hotspringのイノクチタカヒロがロックンロールのアウトサイダーを綴るコラム

hotspring イノクチタカヒロの「遭遇!アウトなやつら」

2019/3/25

第11回:俺は反キリスト! お前は売女! 叩かれたってめげないぞ! セックス・ピストルズ!

はいー。このコラムもうすぐ終わるんでね、もう寄り道してる暇ないんですよ。
アウトサイドミュージックって本来、所謂「王道」から逸れた音楽のことを指すんだろうけど。まぁ、良くないすか?
自分にとって大切なバンドのことを書きたいじゃないっすか?

じゃあ、もう行きますよ。はいー!

わぁー!!! セックス・ピストルズだー! かっこいいー!!!!

 

このコラム読んでるようなやつにわざわざ説明する必要もないような気がするけど、一応しとくね。
セックス・ピストルズは1970年代半ばイギリスで結成された所謂「パンクバンド」の一番トップちゅうか、ど真ん中ちゅうか、みんなが憧れたくそカッコいいパンクバンドだ。
当たり前だけど俺もまったくリアルタイムじゃないし、当時のイギリスの政治情勢とかいまいちピンと来ないんだけど、1970年代半ば起きたパンクムーブメントを語る上で避けて通れないことだから、これも一応書いとく。
1970年代半ばのイギリスは、景気が死ぬほど悪くて失業率が半端じゃなかったらしい。
そんな状況だからもう、若者たちはやってらんねぇと。「おらこんな村嫌だぁ!」って状況だったらしいマジで。
その当時イギリスで流行ってたロックは髭もじゃの山男みてぇなやつらが演奏するハードロックか、「イエス」だとか「ピンク・フロイド」だとかのプログレッシグ・ロックっていう、非常に難解な、ロックにクラシックの要素を取り込んだ感じの、なんつーかなぁ。もの凄い技術派なバンドが流行ってたんですよ。
「スーパーバンド」みたいな感じだったのかね。その時流行ってたロックが自分と全く関係ないことに思えたんじゃないかな。
で、若者達はもう、「仕事も未来も恋人もねぇのにそんな長ったらしい曲なんか聴いてもこんなやつになれるわけねぇしなんも俺は救われねぇ。やることなさ過ぎワロタ。」という意味のツイートを泥酔した勢いでド深夜に投稿しては朝起きて読み返すと死にたくなるほど恥ずかしくなって消し、それでも夕方になるとまた酒が欲しくなり、泥酔してついツイートしてみるも朝になると、「何故おれはこんなはずい文章を不特定多数にむけて投稿したんや……死にたい。」と、またツイートを消し、ドン詰まりの負の連鎖が続いていたらしい。

一方その頃、ニューヨークではパティ・スミスやらラモーンズ、ニューヨーク・ドールズにルー・リードとか「パンク」と呼ばれる若者による、若者にむけた超クールで都会的なロックンロールが流行っていて、ニューヨーク・ドールズのマネージャーをしてたイギリス人のマルコム・マクラーレンさんは、「これ、イギリスでもバズるんじゃね?」と思い立ちイギリスに帰国後、なんか良く知らないけど「SEX」っていう洋服屋を始めて、「I HATE PINK FLOYD]って書いたTシャツとかを売って毎日を過ごしていたらしい。
それでその洋服屋「SEX」に入り浸ってた全員楽器未経験者のチンピラを集めて始まったのがセックス・ピストルズの結成秘話らしい。

んで、マネージャーのマルコムさんはその時主流の長ったらしいロックとは真逆のドシンプルなサウンドに、「とにかく過激で人に嫌われるようなことをやれ。」とバンドに指示をして、ピストルズのメンバーはチンピラやるのは得意だから、その道を極めていったらしい。
そんで1976年にさっき動画貼った超伝説のパンクアンセム「アナーキー・イン・ザ・UK」がリリースされると、シンプルなロックンロールに「俺は反キリスト。政治なんか信じねぇ。全部ぶっ潰してやる。俺はアナーキストだ!性の喜びおじさんだ!」というような意味ともとれる歌詞がたちまち良くも悪くも話題になり、ツイッターを炎上→凍結、投稿→ツイ消しを繰り返していた行き場のない若者たちは指を揃えて「この瞬間を待ってたぜ!」とツイートしたらしい。

その後、「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」っていう、またも超大名曲が発売されると「女王陛下万歳!くそアマ!ゴミくず!ヤリマン!お前に未来なし!俺にもねぇけどwww」という意味に近い歌詞がまたも話題となり、イギリスの政府に不満を抱えてた若者たちは「ちょww政府ザマァwwwwメシウマなんだがwwwwww」と大変喜んだが、大人たちは大激怒し、カンカンに怒ったネトウヨのやつらからのバッシングの嵐でピストルズのアカウントは大炎上しまくったらしい。
実際、ボーカルのジョニー・ロットンは道ばたで右翼にボコボコにされることが何度もあったらしい。弱そうだもんなぁジョニー・ロットン。

それで、もうピストルズの勢いは止められなくて、ファーストアルバム『勝手にしやがれ』を発売するともう、若者からの支持は半端じゃなく、楽器やったこともないやつらが一斉に楽器を始めて、パンクバンドが世界中に急増しまくったらしい。

楽曲ももちろんパンクの限りを尽くした大不謹慎ソングばっかなんだが、メンバー達のキャラクターも滅茶苦茶で、中でもベーシストのシド・ヴィシャスという男は、担当楽器のベースは弾けないわ、客席からビール瓶が飛んできて顔面を直撃しても血塗れでヘラヘラしてるわ、恋人のナンシー・スパンゲンというアバズレと仲睦まじい様子を世間に見せびらかしたと思えばラリって殺害(一説)、その後自分もラリり過ぎてオーバードーズにより21歳で死亡。と、破天荒の極み、パンクの限りを生き方で体現し、若者のなかで「こいつ……ヤバすぎてヤベェ!俺も死のっと!」と大変な人気者だったらしい。

にもかかわらず、1978年にはあっけなく解散しちゃったんだな。ジョニー・ロットンがもううんざりしちゃったらしい。叩かれすぎて疲れちゃったのかね。SNSでなんでもかんでも不謹慎って騒ぐやつらはダメだね。鬼の首取ったみてぇなツラ下げてさぁ。面白いことをどんどんなくしてってるんだよなぁ。気づきなさいよ。

 

その後ジョニー・ロットンはジョン・ライドンって本名を名乗って、ピストルズの影響でパンク始めたやつらのことなんか置いてけぼりにして「P.I.L.]っていうバンドを結成したよ。

俺、P.I.L.初めて聴いたときはびっくりしたなぁ。サウンドがピストルズと全く違いすぎて。血が通ってない感じがめちゃくちゃカッコいいと思って一時期ずーっと聴いてたなぁ。

ジョニー・ロットンのフォロワーも俺と同様衝撃受けて、それが今度は「ニューウェイブ」っていうジャンルになっていくよ。

 

ピストルズは、ジョニー・ロットンやマネージャーのマルコムの計算された確信犯的な部分と、シドの超ナチュラルボーンパンクロッカーな生き方が見事にマッチングして、時代的にも「こんなやつを待ってました」と大歓迎されて成功したバンドなんだと思う。

楽器弾けなくても世界一のバンドになれるって、もう、一番ザマァじゃないですか。そらこんなバンドいたら夢中になるわ。

俺もパンクにかぶれて、「商業的な音楽はくそ」「大人もくそ」と言い聞かせて、スタジアムで演奏してるようなバンドは総じて糞。と思い込んでた少年時代があったなぁ。

 

よし、このへんでいいかね。
じゃあなクソコラム読者!
いいか。花見したら殺すからな。桜は見ちゃダメだからな、約束な。

次回はアウトなやつら最終回。「アウトはなにか。」について書こうかな。

 


hotspring – ダンダンダンダンッ (Music Video)

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