富澤タクに初のソロ作品「いずれ」について訊いた
1991年に結成した自身のバンド「Number the.」は、活動16年めにして2009年に初作品をリリース。また、1991年の活動休止から2013年に再結成を果たした「COR-SEZ」は、結成24年を経て2015年に初作品をリリースと、長いキャリアにおいて、実にマイペースな歩みを貫いている富澤タク。そのマイペースさゆえ、ギタリストとして参加している「グループ魂」で宮藤官九郎につけられた名前はその名も“遅刻”。いつしか富澤タクa.k.a遅刻という名がポピュラーになった。しかし、このゆったりしたリリースペースは、決して遅刻気味の性分からくるものではないことが、一度彼の曲を耳にすると伝わって来る。丁寧に丁寧に紡がれた音と言葉。納得がいくまで練られた作品にみられる彼の職人気質。そこにあるのは音楽への深いこだわりと愛に他ならない。そんな富澤が、初のソロ作品となるシングル「いずれ」を配信限定でリリースした。福島県出身である彼が東日本大震災を経て、長い月日をかけて推敲し続けたというこの曲はまさに富澤の私詩的な1曲となっており、この曲が生まれたからこそ、自身の音楽人生初のソロ名義での活動に向かうべく、心が動いたのだろう。やわらかな歌声とあたたかくも凛としたサウンドに浮かぶ歌詞の情景に、あなたは何を思い馳せるだろうか。「いずれ」の世界をご堪能ください。(秋元美乃/DONUT)
富澤タクにとって「いずれ」とは?
自然に歌いたい事として、
2011年の後半頃に断片が浮かんできました。
全部が出来上がる前に伝えたい場に立つ機会があったので、
何度か未完のまま歌ってきましたが、
特殊な衝撃の余韻の中で書いてきたため、
時間の経過と共に大きな変化があり、
自分の中で定着するのに何年もかかってしまいました。
言葉は書き詩と読み詩とに分かれ、
音は録音するにあたって突き詰めた結果、
ぎこちなく生々しい「骨」、「皮」だけになり。
避けられない摩擦感、
でも誰かの心に寄り添える曲であれば。
そうであれば本望です。
(富澤タク)