サニーデイ・サービス最新作『DANCE TO YOU』を曽我部恵一が語る
2015年にデビュー20周年を迎え、今年に入って、名盤『東京』(1966年リリース)の再演ライブやはっぴいえんどのトリビュート@ARABAKI ROCK FEST.など、ルーツと向かい合う作業をつづけてきたサニーデイ・サービス。彼らは、その傍らで新作のレコーディングを続け、2016年8月3日、いよいよ待望のニューアルバム『DANCE TO YOU』をリリースする。『DANCE TO YOU』は、前作『Sunny』からおよそ2年ぶりのオリジナルアルバム。前作『Sunny』が穏やかなポップスの集合体だとすると、『DANCE TO YOU』は、軽やかなアルバムタイトルとはちがい、密度の濃いポップスの集合体になった。力のこもったメロディとサウンドが織り成すサニーデイ・ワールドは彼らの究極のポップスのかたちであり、だからこそ、究極のロックともいえる。この作品は、とてつもなく長い制作時間がかけられたという。準備された楽曲は50曲以上。そのなかから厳選された50分の9曲がアルバムに収録されたという。聞くところによると、すでに最初の構想は原型をとどめていないそうだ。こんなに手間をかけてアルバムを制作しようと思ったのはどうしてなのか。密度の濃い作品にもかかわらず、タイトルを『DANCE TO YOU』にしたのは? 大瀧詠一作品を多数てがけたイラストレーター、永井博を起用した理由とは? いろんな疑問を曽我部恵一にストレートにぶつけてみた。そこから見えてくるのは2016年型のサニーデイ・サービスだった。(森内淳/DONUT)