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the twentiesのタカイリョウがおくる毎月1枚の写真とコラム

the twentiesタカイリョウの「頭を木刀でやられたのかもしれない」

2018/7/13

第3回:「バニラの呪縛」

第3回目です。こんにちは。

先日1週間台湾へ行ってきました。
「2018 覺醒音樂祭 Wake Up Festival」という大型フェス出演をメインに、台北のライブハウス、台中の野外イベントと、どれも強く記憶に残るライブをさせてもらいました。

というわけで今回は台湾でのあれこれを紹介させて頂きます。

では。

 

東京から台湾へ向かう当日、空港は風がとても強かった。
搭乗して飛行機が止まっている状態ですら横に大きく揺れていた為、今日はダメかもしれない。と既に気持ちは負けていました。

しかし、そんな心情などもちろん気にもせず、飛行機はプルプルと機体を大きく揺らしながら離陸。と同時にやって来る猛烈な吐き気。

 

そうなんです 乗り物酔いが激しいのです非常に。

 

結果、離陸してから着陸するまでトイレでずっと吐くはめに。
本当に辛かった。何故こんな思いをしてまで台湾へ向かってるのだろう……と既に帰りたさ満点の星空だった。
ただそんな中で救いもあった。それはトイレでずっと吐いてるとキャビンアテンダントの方がとても優しく背中をさすってくれたのです。それだけで少し気がラクになった。

わけがなく、その後も永遠吐き続け最後には胃の中も空っぽとなり嗚咽だけがトイレに響き渡っていた。目からは涙がボロボロと溢れ、身体中汗まみれで本当に辛かった。

 

離陸してから約3時間半、後方に2つあるトイレの一つをほぼ1時間半以上占領したのち最後尾の3列シート全てを使わせてもらい横になって死んでいたところ、「ご気分はどうですか? 只今から着陸致しますので座席に座ってシートベルトをお願い致します。」とキャビンアテンダントの方が優しく声をかけてくれた。

この状態を見てそれができそうに見えますか?と心底思ったが、散々迷惑をかけていたので「分かりました。」と覚悟して身体を起こした。
背を丸め3時間ぶりに座った座席は オラオラ、吐け吐け。と静かに拷問を受けてるようでした。

シートベルトを締め、左手に袋を持ち、右手にキャビンアテンダントさんから頂いた氷でパンパンの袋を顔面に押し当て着陸を待つ。

 

シートベルトを締めて10分。

飛行機はいまだ元気に空を飛んでいた。

絶望。

早く降りて下さい。と心の底の底の底の方から本気で思った。

数分後、飛行機がプルプルと震えながら堕ちていく。と同時に吐き気がさらに拍車をかけてきた。
袋の中に顔面を埋め、声が機内に響き渡らないよう必死に耐えた。

「ズゴッ」というケツに響く衝撃と共に飛行機は無事桃園空港に着陸。

ゾロゾロと乗客が降りて行く中、微動だに出来ず、袋に顔面を埋めたまま座席で死んでいると、キャビンアテンダントさんが「車イスをご用意しております。お付き添いしますが動けますか?」と声をかけに来てくれた。

さすがに台湾に着いて早々車イスで入国はちょっと恥ずかしい。「いえ、大丈夫です。歩けます、ご迷惑をおかけしました。」と伝え、飛行機を降りた。

突然モワッとする生暖かく湿った空気が皮膚に纏わり付き、ここが日本ではないことを小さいタカイが全身を走り回り体中に知らせてきた。
と同時に再度襲ってきた猛烈な吐き気によりぶっ倒れそうになったがトイレまでゾンビの様に歩いた。

 

その後、空港から移動の為、また1時間以上車に揺られることになるのだが前記した内容と対して変わらないので省略します。

ただ、台湾人の運転はそれはもう死ぬほど荒かった。おれもかなり運転は荒い方だがあれは比ではない。

 

さて、思いのほか飛行機上での話が長くなってしまいました。台湾での話は山程あるのですがこれはコラムなのでこの辺で終わりにしないといけません。残念です。

台湾の人々は本当に優しく、心を打たれることが沢山ありました。嘔吐の話しかしていませんが、また必ず行きたいと思っています。どこでもドアで。

 

肝心の1枚ですが、今回は3枚写真を上げさせてもらいます。

 

タカイリョウの「頭を木刀でやられたのかもしれない」3-1

1枚目は台湾のカッパえびせん。これが台湾で食べた食事の中で一番美味かったです。

 

タカイリョウの「頭を木刀でやられたのかもしれない」3-2

2枚目は異臭を放ちまくっていた場所です。写真からは何も伝わらないと思いますが、臭豆腐の匂いと香辛料の匂いで凄いことになっています。

 

タカイリョウの「頭を木刀でやられたのかもしれない」3-3

3枚目は台湾人カップルのお二人。
Wake Up Festivalが3日間開催の為、近くにホテルを取っていたらしく偶然ホテルが一緒でロビーで声をかけて頂きライブの感想を熱く沢山語ってくれました。ありがとう。

 

使う言語や文化は違えど、音楽は生活のすぐ側で鳴っていて、国境なんて軽く飛び越え誰かの胸を打つことが出来るのだと改めて知ることができた。
一昨年行った時よりもさらに台湾のことが好きになりました。同時に海外へ視野を広げていくきっかけになった気もしています。
日本での海外観光客への接し方も見直そうと思う。

ちなみに前回書いたコンビニの冷やし中華はなんとまだ飽きていませんでした。
これから暑い日が続きます、熱中症などにお気をつけてお体ご自愛ください。

それではまた来月。
最後まで読んで頂きありがとうござした。