4月29日 13:00頃

5分ほど歩いてBAN-ETSUへ。GLIM SPANKYの出番である。昨年のHANAGASAからここ、収容人数で言えば2,000人から10,000人のステージへ抜擢されたことを考えると、この1年の躍進ぶりに気づく。1曲目は「アイスタンドアローン」。極彩色に輝くどっしりとしたナンバーで不敵に幕開けを飾ると、「褒めろよ」で一気に歓喜の狂騒空間へダイブ。一転、スモークが幻想的な雰囲気を醸し出し、サイケデリックなイントロが始まる……かと思いきや亀本寛貴(Gt)に機材トラブルが発生してしまう。しかし鉄壁のサポート陣はまったく動じることなくセッションを続行。その間にギターを替えたりアンプを確認したり足元をひとつずつチェックしたりと四苦八苦の亀本とローディ。その時間、実に約3分。グリムのこんなトラブルは初めて観た。ようやく復帰するとブルージィなフレーズを爆発させ、改めて「MIDNIGHT CIRCUS」を披露。「闇に目を凝らせば」でダークなトリップ感を後押ししていく。

ARABAKI ROCK FEST.17 GLIM SPANKY

曲が終わり、ここで再び機材を試行錯誤。松尾レミ(Vo, Gt)がMCで繋ぐ。今回は約2分。トラブルがあるのは仕方ない。ただ、危機的状況に陥ったときにどんなパフォーマンスで返すのか。それがロックの本分ではないだろうか。そういった意味で、復旧までの時間が長すぎたこと、その後傷心ぶりを隠しきれていなかったことは正直マズかった。例えばTHE BACK HORNの菅波栄純は、曲中に音が出なくなったギターを捨てエアギターで逆に観客を盛り上げたことがある。そんな解決策は彼にしかできないが(笑)、この経験を糧にしてほしいと思う。

なんとか復旧したところでグリム流ダンスナンバー、「いざメキシコへ」をプレイ。《ギンズバーグの詩》という一節など、楽曲に宿る持ち前のヒッピー精神がこの会場にぴったりだ。続く「怒りをくれよ」で盛り上がりは最高潮を記録。ラストは「みんなの曲になってほしいなと思って歌います」と「美しい棘」。雨上がりの雲間から陽射しが溢れる瞬間のように鮮烈なイントロ、シンプルなビートとメジャーコードの力強さ、そして聴く者すべてを全力で抱き締めるでっかい歌。この曲は紛れもなくロックだ。でも同時に、とてつもなくポップである。事実、ドラマ主題歌としてお茶の間へ届けられてもいる。それは4つ打ちにするとか、シンセやストリングスを鳴らすとか、シーンの潮流を捉えた小手先のポピュラーさではない。本物のロックを極め続ける者だけが獲得できる大衆性なのだ。ビートルズやストーンズらが持つ、国境も時代も超えてあらゆる人間に衝撃を与えるような、そういうポテンシャルを彼女たちも持っている。改めてそう確信させられるアクトだった。

  • セットリスト
  • 01. アイスタンドアローン
    02. 褒めろよ
    03. MIDNIGHT CIRCUS
    04. 闇に目を凝らせば
    05. いざメキシコへ
    06. 怒りをくれよ
    07. 美しい棘

 

再びHASEKURAへ急ぐ。やさしい世界(爆弾ジョニー)を観るためだ。着いた頃にはもう終盤、「5号線」が始まっていた。ロマンチック☆安田がTheピーズのハッピを着ている。ニンマリ。ラストの「イミナシ!」ではステージと観覧エリアの境なく、お客さんたちの間に入って笑顔で熱唱していた。ピースフルな演出とアコースティックの温かさ。心の底から気持ちよかった。

爆弾ジョニー

ぼくのりりっくのぼうよみやKANA-BOONも気になるなあと思いながら、清水ミチコまで昼食を取ることに。ずっとBAN-ETSU周辺やんけと言われそうだけど、楽をしたいわけじゃなくてですね、たまたま観たい人たちがですね……(必死)。お昼はステーキごはんをチョイス(宮城名物がいいなと思いつつ並ばずに買えそうだったからというのはここだけの話)。

お腹を満たしたところで、BAN-ETSUにて清水ミチコのショーが開幕。まずMISIAで掴みはバッチリ、そこから鉄板ネタのオンパレードだ。矢野顕子の「ひとつだけ」、「100年使える声の歌」と題してサザエさんのタラちゃんからきんさんぎんさんまで有名人の声マネを弾き語りに乗せて、中島みゆきの「糸」、井上陽水の「少年時代」に至っては何を歌っているのかわからない……(笑)。一転、RCサクセションの「スローバラード」で泣かせるのだからさすがである。続いて彼女の分析する作詞作曲法、つまりそのアーティストっぽい曲を自分で作り、その説明を歌詞にするというメタナンバーを連続投下。スピッツ、サカナクション、椎名林檎、Mr.Childrenの黄金リレーである。特にサカナクションは打ち込みトラックも自作だそうで、あまりの完成度にオーディエンスは爆笑に次ぐ爆笑。しかも曲が終わると「他人のふんどし大好きです!(笑)」と来たもんだ。参りました。

清水ミチコ

ここからHATAHATAへ移動。会場の端から中間地点まで、距離自体はそこまでではないものの、お客さんたちの大渋滞が発生しているので20分ほどかかった。途中、景色のよさにいちいち感動する。子供用の手作り遊具やアート性たっぷりのオブジェが至るところに置かれているのもよかった。到着すると、ちょうどグループ魂が姿を現したところだ。オープニングは「ペニス better JAPAN」。改めてすごいタイトル。その後もストレートなパンクの一本槍。いや、もちろん寸劇を挟みながらではあるものの、これでもかとパンクパンクパンク。歌詞がおもしろいとか、曲がカッコいいとかより、とにかく全部ブッ放したい。そういう気分を満たしてくれるのがグループ魂という存在だと思う。それに、笑えば毎日の色々を忘れちゃうしね。つまりこの日も素晴らしかった!

グループ魂

  • セットリスト
  • 01. ペニス better JAPAN
    02. アイサツはハイセツよりタイセツ
    03. better High School
    04. いわきアンモナイト音頭 ~いわき兄弟~
    05. Over 30 better 魂
    06. 君は1000%
    07. 君にジュースを買ってあげる♥better
    08. 東北の魂

 

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