最終少女ひかさ、待望の1stアルバム『グッドバイ』を但野正和が語る
いつのライブだったか、但野正和(Vo&Gt)は「腹ァ空かせてきた。腹が減ってる」と、ひときわ眼光をギラつかせて歌いはじめた。フロアもろともかぶり付くような勢いで。だけれど、その牙はやさしく、ギラついた眼光の奥に潜む瞳はどこまでもまっすぐで、その日も思いっきりこちらの心を鷲掴みにした。彼は目を逸らすなとも言ったけれど、逸らせるわけがなかった。札幌在住のバンド、最終少女ひかさ。結成からちょうど3年めにして2016年4月6日に1stアルバム『グッドバイ』を発表。5人の激しさと熱い思いがめいっぱいあふれでた今作で、全国の音楽ファンの心を射抜きにかかっているところだ。早口で大口をたたきながらも越えたい、変えたいと足掻いて叫び、歌にしなきゃ越えられない日々があると綴る言葉の両極に、但野の姿がある。吐き出すような感情も包み込むような愛情も彼らは1ミリも隠さない。暑苦しいほどの爆発エモーションを抱えた但野のうたをメンバー全員がガシッと支えた全12曲は、こうして作品となって聴いてみても異様な熱を放っていることがわかる。と同時に、隠しきれない切なさが垣間見えてグッとくる。きっと、但野は腹を空かせたままだ。そしてこの飢餓感こそ、まさしくロックンロールそのものだ(飽食の果ての飢餓感がロックンロールを生むと、甲本ヒロトも言っている)。今回の動画コメントでも話してくれたが、つねに「グッドバイ」を意識しているというバンドだけに、“いま”を見逃したくないと改めて思う。“闘わないと腐っていく”ことを知っているから、“何度こけても腐らない”と覚悟を決めた最終少女ひかさ。この熱風にぜひやられてください。5月のワンマンではRock isでスペシャル特集も企画中。お楽しみに。(秋元美乃/DONUT)