がらくたロボットのヤマモトダイジロウが綴るショート小説

がらくたロボット ヤマモトダイジロウの「1983」

2019/4/19

第十二話「目覚め」

 

それは奇妙な一日の始まりだった。

革張りのソファーの冷たさを左手に感じる。
ズキンズキンと、割れるような頭痛でホント最悪な気分なんだ。
だけど、こんなバッドな日には決まって、最高の一日を予感させる。

おれはリモコンを手に取り
テレビの電源を入れた。
ソファーに寝っ転がったまま、
ただじっと画面を眺めているだけ。

 

「ん?」

なにか
ゴソゴソ、ゴソゴソ、と
ポケットの中に違和感。

重い体を起きあげ
そっと手を入れ取り出してみた。

 

そう

そこにあったんだ。

一枚チケットとキーホルダーが。

 


あとがき

1983の物語はこれでおしまい。最後の曲は、がらくたロボットの「ツキノアリカ」。当たり前のコトだけど、今から約35年前の1983年や、おれが生まれるずっとずっと前から月はあって今日も浮かんでいるんだね。あの日見たものや聞いたもの、肌で触れたものなんかは、この空を見ればきっといつでも思い出すだろう。

親愛なる読者諸君ならわかってると思うんだが、「1983」っていうのは、1983年イギリスのお話。そこで聴いた歌や口ずさんだ歌を、いつもココに書き記していたんだよ。
なぜ1983年なんだい?って聞かれるんだけど、おれにもわからない。ある日、目が覚めるとそこにいたからね。だけど、町を歩いても70’sパンクスとは少し違ったり、模倣と模索が混じり合うような匂いがする。それでも、何か新しい時代が始まる寸前のような気がして、ホントにワクワクしたんだ。

次にまた会う時はどんな時代だろう、君が生まれた年かもしれないね!

ヤマモトダイジロウ
「1983」
− 終 −

読者のみなさん、Rock is、1年間ありがとうございました。

ツキノアリカ / がらくたロボット