但野正和が「闘う男」をテーマに綴る月イチ連載コラム

但野正和の「闘いはワンルームで」

2019/8/21

第25回:「夏が来てぼくら」

好きなバンドやミュージシャンのニュースの中でも、
レーベルの移籍や、契約解消や、その類の報告というのは、
俺からしたらどうでもいいことだった。

しかし当事者になってみれば、なかなかのビッグニュースだわこれ。

なんというか
気持ちが、心が、熱くなる。
決意みたいなものが決意みたいなものとぶつかり合い、小さな爆発を体内のアチラコチラで起こしているような。
……伝わらないか。

つまり、そんな話がここから先は続くので、興味ない人には酷く退屈であろう。

 

まずは俺の個人的な説明になるが、
以前やっていた最終少女ひかさというバンドの頃から今に至るまで
「ラッキーヘル」という、幸運なんだか不運なんだか、とにかく洒落の効いた名前の会社の、世話になっていた。

つい先月下旬の某日。
そのラッキーヘルを離れ。
バンドのみで動いていく決断をした。

誤解なきよう一番に伝えておく。
ラッキーヘルは俺たちのことを愛してくれていた。
いや、正確には「一切疑うことなくそう思っている」
そんな風にバンドが思えるなんて、なんと幸せなことだろうか。

少なくとも俺は、彼らに出会うまでは。
事務所やらレーベルってのは、見なきゃならんバンドを沢山抱えているから、バンドひとつに熱量なんて込められないもんなんだろうな……と、諦めたように構えていた。

 

最終少女ひかさの頃に拾われ。
俺らの世話をするためにラッキーへルを作ってくれた。
今年で5周年だと、先月社長と電話で話したとき、嬉しそうに言っていた。

現在ラッキーへルに所属してるのは、俺ら北海道のダブルサイズベッドルームと。宮崎のベランパレードがいる。
ボーカルのアビくんと電話した際に、彼が言っていた。
「我が子のように可愛がってくれているよね」

本当にだ。俺もそう思う。
金銭的なメリットは全くない。無償の愛だった。
社長は俺たちが可愛くて可愛くて、(あとは憶測だが、きっと彼の夢も俺たちに乗せて)全力でマネジメントし、サポートしてくれていた。

 

何故、今、ラッキーへルを離れようと思ったのか。

ふと自分を眺めてみたとき。

こんな俺みたいな人間が、格好良いバンドを出来るわけがないなと思った。
俺が俺のことを、こんな奴、格好良いわけがないと思った。
(それはいつからそうなったのか。いつの間にかそうなってしまっていたのだろうか。)

わかりやすく説明したい。

「俺の感覚で良いと感じるもの」よりも
「社長が認めてくれるもの」を俺は探すようになりかけていた。

歌や曲、音楽だけに限った話ではなく、人に届ける全て。

そのバランスが、いつのまにか後者に飲み込まれそうになってた。

 

俺は、自分の体外に出したいものを、内部スタッフやメンバーに説明するのが、不得意だ。

「なんかお洒落だから」とか「俺が格好良いと思ってるから」という、あまりにも馬鹿らしい言葉でしか説明できないものをやろうとするとき、その苦手意識は加速する。

そんな到底理屈の通っていない馬鹿げたことを、力でねじ伏せられるほど、
今の俺は、自信を持っていなかった。

 

ダブルサイズベッドルームだけ、他のバンドとは違うとこがあった。
最終少女ひかさも、ベランパレードも。
各々が自分たちバンドのセンスで活動し、それを認められてラッキーへルに入っている。
しかしダブサイだけは、俺がバンドを作る前から用意されていた。

俺がこれからやろうとしてることを、先に認めてくれて、一緒にやろうと言ってくれた。

嬉しいことだった。もちろん。

ただ、俺たちダブルサイズベッドルームの4人には、
俺たちだけで決めてきたことが、ひとつも無いってことに気付いてしまった。

俺たち4人組のセンスなんて、この4人が集まってやってみないと分からないことだった。
それを始めから認めてくれる人がいて、一緒に悩み考えてくれる人がいるってことに。
なんだか自分でスッキリしなくなってしまった。

俺は自信を取り戻すために、この4人のセンスで、活動をしたいと思った。
いつか、認めてくれるその日がきたなら、そのときにまた始めればいいと思った。

 

これからは全て自分らでやろう。

わかりやすく外に発表していく情報もそうだが、外からは見えないようなことも散々やってもらってきた。

ライブを決める際のギャラ交渉やら、ツアーでの宿泊先の手配、ワンマンのオリジナルチケット作成、プロモーションの手配、ラジオとかテレビとか、CD屋まわりとか、ライブハウスへの連絡も全部。

やってるとこは当然のようにバンドがやってることではあるが、俺らは全部やってもらっていた。
これを機に、しっかり連絡出来る人間になりたい。

深刻に予算が無いとか、リアルに起きていきそうだが、俺たちを求めてくれる人がいる限り、あなたの住むそっちまでライブしに行きたいと思ってます。

脳みそがキャパオーバーでパンクするまでは、自分らだけでやっていこうかな。
至らない点も多々出てくることかと思いますが、今後ともよろしくお願いします。

 

追伸
正直、嫌な言い方をすれば、もっと賢い選択肢もあった。
だが結局のところ、一番大事にするべきことは、自分が自分のことを格好良いと思えるかどうかで。
その決断をした瞬間から、堂々と胸を張れるかどうかだった。

結果が良いときしか胸を張れないような選択なら、するべきじゃないと判断した。

誰のせいにも出来ない。
そして、誰かを背負うなんて気もない。
俺はただマイペースに、俺の思うままに歩いていきたいと思った。
それが俺の、今からの闘い方。

 

但野正和の「闘いはワンルームで」

絶賛レコーディング中。愛しのマイメンたち

 


LIVE INFO<ワンマン>

ダブルサイズベッドルーム・フォー・ユー 「理由なきワンマン」
12月2日(月) 札幌・SPIRITUAL LOUNGE
OPEN 19:00/START 19:30
前売 2,500円/当日 3,000円(ドリンク代別)

但野正和単独公演 「翌日」
12月3日(火) 札幌LOG
OPEN 19:00/START 19:30
前売 2,000円/当日 2,500円(ドリンク代別)

LIVE INFO

8月23日(金)苫小牧ELLCUBE
活性の火’19前夜プレミアムライブ EVECAMP’19
OPEN 18:00/START 18:30
前売 2,000円/当日 2,500円 (ドリンク別)

8月24日(土)・25日(日)中心市街地2エリア5ステージ
活性の火‘19 -誇れるまちの灯火となれ-
若草中央公園/ELLCUBE・アカシア公園
入場無料
https://activefire14.jimdo.com/

9月6日(金) 札幌COLONY メメタァのこたえあわせツアー
OPEN 18:00/START 18:30
前売 2,500円/当日 3,000円(ドリンク代別)
出演:DOUBLE SIZE BEDROOM/Cloque.

9月7日(土) 札幌SPIRITUAL LOUNGE メメタァのこたえあわせツアー
OPEN 17:30/START 18:00
前売 2,500円/当日 3,000円(ドリンク代別)
​出演:DOUBLE SIZE BEDROOM/Cloque./アルクリコール/ACTIVE GIRL

12月7日(土)・8日(日) 下北沢 某会場 下北沢にて’19
1日券 4,000円/2日券 7,500円(ドリンク代別)

DOUBLE SIZE BEDROOM公式ツイッター
https://twitter.com/dsbedroom