THE NEATBEATSのMr.PANがライブ・アルバム『LIKE THE CAVERN LIVE! REEL NO.3 & NO.4』について語る
ニートビーツがライブ・アルバム『LIKE THE CAVERN LIVE! REEL NO.3 & NO.4』をリリース。PAを通さない「生音ライブ」を録音した作品だ。「生音ライブ」とは、アンプから出たままの音に手を加えずに、そのままお客さんに聴かせるというもの。ドラムにいたっては正真正銘の「生音」だ。全体の音のバランスはミュージシャンの裁量次第なので、ギターの弾き方やドラムの叩き方で違ってくる。ビートルズがキャバーンクラブでやっていた頃、PAは存在しなかった。60年代中期までロック・バンドはどんな会場でも「生音」でやっていた。『LIKE THE CAVERN LIVE!』というタイトルはその頃のライブを再現しようという意図がある。今回のライブ盤は、録音方式も60年代初期のやり方にこだわった。使用された録音機材はハードディスクではなく、当時の代表的なアンペックス製のレコーダーと6ミリ幅のオープンリールテープ。録音方式はモノラル1チャンネル。オーバーダブもできなければ、ギターのフレーズをコピペすることもできない。それどころかミックスすらできない。できることと言えば高音を強くするか低音を響かせかるかくらいだ。潔いと言えば潔いが、無謀と言えば無謀だ。だから決して音は良くない。Mr.PANが「2曲目で聴くのをやめる人もいるかもしれない」「これは玄人というか、その筋の人しか聴けないアルバムかもしれない」と語っているのはそのせいだ。しかしモノラルだからこそ、一発録りだからこそ、オープンリールで録ったからこその圧倒的な臨場感がある。生々しさ、暴れている感じ、音のボディブロウの連打、全部のMCをカットし曲間なしでつなげたことによる疾走感。それらがアルバム全体から沸き立っている。リスナーがこのアルバムを最高傑作と思うのか、聴くに堪えない作品だと思うのか。ロックンロール・リスナーだったら、絶対に好きになるアルバムだ。断っておくが、生で聴く「生音ライブ」は、サウンドひとつひとつがキラキラ輝きながら躍っている。こちらもぜひ体感して欲しい。(森内淳/DONUT)