導くように深い森へと案内する。どんなにマニアックになろうと、松尾レミの歌メロが大衆性を失っていないので、迷うリスナーはいないという確信があるのだろうが、この歩の進め方はロック・バンドの理想形と言っていい。彼らが、今回、サイケを表す言葉として「ストレンジ」や「マジカル」ではなくて「ビザール」という言葉を使ったのか? そこにある彼らの思いを嗅ぎ取ってほしい。 (森内淳/DONUT)