爆弾ジョニーがZEPP TOKYO公演で見せた破壊と再生
爆弾ジョニーが12月4日、念願のZEPP TOKYO公演を開催。
やらずにはいられなかったステージでさらけ出した爆弾ジョニーらしさとは?
12月4日(月)、爆弾ジョニーがZEPP TOKYOで「SUPER BAKUDANIUS」を開催した。爆弾ジョニーのメンバーにとってはここを通過しないことにはどこにも行けないライブだ。というのも彼らは3年前の同じ12月4日にZEPPのステージに立つはずだった。ところがバンドは活動休止。12月4日のライブもキャンセルとなった。爆弾ジョニーは1年半の沈黙後、2016年に復活。ワンマンツアーを行った。その模様を収めたライブ・アルバム『Live to BAKUDANIUS』を2017年にリリース。さらに5曲入りのEP『BAKUDANIUS』と7曲入りのEP『クレイジービートラリアット』を発表。活動休止中の時間を取り戻すかのように、精力的に活動した。その2017年のゴールが奇しくも3年前と同じ12月4日のZEPP TOKYOでのライブとなった。活動休止から復活への「序章」の締めくくり、「本当の復活」への第一歩……いろんな捉え方ができる。ファンも百人百様の思いをこめてZEPPに足を運んだと思う。メンバーにとってはこのステージにケリをつけない限りは次へは進めないという思いがあった。
ZEPPのライブは、タイチサンダ―(dr)、キョウスケ(gt)、小堀ファイアー(ba)、ロマンチック☆安田(key)によるインストでスタートした。一音一音をしっかりと響かせる。その一音一音には、3年分の思いがこめられている。そこへりょーめー(vo)が登場。ライブは「なあ~んにも」で幕を開けた。何もないところから再出発する爆弾ジョニーにふさわしい1曲目だ。「なあ~んにも」から可能性を信じて挑んでいく曲「唯一人」~未来へアクセルを踏む「アクセル」とつづく。物語の導入としては完璧だ。もちろん楽曲はリスナーとコミュニケーションするためのものだ。しかしこの日は、彼ら自身へのメッセージにもなっていた。「自分の作品しか自分を救わない」というのを実行しているかのようだった。過去の出来事は修正できなくとも、アップデートはできる。
「ケンキョニオラツケ!」「終わりなき午後の冒険者」とつづき、「EVe」を披露。あらためて書くまでもないが、りょーめーのソングライティングはもちろんだが、今年リリースした2枚のEPにおけるキョウスケ、安田、タイチのメロディメーカーとしての才能、作詞家としての才能もピカイチだ。ネットラジオでキョウスケがデモ音源を紹介しながら、りょーめーやメンバーのアイディアで最終形へジャンプアップする過程を解説していたが、ただでさえクオリティの高いデモにりょーめーのアイディアが加えられ、さらに高みへと到達する楽曲も少なくない。この辺りのバンドマジックは凄みすら感じる。それだけに「アクセル」や「EVe」をはじめとした2017年にリリースされた2枚のEPの収録曲は、キラーチューンとしてライブを盛り上げる。キラーなメロディの連打は「KNOCK」のような歌い上げる曲を盛りたてる役割をも果たしている。
ならば14曲目にやったようなギャグを交えた「アメリカンマッスル」が必要かどうか。キラーチューンが量産できている現状を考えると、もはや意味を持たないのではないか。たぶんそう思った人も少なからずいると思う。筆者の頭にも一瞬、浮かんだ。しかしながら、爆弾ジョニーをもぶっ壊す爆弾ジョニーの存在が、爆弾ジョニーのリアリティでもある。むしろそこは爆弾ジョニーが爆弾ジョニーであるための肝の部分だ。ちなみに次の東京公演のタイトルは「うんこ」だ。かっこいいものをかっこいいまま見せると、かえって嘘っぽい。「うんこ」と言える彼らが名曲を生むからこそ、そこにリアリティが生まれる。彼らは、そういう感覚を身につけている。例えば、それは桑田佳祐がヅラをかぶって「マンピーのGスポット」を歌うのと同じだ。「アメリカンマッスル」「柑橘サンバ」があるからこそ、次の「イミナシ!」「うたかたの日々」「賛歌」「かなしみのない場所へ」が生きてくる。そういうことなのだと思う。本編最後の曲は「楽な方へ」。アンコールではタイチがスペースシャワーのLINE LIVEで披露した謎のストッキング芸を披露。「ギャルがゲル暮らし ~遊牧民~」でかき回した後、しっかり「ララララ」「ぼくらの」を決める。これが爆弾ジョニーの真骨頂なのだ。だからこそコンサートの最後の曲「REAL WiND」が生きるのだ。
したがってZEPP TOKYOのライブはある意味カオスだった。2時間半という時間をかけて、爆弾ジョニーは自分たちの多面性を全部ステージにさらけ出した。構築しぶっ壊し構築する。その繰り返し。それは爆弾ジョニーの嘘偽りのないすべてだったと思う。「12月4日のZEPP」で、彼らはオーディエンスに爆弾ジョニーのすべてを晒したのだ。というか、そうする必要があったのだ。そして何よりもよかったのはそのステージを5人が楽しんでいたことだ。これから爆弾ジョニーの新章がはじまる。「うんこ」を掲げながら、いかにいい曲を書き、いかにたくさんの人に共鳴してもらうのか。そこをクリアするのは大変なことかもしれない。しかし爆弾ジョニーは、そこを突破する力を持っているし、次のワンマンツアーではまた新しいステージを見せてくれると思う。楽曲は洗練するがバンドは洗練しない。それができる数少ないバンドのひとつだ。「うんこ」が楽しみだ。(森内淳/DONUT)
爆弾ジョニー「SUPER BAKUDANIUS」
2017年12月4日 Zepp Tokyo
セットリスト
- 01. イントロ
02. なあ~んにも
03. 唯一人
04. アクセル
05. ケンキョニオラツケ!
06. 終わりなき午後の冒険者
07. EVe
08. KNOCK
09. へへいへい
10. キミハキミドリ
11. 駄駄駄
12. MELODY
13. A.I.R
14. アメリカンマッスル
15. 柑橘サンバ
16. イミナシ!
17. うたかたの日々
18. 賛歌
19. かなしみのない場所へ
20. 楽な方へ - <アンコール>
- 21. ギャルがゲル暮らし ~遊牧民~
22. ララララ
23. ぼくらの - <ダブルアンコール>
- 24. 毎日
25. 新曲
26. REAL WiND