ザ・クロマニヨンズ

ザ・クロマニヨンズ

レインボーサンダー2018-2019

2019.4.17(wed)中野サンプラザ

レインボーサンダー2018-2019

レインボーサンダー2018-2019

2019.4.17(wed)中野サンプラザ

レインボーサンダー2018-2019

レインボーサンダー2018-2019

2019.4.17(wed)中野サンプラザ

レインボーサンダー2018-2019

ザ・クロマニヨンズの「レインボーサンダー2018-2019」中野サンプラザをレポート

ザ・クロマニヨンズ

2019年4月17日(水)、ザ・クロマニヨンズの「レインボーサンダー2018-2019」を中野サンプラザに見に行った。このツアーのライブを見るのは昨年11月の恵比寿リキッドルーム公演ぶり。今回は全席指定のホール公演だが、場内の熱気はライブハウスと変わらない。

19時ちょうどにライブはスタート。ステージに現れたクロマニヨンズはリキッドルーム公演同様、最新作『レインボーサンダー』を曲順通りに演奏していく。「おやつ」「生きる」「人間ランド」「ミシシッピ」「ファズトーン」「サンダーボルト」。アナログ盤A面6曲を一気に披露。

新曲中心のセットリストはもはやクロマニヨンズのお家芸だ。甲本ヒロト(vo)曰く「キャリアを積んだバンドは過去の曲ばかりをやりますが、クロマニヨンズはまだまだ駆け出しですから」。ブルーハーツの頃、あれも聴きたいこれも聴きたいというリスナーの要望に応えてメドレーをやったことを思い出す。それを考えると「最新の自分たちを見せる」という割り切り方は潔い。まぁシングル曲を聴きたきゃイベントやフェスに行けばいいわけだし。それでもツアーのチケットが取りにくい現状を考えると、観客もまたクロマニヨンズの新曲を求めているということだろう。客のために客の聴きたい過去曲をやるべきだという論は、ここでは通用しない。

その新曲たちがとにかくよかった。ツアーのキックオフ時に比べ、すべての新曲が圧倒的な力強さと説得力を得ていた。特筆すべきは小林勝(b)と桐田勝治(dr)のリズム隊。ただでさえバンドの屋台骨をつくっているふたりの演奏がさらに強固なものへと進化。甲本の歌と真島昌利(gt)のギターが小林と桐田がつくりだすグルーヴにがっちりハマり、揺るぎないロック・サウンドをつくりあげている。ロックンロール・バンドは初期衝動が最上値という説を覆し、マックス値を今もなお更新中だ。甲本と真島のライブを見るようになって34年目になるが、過去の記憶と照らし合わせても、目の前で繰り広げられるステージがベストだと思える瞬間が多々あった。19曲目に披露された「ギリギリガガンガン」の「今は最高」という歌詞が俄然リアリティをおびてくる。

ステージの演出もよかった。とくに「七色の雷(レイボーサンダー)」をテーマにしたのであろう、稲光のように激しく且つきれいな照明は4人の演奏にフィットしていた。それは、シンプルなロックンロールと凝った演出の落差で楽しませるといったものではなく、彼らの楽曲の根底にある「ポップ」と共鳴し合ってエンターテイメントへと昇華していた。考えてみれば『レインボーサンダー』も溌剌とした力に満ちた作品だ。「七色の雷」は作品の性質とも共鳴していた。いや、もしかしたらこの作品がこの演出を引き寄せたのかもしれない。スタンディングの会場における熱狂ももちろん素晴らしい。それがバンドのパブリック・イメージになっているところもある。しかしクロマニヨンズのホールライブには「密室(ライブハウス)のなかの激しさが生み出すカタルシス」を超えたカタルシスがある。ロックンロールとポップとロマンチックが同時に表出する感じ。これこそがクロマニヨンズの真髄だと思う。福岡公演も見たくなってきた。

ライブは一旦『レインボーサンダー』を離れて新作以外の曲のコーナーへ。この日、ラインナップされたのは「グリセリン・クイーン」「どん底」「スピードとナイフ」。最新シングル「生きる」のカップリング曲「時のまにまに」を挟んで『レインボーサンダー』のB面へ突入する。MCもほとんどなく楽曲が稲妻のようにガンガン降り注いでくる。ストイックにロックンロールを鳴らすバンドは意外に少ない。こういうバンドが存在することを若いミュージシャンやリスナーに見せたいと切に思う。

ここ数年、小さなライブハウスに20歳前後のバンドのライブをよく見に行く。イントロで感動的なMCで曲を煽る場面によく出くわす。歌ではなく言葉で心情を伝えようとする。たぶんSNSも影響していると思う。クロマニヨンズはそういったことは喋らない。口を開いてもくだらないことしか言わない。インタビューで歌詞の説明をすることもない。それどころか歌詞も肝心の核心部分は隠してある。リスナーは空白の部分を自分の想像力で埋める。「どん底」の「どん底だから あがるだけ」はわかりやすいが、「スピードとナイフ」の「変わるスピードが違ったんだなあ」は何のことかわからない。だけどリスナーそれぞれのなかには明確な答えがある。その答えが他のリスナーや甲本の答えとちがっても、そんなことは問題じゃない。

そもそもミュージシャンが楽曲を書く動機もすべてが崇高というわけではない。それを崇高たらしめるのはリスナーの想像力だ。同じ曲を同じように演奏していても、そこに「七色の雷」のような照明(リスナーの想像力の具現化のようにも思えた)があたれば、それだけでちがう風景が広がる。そういうことだ。「スピードとナイフ」で言えば、イントロ部分の小林のベースが饒舌に楽曲を語っている。15曲目「三年寝た」の桐田のドラムも同じだ。それがすべてだ。それがすべてと言い切れるバンドがいることを若いバンドマンやリスナーに伝えていきたい。

後半は「時のまにまに」から始まり、「恋のハイパーメタモルフォーゼ」「荒海の男」「東京フリーザー」「モノレール」「三年寝た」と『レインボーサンダー』のB面の楽曲が繰り出される。「モノレール」では甲本と真島がステージ中央で2ショットになる場面も。彼らは「いかにもロック」といったアプローチを好んでやるタイプではなかったが、もうそんなことすらどうでもいいのだろう。バンドはそういう境地までやってきた。前々回くらいのツアーからメンバー紹介もやるようになった。今やそれが見せ場のひとつになっている。これも大きな変化だ。「いかにもロック」を逆手にとって楽しんでいる風だ。もうなんでもありなのだ。表現の幅はまだまだ広がりそうだ。

「中野サンプラザでクロマニヨンズがやりたがっているぞ」というMCとともに「ペテン師ロック」が始まる。「エルビス(仮)」「雷雨決行」「ギリギリガガンガン」といったシングル曲でコンサートのクライマックスを盛り上げる。『レインボーサンダー』の最後の曲「GIGS(宇宙で一番スゲェ夜)」で本編は終了。アンコールは「オートバイと皮ジャンパーとカレー」「タリホー」「ナンバーワン野郎!」の3曲。計23曲90分のライブ。たかが90分、されど90分。クロマニヨンズのロックンロール、パフォーマンス、それに呼応した演出、ライブ全体でおおくのことを語ってくれた。(森内淳/DONUT)

  • ザ・クロマニヨンズ「レインボーサンダー2018-2019」
    2019年4月17日(水)中野サンプラザ
  • <セットリスト>
  • 1. おやつ
    2. 生きる
    3. 人間ランド
    4. ミシシッピ
    5. ファズトーン
    6. サンダーボルト
    7. グリセリン・クイーン
    8. どん底
    9. スピードとナイフ
    10. 時のまにまに
    11. 恋のハイパーメタモルフォーゼ
    12. 荒海の男
    13. 東京フリーザー
    14. モノレール
    15. 三年寝た
    16. ペテン師ロック
    17. エルビス(仮)
    18. 雷雨決行
    19. ギリギリガガンガン
    20. GIGS(宇宙で一番スゲェ夜)
  • EN1. オートバイと皮ジャンパーとカレー
    EN2. タリホー
    EN3. ナンバーワン野郎!

INFORMATION

live dvd『ザ・クロマニヨンズツアーレインボーサンダー2018-2019』

2019年7月31日(水)リリース
<初回生産限定盤DVD>
BVBL-145~146/4,630円+税
(リストバンド&特製缶バッヂ2個付き)※デジパック仕様

<通常盤>
BVBL-147/4,000円+税

album『レインボーサンダー』

album『レインボーサンダー』

2018年10月10日(水)リリース

CD:BVCL-906/2,913円+税
初回仕様分のみ紙ジャケット仕様

完全生産限定アナログ盤:BVJL-29/2,913円+税
60年代フリップバックE式盤を可能な限り再現。180g重量盤採用

  • 収録曲
    1. おやつ
    2. 生きる
    3. 人間ランド
    4. ミシシッピ
    5. ファズトーン
    6. サンダーボルト
    7. 恋のハイパーメタモルフォーゼ
    8. 荒海の男
    9. 東京フリーザー
    10. モノレール
    11. 三年寝た
    12. GIGS(宇宙で一番スゲエ夜)

PROFILE

ザ・クロマニヨンズ

ザ・クロマニヨンズ
甲本ヒロト(Vo)/真島昌利(G)/小林勝(B)/桐田勝治(Dr)
2006年7月の出現以来、すでにシングル16枚・アルバム11枚・全国ツアー13本など、毎年精力的に活動を続けている。
2018年8月29日に17枚目のシングル「生きる」、2018年10月10日には12枚目のアルバム「レインボーサンダー」をリリース。2018年11月07日(水)より、 全国ツアー「ザ・クロマニヨンズ ツアー レインボーサンダー 2018-2019」がスタート、2019年4月20日(土)福岡県・福岡市民会館でファイナルを迎えた。

取材・テキスト:DONUT(秋元美乃/森内淳)