グッドモーニングアメリカが復活祭で見せた決意
8月2日、渋谷にあるTSUTAYA O-WESTでグッドモーニングアメリカが復活祭を行った。ポリープの手術でお休みしていた金廣真悟(vo,gt)の復帰と3ヵ月ぶりのバンド活動再開を祝う東名阪ツアーのファイナルだ。題して「凌ぎ合う」Vol.9。対バン形式の自主企画イベントでのリスタートは、単なる「復帰祝い」に終わらせるのではなく、音楽シーンの中でグッドモーニングアメリカが闘っていこうとする意思表示でもある。
東京公演のゲストは爆弾ジョニーとPAN。爆弾ジョニーはストレートなロックンロールを披露。PANはあの手この手のパフォーマンスで客席を盛り上げる。まさかパンを客席に投げるとは思わなかった。グッドモーニングアメリカは1曲目「キャッチアンドリリース」から勢いのある曲を並べて、徹底的にアグレッシブな姿勢を見せる。ライブ活動休止中のモヤモヤを振り払うような演奏だ。このステージを次につなげる起爆剤にしたいという彼らの気持ちがひしひしと伝わってくる。東名阪のツアーで共演したバンドへの感謝の言葉をはさみながらも、ただひたすら楽曲を披露していく、その姿こそが、彼らがこのイベントで伝えたかったことの全てだろう。
今回のグッドモーニングアメリカのライブ活動休止期間は3ヵ月。何年も休むバンドがいる中、3ヵ月と聞くと、短いようにも思う。彼ら自身も過去に2年間の活動休止を体験している。金廣真悟はステージのMCで「22歳の時に、2年間バンドを休止した時と(今回では)重みが違う」と話した。「年下のバンドもどんどん出てくる。歌がうたえるかどうかも不安だった」そうだ。金廣真悟は「このステージを作ってくれてありがとう。“凌ぎ合う”のステージに上ってくれてありがとう」と感謝の言葉を述べた。この時に歌われたのが「花」。このライブで初めて感傷的になった瞬間だ。
当然のことだが、現在のグッドモーニングアメリカにとってバンドはもはや暮らしの一部だ。バンドをやることの重みは22歳の時と今では違う。今回の休止をきかっけに「バンドとは何か?」という部分に向き合えたのは大きな経験だったのではないか。復活ライブという表向きのお祭り感と共に、「これからバンドの物語をどう作っていくか?」が刻まれたライブだったように思う。「花」の次が「イチ、ニッ、サンでジャンプ」。そして「未来へのスパイラル」へ。希望と絶望が息づくこの楽曲をオーディエンスと合唱して本編を終えた。アンコールは「コピペ」と、予定外の「また会えるよね」でライブは熱狂のうちに終了。MCでは、今年の大一番、11月11日にエスフォルタアリーナ八王子で行われるグッドモーニングアメリカ企画のフェス「八王子天狗祭2017」を発表。そしてこの復活ライブの翌週には、5枚目のアルバム『502号室のシリウス』が10月4日にリリースされることがアナウンスされた。(森内淳/DONUT)
2017年8月2日グッドモーニングアメリカ「凌ぎ合う」Vol.9
- セットリスト
- 1.キャッチアンドリリース
- 2.鉛空のスターゲイザー
- 3.その手伸ばして
- 4.アブラカタブラ
- 5.タイムスリップしたみたいに
- 6.Beep!Beep!
- 7.inトーキョーシティー
- 8.花
- 9.イチ、ニッ、サンでジャンプ
- 10.未来へのスパイラル
- en1.コピペ
- en.2 また会えるよね