THE BOHEMIANS 9.25 Rock is LIVE 6 レビュー&ワンマンツアーへ向けて動画コメントが到着!
THE BOHEMIANS 平田ぱんだ&ビートりょう よりワンマンツアーへ向けた動画コメントが到着!
2019年9月25日、ザ・ボヘミアンズを迎えてRock is LIVE 6 を高円寺HIGHで開催。いつもは3組ほどのアーティストを招いているRock is LIVEだけれど、今回はボヘミアンズの単独公演。しかも通常のライブとはちがい、ボヘミアンズはカバー曲を中心に演奏してっもらった。
この日は、平田ぱんだ著『ロックンロールの話』が単行本化記念のイベント。『ロックンロールの話』は、平田ぱんだが愛するロックンロールのファーストアルバムの名盤を、独断と偏見でチョイスして紹介するコラム。つまり、この単行本は、平田ぱんだによる「ロックンロールの名盤の解釈」集。ならば、発売記念イベントではボヘミアンズによる「ロックンロールの名曲の解釈」をやってもらおうということで、オファーを出した。内容は全部、バンドにお任せ。したがって、主催者のぼくたらも、どういう曲が演奏されるのか、まったくわからないまま当日を迎えた。
平田ぱんだにしてみれば、個人的なリリースを祝うイベントにメンバーが付き合ってくれるというニュアンスがあったのだろう。いつもの爆裂ロックンロールとはちがい、無理をせずにゆっくりとステージをやろうという心持ちだったそうだ。いつもは着ないスーツをパリッと決めてステージに登場したのは、(ステージのMCでもいっていたが)いつものように汗だくにはならないだろう、と予測してのことだ。しかしその読みは見事に外れてしまう。
たしかに最初はクールにスタートしたように見えたが、徐々に温度が上がり、終盤になるといつものように爆裂ロックンロール・ショーとなった。なんでも、やってるうちにどんどん楽しくなったそうだ。「こんなに楽しいのなら、もっと曲を用意しておけばよかった」ともいっていた。それはメンバーもそうで、終演後、みんなが「楽しくてしょうがなかった」と口々にいっていた。この日はニューアルバム『the popman’s review』のリリース日。そんな大事な日にイベントに出てもらったことに感謝の意を伝えると、逆に、この日、こういう面白いイベントを催したことを感謝されてしまった。ロックンロール・バンドはロックンロールの器がでかくなくちゃやっていけない。ロックンロールに対してチキンになってはロックンロールは鳴らないのだ。
今回、彼らが準備した楽曲は、カバーが12曲、オリジナル曲が5曲の計17曲。オリジナル曲のなかの4曲は、この日リリースされたニューアルバム『the popman’s review』からの曲だった。冒頭はルースターズの「テキーラ」「恋をしようよ」。この2曲は、平田ぱんだとビートりょうが初めてステージで演奏した曲。ところが先輩バンドも同じセットリストで演奏して、そちらの方が盛り上がったという苦い思い出の2曲だ。そのリベンジといったとことろか。で、次はキンクスのカバーで……ゲストには……というライブ・レポ的なことは平田ぱんだ自身が膨大な文字数を使って、公式ブログに事細かに書いているので、そちらを読んでほしい。
LINE BLOG:平田ぱんだの本買ってくださいブログ(カバーナイトをしたよ編)
この日は、カバー曲の半分を日本のアーティストから選曲。ルースターズの2曲を始め、スパイダースの「あの時君は若かった」、沢田研二の「お前がパラダイス」、忌野清志郎の「激しい雨」を演奏した。この5曲がとてもよかった。個人的には「激しい雨」が一番よかった。忌野清志郎へのリスペクトが緊張感のある演奏をもたらしていた。ロックンロールの楽しさの大事な要素に「一触即発の緊張感」は欠かせない。ロックンロールは、やりっぱなしのようでやりっぱなしではない。やり逃げのようで実はやり逃げてない。楽しけりゃいいけど、そういうふうには開き直れない。それがロックンロールだ。「あの時君は若かった」や「お前がパラダイス」、「激しい雨」が心に響いたのは、彼らがそれを身につけている証拠だ。彼らは素晴らしいロックンロール・バンドだ。このスペシャル・イベントは奇しくもそれを証明することになった。
10月26日、ロックンロール・バンド、ザ・ボヘミアンズは山形公演を皮切りに12月13日の渋谷duo公演まで、全国10ヶ所の『the popman’s review』のアルバム・ツアーに出発する。(森内淳/DONUT)