ARAHABAKIから急いでHANAGASAへ。再び渋滞。本当にARABAKIはよくお客さんが入っている。13時15分からHEATWAVE×Rei。一生懸命に歩いたが、最初から観ることができなかった。HEATWAVEのメンバーは山口洋 (Vo, G)渡辺圭一 (B)細海魚 (Key)池畑潤二 (Ds)。2003年から新生HEATWAVEとして活動している。4人ともロック界のツワモノ。
とくにルースターズのメンバーでもある池畑潤二はロックンロール界のラスボス、重鎮。近年のフジロックではグリーンステージのトップに登場するROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRAを仕切っている。一方、Reiは20代前半の新人アーティスト。幼少の頃からブルーズに目覚めたRei。YouTubeを検索すると、アコースティックギターをかき鳴らしながら、ブルーズ・ナンバーをカバーするReiのパフォーマンスを観ることができる。英語の発音も完璧。日本語によるオリジナルの楽曲も、もちろんある。1stミニアルバム『BLU』と2ndミニアルバム『UNO』をリリースしている。どちらもCDだが、7インチの紙ジャケ仕様。それが音楽ファンの琴線を刺激する。HEATWAVEとの共演はツワモノと新人のコラボレーションのように思えるが、Reiの歌とギタープレイも相当なツワモノだ。HANAGASAのステージの上では、ツワモノ同士がすべての瞬間でスパーク。物凄いセッションが繰り広げられていた。だってReiちゃん、池畑さんを「池ちゃん!」なんていうんだもの。誰もいえないよ、そんなこと。それくらい対等にスパークしていた。もしかしたら、楽屋ではお互い共通の知人も共通の話題もないかもしれない。だけどロックンロールとブルーズというフィルターを通した途端、お互いは流暢に会話を始める。
そこには年齢差も経験の差も何もない。ひたすらロックンロールとブルーズがバチバチとスパークしているだけなのだ。こうやってロックンロールは繋がっていくのだ。何もいわないでも、何も心配しないでも、こうやって強力な新人アーティストが現れ、若い視点のロックンロールとブルーズが高らかに鳴るのだ。最後を締めたのは「満月の夕」。阪神・淡路大震災の被災地への思いを綴った歌。おそろしくカッコいいステージの後だったからこそ、より歌と演奏が際立った。もちろんReiもギターを演奏。お客さんのなかには泣いている人もいた。今年のARABAKIのベストアクトをひとつだけあげろ、といわれたら、迷わずHEATWAVE×Reiと答える。
GLIM SPANKY〜Drop’s〜HEATWAVE×Rei。明日のロックンロール・シーンを占う意味でも、とても大事な動脈だ。いろんなステージでいろんな素晴らしいライブが繰り広げられるなか、この3つのライブはとくに重要な意味を持っていたように思う。ロックンロールのムーブメントはもうすでに始まっている。(森内淳/DONUT)
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