「FUJI ROCK FESTIVAL’18」開催直前特集!まだ迷っている方へ! 今年のフジロック
ここがおすすめ、3つの注目ポイント
&
出演アーティストに訊く
“今年のフジロック、これが観たい!”


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いよいよ今月末に開催が迫ってきた「FUJI ROCK FESTIVAL’18」。22回目を迎える今年は、早々にビッグネームが揃い踏みとなった各日のヘッドライナーをはじめ、一段とそのラインナップが話題となっていた。もともとフジロックは世界各国の様々な音楽を呼び込み、「音楽と自然の共生」を提唱、ここ日本にフェスティバルという文化を根付かせてきた老舗フェス。音楽と文化が結びつきにくくなった現代において、フジロックでそれを感じることができるのは、各ステージ・会場の至る所に「音楽文化へのリスペクト」が横たわっているからだ。そういう意味でもフジロックが果たす役割は年々大きくなると同時に、一方では参加者から一部のラインナップに対し「フジロックらしくない」などという声があがることも。しかし、「フジロックらしさとは一体なんだ?」と考えると、時折きこえてくるそんなレッテルは自分も含め参加者の固定概念でしかない。音楽の多様性と直結しているからこそ、地層のように積み重なってきたカルチャーの片鱗が覗けることもあるのでは、と改めて思うのだ。

そんな参加者の思い入れも強いフジロックだが、今年も伝統を受け継ぎ、シーンを刻み、また、新しい風を吹かせる様々なメンツが大集結。開催直前ということで、ここでは改めて3つの注目ポイントを挙げてみた。

 【1】強力なヘッドライナーと世代を越えたラインナップ

まずは何と言ってもフジロック初登場となるボブ・ディラン。1988年から続く「ネバー・エンディング・ツアー」にて来日公演も行っているディランだが、このフジロックがノーベル文学賞受賞後初のステージにして101回目の日本公演となる。御大ついに! である。しかし心しておきたいのは、どんなに有名な代表曲でもディランがライブでレコードのまま演奏することはまずない。筆者も以前の来日公演で驚いたが、「風に吹かれて」しかり「ライク・ア・ローリング・ストーン」しかり。ディープなファンでない限り、聴き進めてやっと「あれ!? 今の曲ってもしかして?」と気づくことだろう。ここがディランの生涯現役たるすごいところだ。つねに“今”を見せるパフォーマンス、ぜひ目撃してほしい。

そして、今さら述べるまでもないが、最新アルバム『ダム』がグラミー5部門&ピューリッツァー賞音楽部門を受賞したケンドリック・ラマー。今やアメリカでのナンバー1アーティストといって過言ではないケンドリックが、2013年以来2度目の登場。彼のナンバー「オールライト」は、黒人への人種差別撤廃を訴えるムーヴメント「ブラック ・ライヴズ・マター」のアンセムとなった。社会に視点をおき、外に・内に向けて綴られるリリックと力強いパフォーマンスが果たして何を動かしているのかを、再び体感できるときがやってきた。土曜日のヘッドライナー、ケンドリック・ラマーと日曜日のヘッドライナー、ボブ・ディランという、現代にメッセージを送り続ける世代を越えた詩人たちのステージが同年、苗場で実現する。

その前、金曜日のヘッドライナーにはファレル・ウィリアムス率いるN.E.R.Dがまずはスタンバイ。昨年発表したアルバム『ノー_ワン・エヴァー・リアリー・ダイズ』は、ケンドリックも参加した楽曲「ドント・ドント・ドゥ・イット!」をはじめこれまで以上に政治的メッセージを孕んだ作品となったが、極上のエンターテイメント感を誇る3人のパフォーマンスに大盛り上がりすることは間違いない。N.E.R.D、ケンドリック・ラマー、ボブ・ディランという強力ヘッドライナー、これは世界的にみても大きなトピックだ。

また、メンフィスのソウル・クイーン、カーラ・トーマス(75歳!)が豪華バンドを率いてフジロック初登場を飾るほか、アヴァンギャルドなロックンロールでフロアをシビレさせるマーク・リーボウ’sセラミック・ドッグ。元スミスのギタリストで、流麗かつ卓越したギタープレイが熱い支持を受け続けるジョニー・マー。ザ・ストロークスのギタリスト、アルバート・ハモンドJr.。そしてフィッシュボーン、スクリレックス、MGMT、ダーティー・プロジェクターズ、パーケイ・コーツ、チャーチズ、ヴァンパイア・ウィークエンド、インタラクティーヴォなど、注目ラインナップが目白押し。

邦楽勢には、30周年のエレファントカシマシ、結成20周年のストレイテナー、活動10周年を総括したばかりのサカナクションと、大きな節目を迎えた各世代の代表バンドをはじめ、浅井健一&THE INTERCHANGE KILLS、The Birthday、BRAHMAN、初登場となるマキシマム ザ ホルモン、go!go!vanillasなど、個々のスタンスを貫くバンドが多数出演。また、村越“HARRY”弘明と土屋公平がJOY-POPSとして登場。ふたりが同じステージに立つのはThe Street Sliders解散から18年ぶりとのこと。池畑潤二がバンマスを務めるフジロックの箱バン的存在、ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRAは今年、仲井戸“CHABO”麗市、甲本ヒロト、奥田民生、トータス松本をフィーチャリングボーカルに迎え、世代を越えてロックンロールの軌跡をつなぐショーを展開する。

 

【2】注目の新世代&気鋭のメンツが続々

例えば、デビュー前の2002年に初出演したザ・ミュージックはその後、5回にわたりフジロックに登場。20011年の解散時にはグリーンステージにてその年のクロージングアクトを堂々 務めた。また、The xxはレッドマーキー(2010年)→ホワイトステージ(2013年)→グリーンステージ(2017年)と、ステージの規模を広げながらバンドの軌跡と重なるライブで来場者を魅了。このように、フジロックでは「レッドマーキー」や新人バンドの登竜門とも言われる「ROOKIE A GO-GO」に出演後、飛躍を遂げてメインステージ(グリーンステージ、ホワイトステージ)に再登場するアーティストも実に多い。

そして今年も、これまで新人ステージ「ROOKIE A GO-GO」を経てきた多くのバンドが本ステージにラインナップ。cero、OLEDICKFOGGY、ミツメ、D.A.N.、odol、My Hair is Bad、King Gnuらが名を連ねるなか、昨年の出演陣のなかから投票によって出演権を獲得する「selected by ROOKIE A GO-GO」枠にはCHAIが決定。また、2014年にROOKIEステージを経験したSuchmosが今年はついにグリーンステージへ。と、各ステージごとに物語があるのも、フジロックの見どころのひとつだ。

洋楽勢も新鋭・気鋭の注目メンツが勢ぞろい。3月の初来日公演は即日ソールドアウトを記録した、ラフトレードが放つロックンロールバンド、スタークローラー。抜群のカリスマ性をまとうボーカルのアロウ・デ・ワイルドを筆頭に、まだ17~22歳という彼らは破天荒なステージがフィーチャーされがちだが、実際ライブを観ると、ヘビーに聴かせるタフなスピリットをもつバンドだということがよくわかる。ヘンリー・キャッシュのギタープレイにもぜひ注目してほしい。彼らはすでにブレイクしているが、このフジロックをきっかけにさらに大ブレイクすること必至。また、ドクター・ドレーのレーベルと契約し、西海岸シーンを象徴する人物となったアンダーソン・パーク&ザ・フリー・ナショナルズ。ヘビーなラウドロックを轟かすザ・フィーバー333。10代のエクスペリメンタル・ポップデュオ、レッツ・イート・グランマ。18歳の日本人ボーカル・オロノ擁する多国籍8人組バンド、スーパーオーガニズム。トリッキーかつ摩訶不思議なポップサウンドを放つチューン・ヤーズ。マルチな才能を発揮する23歳のラッパー、ポスト・マローン。スペインが誇る4人組ガレージ・ガールズバンド、HINDS。エレクトロ・ポップを彩るイヤーズ&イヤーズ。ほか、ルイス・キャパルディ、プリンセス・ノキアなど枚挙に暇がないほどの充実ぶり。

 

【3】苗場開催20周年

1997年の富士天神山スキー場、1998年の豊洲に続き、1999年からは現在の新潟県 湯沢町苗場スキー場で開催されるようになり今年で20年。この苗場開催20周年を記念したスペシャル企画として、なんと英国グラストンベリー・フェスティバルから一大アトラクション「アンフェアグランド」がフジロックに初お目見え。グラストンベリーといえば、フジロックのモデルとなった老舗フェスというのは広く知られるところだが、グラストンベリー休止の年だからこそ招致が実現する、今回限りのスペシャル企画。インスタレーションやグラフィティー、サーカスパフォーマー、ミュージックなどを盛り込んだ大人の移動遊園地「アンフェアグランド」、本場の体験が苗場でも堪能できるとは! まさに“未知との遭遇”が待ち受けているに違いない。

さらに、新潟・佐渡からは「太鼓芸能集団 鼓童」が満を持して初登場。海外での公演もお馴染みとなった鼓動による、日本の伝統芸能に現代の息吹を吹き込んだ新たな表現は、ジャンルレスでボーダレスなグルーヴにあふれている。フジロックのステージは、ある意味、海外公演よりもワールドワイドな意味をもつ舞台になるのではないだろうか。ダイナミックな和太鼓のビートが山々に響き渡る光景は、想像しただけで興奮もの。苗場開催20周年を祝福する最高のステージに期待したい。

この苗場スキー場での20年に目を向けると、フジロックが様々な変遷を辿ってきたことが窺える。ちょうどここから3日間開催となったことで、よりフェスティバルとしての佇まいが濃厚になったことをはじめ、野外フェスと向き合うことで来場者の意識も格段に変化した。自然のなかで身を守ることを学ぶと同時に、自然を慈しむ心をもつ。それが、「世界一クリーンなフェス」と呼ばれる所以につながったのだと思う。しかし、来場者の増加や国内外に参加者層の幅が広がったこと、悪天候も影響してか、とくに昨年のマナーの悪さは印象に残った。移動時に携帯用のイスを広げたまま持ち歩く人(これは時として凶器になります)。ゴミをポイ捨てする人。歩きタバコや混雑エリアでタバコを吸う人。レジャーシートを放置する人、などなど。そんななか、今年はフジロック側から「 OSAHO(お作法)」と名付けられたムービーが届いた。映像に流れるのはごくごく当たり前のエチケット。見ればきっと、「なーんだ、そんなこと」と思うはず。その一人ひとりの「そんなこと」が、またフジロックを「世界一クリーンなフェス」にする。というか、したいと思う。

20年の変遷に話を戻すと、年々 会場も進化と変化を遂げている。1999年にはグリーンステージ、ホワイトステージ、フィールドオブヘブン、ダンステント、ニューカマーステージの5つだったステージは、オレンジコート、パレスオブワンダー、苗場食堂、木道亭、DAY DREAMINGなどが順次新設され、今年は大小あわせて13ステージに。なお、多国籍かつコアなミュージシャンが多数出演することで人気を博したオレンジコートが、隣接するステージとの音のかぶりや水はけの悪さから2015年からなくなったことには悲しみの声が多くあがった。そのオレンジコートがもっていた特色の役割はフィールドオブヘブンに凝縮され、オレンジコートが設置されていた場所は、現在はフジロックでは初の屋根付きフードエリア「ORANGE CAFE」として生まれ変わり、新たな人気エリアとなっている。また、ファミリーでの参加が増えたことで、子どもが楽しめるキッズランドの充実・拡大が図られたり、トイレが増設されたり。こうした変化と改善面は、ステージ規模のものから山道を彩る装飾に至るまで、会場内を歩けば歩くほど気づくことが多々ある。フジロックのご当地キャラ(?)ゴンちゃんストーン、うさぎのマッドバニーを見つけるのもお楽しみ。ちなみに、ジプシーアヴァロンから抜ける小径にはいつの間にか木々の間にハンモックエリアが出現していた。といっても数は多くないので、空いていればラッキースポット。お目当てのバンドをじっくり堪能するもよし、端から端まで散策するもよし、芝生で寝転ぶもよし、ハンモックに揺られるもよし。この苗場スキー場での20年の歴史は、フジロックが掲げる「音楽と自然の共生、融合」そのものだ。

さて、7月27日(金)~7月29日(日)のうち、チケットは7月28日(土)・7月29日(日)各1日券、および同日の駐車券のチケットが残りわずかとなった。もはやジャンルレス、ボーダレスが当たり前となった現代において世代で括るのも無粋かもしれないが、世代を越えたメンツが集結し、ルーツが垣間見られるタイムテーブルが並び、音楽文化の物語を体感できる3日間が今年もやってくる。そこには参加者それぞれの「私とフジロック」という物語が生まれる。最初の一歩を踏み出すにはハードルが高いフェスだとも言われるが、日帰り、1日からでもまずは体験してみてほしい。会場の至る所でおいしいフェス飯と“未知との遭遇”が待っています。

そして、Rock isでは「果たして出演アーティストは、今年のラインナップでどんなアーティストを特に楽しみにしているのか?」ということで、昨年 好評をいただいた「アーティストが観たい出演アーティスト」企画を今年も掲載。題して、「出演アーティストに訊く“今年のフジロック、これが観たい!”」。随時アップしていきますので、開催までぜひお楽しみください!(秋元美乃/DONUT)

FUJI ROCK FESTIVAL’18

2018年7月27(金)・28(土)・29(日)
新潟県 湯沢町 苗場スキー場
オフィシャルサイト http://www.fujirockfestival.com

FUJI ROCK FESTIVAL 18′ – ANNOUNCING FINAL LINEUP & TIMETABLE!
https://youtu.be/Qa_sqSC739g

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