myeahns が4月の初ワンマンでみせた新たなはじまり
2016年1月29日(金)、千葉LOOKからスタートした「アイアムジャイアントツアー」が4月3日(日)、渋谷TSUTAYA O-Crestにてファイナルを迎えた。この日はmyeahnsにとって初のワンマンライブとあって、開演前からフロアにはいつも以上の高揚感が漂っていた。昨年5月に4ピースから3ピース体制となり約1年。変化を進化に変えてきた3人がじっくりと歩を進め辿り着いた、大きな通過点となるステージだ。4月6日(水)に発表した1stミニアルバム『myeahns』からも全曲披露。これまで、そしてその先をのぞかせる一夜となった。
最新MV「デッカバンド」で着用したお揃いのセーラー姿で登場した3人が1曲めに鳴らしたのは「ファンクラブ」。少し切ない情景を映すこの曲の核心をつくような、<情熱は3分で奪い返すぜ>というフレーズが今宵のロックンロール・ショウの幕開けを飾ると、マヤーンズ節全開のナンバーを次々と繰り出す。初のワンマン、多少の緊張はもちろんあっただろう。しかし、穏やかにMCで話す逸見亮太(vo&g)に余計な気負いは感じられず、とにかく楽しもうという表情が3人からこぼれ、それがサウンドにあらわれているのがフロアにも伝わってきた。よりメロディを、うたを聴かせるようになった逸見。弾むグルーヴで絶妙な骨太ラインを生み出す長島アキト(b)。軽快なスティックさばきでステージ後方からとんでもないビートを叩き出す茂木左(ds)。この3人がいま見せる逞しさは、遠回りでもなく、近道でもなく、真っ直ぐに突き進んできたmyeahnsの自信ゆえのものに他ならない。ノスタルジーを誘う「サマーエンズ」、4人のテクマクマヤーンズ時代のナンバー「アメイジンググレイス」に続き新曲まで披露し、ひと呼吸おいた逸見は「ライブは楽しいですね」とフロアに語りかけた。
そして中盤。名曲「December’s Children」。“ここで、だから、でかい声で歌うんだ”という叫びに、かき鳴らされるギターに、ふりしぼる声に、そのうたを力強く美しく支えるサウンドに、身動きできなくなる。この曲から降り注ぐ魂がフロアに広がる。涙をふいた男の子の姿が視界にみえた。ここから、アルバム『myeahns』にも収録されている「アドバルーン」「フェスティバル」「Nice」と連なる流れはひとつのクライマックスをよんだ。ミドルテンポでぐっと聴かせるメロディの強さも、myeahnsの大きな魅力だ。
ステージの3人がそれぞれ見合う瞬間にも、阿吽の呼吸で奏でる瞬間にもバンドのダイナミズムが生まれる。この体制になってまだ1年だが、myeahnsが放つこのダイナミズムはロックンロールを輝かせる。後半、3ピースバンドの爆発をみせた「ヒロイック・トミー」や「バカは休み休みYeah」も圧巻だったが、「U.F.O.み.た.」に込められたロックンロール・マインドのアンセム感は、新曲を巻き込んで新しい風を吹かせているように聴こえた。そして、「no title」で逸見はうたう。<ロックンロールバンドが歌うから また どうにか なんとか やっていけるかもしれないんだよ>と。そして、<名前のついてないうたを 僕がみんなの前で 歌ってみせるよ>と。myeahnsがもつ切なさも激しさも込められたこのナンバーに、今日も救われる。「ロックバンドは好きか! でっかいバンドは好きか! ジャイアントなバンドは好きか! ジャイアントなバンドになろう!」という逸見の雄叫びとともにプレイされた本編ラストは「デッカバンド」。この曲でmyeahnsが綴るのはロックンロールバンドのこと。初のワンマンでmyeahns が鳴らしたのは、終始“心震わせるうた”だった。
止まない声援に応え、Tシャツに着替えてアンコールに登場した3人。「マネーガネー」でフロアをふたたび揺るがし、全19曲のロックンロール・ショウは幕を閉じた。世界は変えられないし、永遠なんてないことも知っている。だから彼らはバンドで音を鳴らす。そして、“何かが終われば、何かがはじまる”とうたうのだ。
ライブ後半で発表された新ツアー「アイアムジャイアントツアー~U.F.O.み.る.篇~」は5月6日(金)東高円寺U.F.O.CLUBのワンマンライブからいよいよスタート! この日から新体制という噂も!? (秋元美乃/DONUT)
セットリスト
1 ファンクラブ
2 恋はゴキゲン
3 ピアポ
4 バブルガムドリーム
5 サマーエンズ
6 アメイジンググレイス
7 メンバーズオンリー
8 December’s Children
9 アドバルーン
10 フェスティバル
11 Nice
12 ざむーんいずまいん
13 That’s the way a woman is
14 ヒロイック・トミー
15 U.F.O.み.た.
16 バカは休み休みYeah
17 no title
18 デッカバンド
アンコール
19 マネーガネー