4月30日
アラバキ2日目。前日と同じく11時過ぎに会場へ着く。まず1発目に観たのはHANAGASAにてDYGLだ。昨年、ザ・ストロークスのアルバート・ハモンドJr.が日本人バンドをプロデュースしていることを耳にした。そんなウルトラCを起こすなんてどんなバンドなんだ?と気になっていて、今年に入りそれが彼らだとわかった。アルバートとガス・オバーグ(ストロークスのプロデューサー)を迎えた1stアルバム『Say Goodbye to Memory Den』を4月にリリース。本作は例えばバディ・ホリーなどロックンロール創成期の様式からパンクの激情や気怠さまでを備えた、純然たるロックンロールリヴァイバルの血流を継ぐ快作だ。それだけに相当の期待を抱いて待機していたのだが、もう余計な思考も何もかも、あっさりとブッ飛ばされてしまった。
まず見た目が非常にクール。かと言って気取っているわけでもない。音にすべてを込めてやる、そんな感じが伝わってくる。そして「Come Together」、「Take It Away」と進むにつれ音源よりも一層熱を帯びたパフォーマンスが観客を完全にノックアウトしている。ライブバンドとして素晴らしいことはわかった。加えて心を惹かれた点がふたつ。「Let It Out」などにおけるメロウさと、「Don’t Know Where It Is」などの圧倒的な轟音だ。昔は、それこそロックンロール創成期は、ジャズもブルースもポピュラーミュージックも今ほどはっきり分けられていなかったように思う。いわゆるロックンローラーだってポップな曲を歌ってきた。ロックとは本来ポップなのだ。だからスリーコードをメロウに発展させた「Let It Out」を聴くと、むしろ真っ当な地平に立っているなと思うわけだ。轟音についてはその逆で、シューゲイザー志向の懐古フレーズというわけでなく、機材の充実した現代ならではの音を鳴らしていると感じる。いずれにしろ、彼らのアクトが単純に気持ちよく熱く最高だったということは、初めは「こいつら何者?」といった雰囲気もあったフロアから自然とハンドクラップが発生し、大きな拍手や歓声とともに終幕した事実が証明している。アラバキの個人的ベストアクトだった。
- セットリスト
- 01. Come Together
02. Take It Away
03. Boys On TV
04. Let It Out
05. Waste of Time
06. Don’t Know Where It Is
引き続きHANAGASAにてみちのくプロレスを鑑賞。プロレス自体が初体験だったのだけれど、身体を叩き合う音、リングに打ち付けられる音が想像以上で迫力満点。
こりゃ生で観たくなるね、と思っているとデヴィッド・ボウイの「Starman」が聴こえてきた。HASEKURA Revolution×東北ライブハウス大作戦ステージの石崎ひゅーいによるカバーだ。偶然の出会いもフェスの魅力のひとつ。彼の演奏をしばし堪能したあと、SHISHAMOのためにBAN-ETSUへ。着いた頃には「きっとあの漫画のせい」を演っている。今回は『SHISHAMO 4』からのナンバーが中心。シンプルな演奏と切ない歌に酔いしれる。
時刻は14時を過ぎ、昨日以上にカンカン照りの太陽。暑すぎだぜこの野郎(笑)。実際かなり日焼けしたので、4月と言えどしっかり対策すべきかと(夜は寒くなるので羽織るものも忘れずに)。次のTheピーズまで間が空くしBAN-ETSU周辺は日陰がまったくなく辛くなってきたので、昼食をかねて休憩を取る。念願の牛タン煮込み丼に舌鼓を打ちました。
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