生粋のシンガーソングライターにして詩人、倉内太がONE SONGに登場!
小学校5年生の頃からアコースティックギターを手にし、仲の良かった大人の影響でまず触れたのはビートルズ。当時、家ではロックンロールを隠れて聴いていたという彼が、一番最初に曲を書いたのは6年生のときだった。おそらく、そこから倉内太のブルースははじまっていたのだと思う。アコースティックギターでの弾き語りを軸としたスタイルで紡がれるのは、気になる女の子のこと、アルバイト先での出来事、目に入った景色、その瞬間に感じたこと。彼の口からふとこぼれおちるような日常の言葉たちだ。しかし、彼の半径3メートルくらいの世界がうたになって届いたとき、その音色は聴き手の機微にやさしく、ときにヒリヒリと触れてくる。数年前、悲しい別れから心に蓋がおとされ、音楽をつくれなくなってしまったときも、きっと、うたにならないブルースは鳴っていたのではないかと思う。復帰した彼からふたたび生まれたうたは、とてもやさしいメロディだった。泣き声パンクロッカー/世田谷のジョナサン・リッチマン/ひとりビーチボーイズ……彼を称する言葉はいろいろあるけれど、やはり彼は“倉内太”だ。うたそのものが倉内太で、音楽そのもののような人。今回Rock isでは、2015年に自主制作されたアルバム『倉内太のホワイトアルバム』から「メガネもあげる」を披露してもらった。収録当日、まだ演奏曲を決めていなかった彼に僭越ながらリクエストさせてもらった。<何か優しいことさせて 消えてというなら僕は歌うよ>。生粋のシンガーソングライターにして詩人によるうたをぜひ。(秋元美乃/DONUT)
倉内太にとっての「メガネもあげる」とは?
僕にとってこの曲は、珍しい曲です。
沢井宏之君という僕の友達が家に遊びにきた時に、僕がベランダで掃除をしてたら沢井さんがポロンポロンとギターを弾いたんです。
そのコード進行の美しさに僕はビックリして掃除を止めて、なにそれ?! と聞きました。
そしたら彼の作り途中の曲ということでした。
歌詞がまだ出来てない と言うので、その場で歌詞をつけました。彼の話を聞きながら一緒に歌詞をつけました。
沢井さんになりきった結果、沢井さんがメガネをしているからタイトルも「メガネもあげる」にしました。
なのでこの曲は沢井さんの曲です。
珍しい曲の出来方。楽しい雰囲気でした。
(倉内太・談)