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Rock is(ロックイズ)

4月30日 16:15頃

濃密すぎるアクトにお腹いっぱいになりながらHASEKURAへ。今回がデビューとなる50/50(山口洋 from HEATWAVE×古市コータロー from THE COLLECTORS)のお出ましだ。サウンドチェックはバッチリ。ところが「時間通りに始めないといけないそうなので」とトーク&即席ギター教室で間を繋ぐ。「こういうとき僕はサンタナなんだよ」と古市コータローが「Europa(Earth’s Cry Heaven’s Smile)」(「哀愁のヨーロッパ」)をさらりと弾き始めると、山口洋も悠々ついていく。あえて音を外す一発ネタを挟み、「僕らの世代はエレキギターを持つと絶対こうやってたんですよ」とディープ・パープルの「Smoke on the Water」へ。締めが決まると「どうも麗蘭です」とコータロー。みんな大爆笑。しかしまだ時間が余り、レッド・ツェッペリンの「Stairway to Heaven」(「天国への階段」)までサービスしてくれた。うれしいけれどひとつの疑問が浮かび上がる。準備が早すぎたのでは?(笑)

ようやくオンタイム。「TOKYO CITY HIERARCHY」が始まる。ワウカッティングと開放的なメロディが心地いい。永遠に聴いていたい。山口洋から「人生にわからないことがあったら、この人についていけば大丈夫です」と紹介されソロへ入るコータロー。あえて弾かないフレージングがさすがである。対して、山口洋が曲間にソロギターを奏でると「俺そういうの弾けないんだよね、指ですごいよね。俺らの時代さ、指で弾く人は敵じゃなかった?」と褒め返し、ここから話が盛り上がる。

  • 山口「俺、敵?(笑)」
  • 古市「いや(笑)、でもフォークギターを持ってると敵だったよね」
  • 山口「俺エレキもフォークも両方弾いてた」
  • 古市「すごいね! スリーフィンガーとか最近覚えたんだけどできないんだよ」
  • 山口「今さらできなくていいんじゃない?(笑)」
  • 古市「なんかさ、『22才の別れ』とか弾きたいわけ」
  • 山口「あとで飲み屋でやろう(笑)」

見事(?)着地したところで「モノクロームガール」へ。やさしいボーカルに爽やかなバッキング、そして激烈なソロが宮城の風と溶け合ってゆく。曲が終わり、ここで本日の名言。「ビールってね、突き詰めれば突き詰めるほど、家に帰って呑むものなんだよね。今日1日のエピローグとして」、by 古市コータロー。続いて名曲、「満月の夕」が贈られる。しかも途中からTOSHI-LOW(BRAHMAN)がサプライズ登場。さらにステージ袖で賑やかしていた佐藤タイジ(シアターブルック)まで引っ張り出され、4人の豪華共演が実現したのだ。申し訳ないことにこれにて移動したのだが(残り何曲か演ったはず)、抜群の歌心、身体に染み付いた人生哲学、何より同世代という最強の武器が、ここでしか観られない特別な空間を作り出していた。

ARABAKI ROCK FEST.17 50/50

豪華セッションを中座してまで観たかったのが、Suchmosである。余談だがTheピーズの演奏中、舞台袖のさらに奥で踊りまくっていたのが彼らだった。BAN-ETSUへ着いた頃には「PINKVIBES」が響き渡っている。いわゆるアシッドジャズやブラックミュージックに根ざした横ノリのグルーヴを、極めて洗練された音楽的様式美、クールなビジュアル像とともに鳴らす彼ら。ただYONCE(Vo)はもともとブルースロックバンドOLD JOEに所属していたり、実は当たり前にロックンロールの血も流れている。だからこそあの大団円のあとはやり辛いだろうけれど、自分たちにしか起こせないグッドバイブスでしっかり大観衆を揺らしていた。間髪入れず、7月5日にリリースされる『FIRST CHOICE LAST STANCE』から新曲「WIPER」をいち早くドロップ。口火を切るのは問答無用のロックリフ、そこにグルーヴィなリズムと鮮やかな和音が重なり、灼熱のボーカルがトドメを刺す。その後の展開もお見事だ。締めくくりは「STAY TUNE」、「MINT」という音楽シーン全体を席巻したキラーチューンの畳み掛け。逆境やイメージをあっさりクールにおもしろくひっくり返してしまうパフォーマンスだった。それは、楽曲の構造や活動方針にも通底している、Suchmosのスタイルそのものなのである。

ARABAKI ROCK FEST.17 Suchmos

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