GRAPEVINE、ニューアルバム『BABEL,BABEL』にまつわるコメントをお届け
2月に自身14枚目となるニューアルバム『BABEL,BABEL』をリリースしたGRAPEVINE。本作では先行シングルにもなった「EAST OF THE SUN」ほか4曲を高野寛がプロデュースしていることから、歌ものアルバムの完成かと思われていた。しかし、アルバムを聴いた方はご存知のように、そこはバイン。高野寛プロデュースとセルフプロデュース楽曲を織り交ぜ、そうは一筋縄ではいかない絶妙な聴き心地をもつ1枚に完成した。1曲目「EAST OF THE SUN」の軽快なリズムとメロウなメロディに導かれた先で、いくつもの新境地の扉が聴き手を誘い込む。時代感の混ざり合う小気味いい語感がファンクビートとマッチする「Golden Dawn」。甘美で切ない音像の妙もさることながら、田中和将(Vo&Gt)の<きみを愛している>という生々しいフレーズに驚く「Heavenly」。現代社会への眼差しがアイロニカルに綴られ、ひと際リズムを凝らしたブルースロックとなった「BABEL」。MVも話題、リアルな心情が痛快に描かれた「EVIL EYE」。シンプルなビートとリフがGRAPEVINEのロックンロールの肉体性に輪をかけた「HESO」。開放感あふれるサウンドが本作にフレッシュな響きをもたらす「TOKAKU」など全11曲。聴かせる歌の部分と、随所にあらわれたバンドの実験精神とで何通りもの聴き応えを味わえる作品に。Rock isでは、アルバムの手応え、なぜ高野寛をプロデューサーに迎えたか、制作時のエピソードなどについてコメントを撮影させてもらった。新作を携えた全国ツアーは4月から。遊び心も鋭い視線も潜ませた新曲群が、ライブで変化していくさまも楽しみだ。(秋元美乃/DONUT)