SA TAISEI&NAOKIが新作『WAO!!!!』を語る!
先日行われた恵比寿リキッドルーム10月14日(金)「SA presents BIG TOP -デッドヒート・イン・エビス’16-」でのライブ。前の方はTシャツを着た若いファンから、そうでないファンが密集し、後方には平日とあって会社帰りのスーツ姿の方がちらほら見受けられた。中には初老の紳士と思われる方もいる。そこにいる全員がSAの歌にあわせ、拳を振り上げている様子にはぐっとくるものがある。年齢も価値観も大げさに言うなら人生も超えて、TAISEIが放つ(とても時代にアジャストしているとは思えない)熱いメッセージに心を揺さぶれているのだ。SAの楽曲は「負け犬の自己肯定」だ。何が勝ちで何が負けなのか、そのボーダーラインはあってないようなものだが、なんとなく打ちのめされ続けている感は、会場前方の若い男の子も会場後方のスーツ姿の初老の紳士も同じなのだと思う。それぞれがそれぞれの日常において何らかのダメージを負いながら生きている。SAの歌は徹底的にその状況を引き受ける。引き受けながら次の一歩を踏み出そうとする。歌詞に「ピーハツ」とか「グンバツ」とか死語が登場しようとも、万人が心震えるのはSAの姿勢・アティチュードが揺るぎないからだ。そういうわけで10月19日にリリースされるニューアルバム『WAO!!!!』もポジティブなエネルギーに満ちている。昔はライブも喧嘩腰で、実際、客と喧嘩していたというSA。しかし、ある瞬間、ここにいるのは自分たちの歌を共有している仲間なんじゃないか、と思ったとき、SAはバンドとしてミュージシャンとしてアーティストとして突き抜けた。去年の日比谷野音公演でそれが圧倒的な事実としてあらわれた。その「確信」を受けて初めてリリースするオリジナルアルバムが『WAO!!!!』だ。ピーハツやらグンバツが一体どこまで届くのかと思ったりもするが、例えば、イベントで対バン相手のファンが、SAのがむしゃらな熱にのみ込まれ、ワケのわからないまま最後は肩を組んで歌っているという光景がこのアルバムを象徴している。この作品には、なんだか知らないけど、最後には押し切られてしまう気持ちよさがある。今回は、TAISEI(Vo)とNAOKI(G)が動画インタビューで『WAO!!!!』を語ってくれた。(森内淳/DONUT)