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Drop’sの中野ミホが好きな映画、おすすめの映画を紹介

Drop's 中野ミホの「まほうの映画館」

2019/1/21

第九回「どうしようもない感情の波、わたしとあなたに押しよせる。生きてるだけで、愛。」

みなさま、新年あけましておめでとうございます!

昨年5月から書かせていただいているこのコラムも第九回。
映画評論家でもなんでもないわたしが、
好きな映画について好きに語らせていただけるこの場があることに本当に感謝です。
改めて、読んでくださってありがとうございます!

今年も好きな映画についてつらつら~と書いていきたいと思いますので、
よろしくお願いします! わっはっはー!

 

さて、新年一発目は日本の映画。
大晦日にひとりで映画館で観て、半分泣きながら帰った作品。

『生きてるだけで、愛。』
2018年、日本の作品です。
監督は関根光才さん、原作は本谷有希子さんの2006年の同名小説。
主演は趣里さん、菅田将暉さんです。

同棲して三年になる寧子(趣里さん)と津奈木(菅田さん)のふたり。
寧子は軽い躁うつ病を抱えており、過眠症にも悩まされていて、
働くこともできず家で眠ってばかりいます。
津奈木は文学を志して出版社に入ったものの、週刊誌のゴシップ記事を書く仕事をしており、
やりがいも見出せないまま、仕事量だけが増えていく日々。
小さなことで感情的になってしまう寧子と、それを波風立てぬように受け流す津奈木。
ある日 寧子の前に、津奈木の元恋人である安堂(仲里依紗さん)が現れ、
彼と別れてほしいと言い放ちます。
そしてなぜか、寧子が自立できるように、カフェバーでの仕事を半ば強制的に始めさせます。
こうして外の世界との繋がりをもつことになった寧子は、少しずつ変わろうとするのですが。。
現代を生きている人たちの、ふたりの、物語。

 

これは、ものすごく良かったです。ずしりと、ふかく感情を揺さぶられました。
観終わったあとしばらくは気持ちが収まりきらないというか、ひさびさに、そんな感じでした。

寧子の感情、スーパーで買い物するシーンとか、なんかわかるなあという感じがすごくして、
苦しくって、涙がでた。
ただ一生懸命、普通に頑張ろうとしているだけなのに、なぜかうまくいかなくって、
どうして自分ってこうなんだろうと落ち込んだり、いらいらしたりしてしまうことって、ある。
寧子みたいに激しくなくても、きっとこんな気持ちになってしまうことが誰しもあると思います。

生きてるだけでほんと疲れるんだよね。という彼女のせりふ。
生きづらさ、どうしていいかわからなくなってしまうこと。
彼女が感情を爆発させるたび、言葉を投げつけるたび、観ていてじわーっと胸が苦しくなってしまう。
最初はすごく自分勝手で、ただただ問題のある女の子に見えるんだけど、
だんだんすごく愛おしくなってくるのです。
趣里さんの演技が本当に凄かった。。!

菅田将暉さん演じる津奈木は、仕事で疲れて、他人と波風立てないように生きている人物だけど、
きっと彼女のことをちゃんと好きだったんだと思う。
眼差しがあたたかくて、すごくきれいで、どきどきしました。
何気ない会話に、そっけないようで、優しさがあったと思う。

恋人同士でもやっぱり、お互い一人の人間だし、機嫌のいいときも悪いときも、
話したいときもそっとしておいてほしいときもある。
それは時々ばらばらになってしまったり、噛み合わなかったり、
優しさだと思ってしていることがそうじゃなかったり。
でもきっと、それでも一緒にいること。出会ったこと。
そのふたりにしかわからない、感じられない、きっと何か特別なものがあって。
それがそれぞれの「愛」なんじゃないかなあと思いました。

あと予告編を観たときから思っていたけどやはり、
音楽がとても良かったー!
世武裕子さんの音楽が、なんというか、映像的で、感情の波を静かに、
でもぐっと持っていかれる。すごく素敵でした。
冬の夜の街の光、ゆれるスカート、髪、電車、コート、彼氏と彼女。
そんなものが全部鮮やかにひろがる音楽。素晴らしいなぁ。

津奈木が寧子を走って追いかけるシーン。抱きしめるシーン。
言葉は少なくて、情熱的でもないんだけど、
確かに彼女をぎゅっと抱きしめて、それだけで、涙がもう止まらなかったです。。

人の数だけ感情があって、街はそれはもう混沌としていて。
でもその中で、出会うこと、何か同じ気持ちを感じあうこと、一緒にいること。
静かで、小さくて他の人には見えないかもしれないけど、そこにはちゃんと「愛」があるって思う。
そういう瞬間が、人生の中でほんとに救いになるし、大切なものだなぁと思いました。

うまく説明できないけど、この映画に流れる空気はそれを伝えてくれる。
素晴らしかったです!!
観てほしい。
先月に引き続き、ハンカチまたはティッシュ必須ですよ。うぅ。

今年も沢山の素敵な映画に出会えますようにー!
みなさんにとっていい年でありますように!

ではまた~。

 

中野ミホの「まほうの映画館」


『生きてるだけで、愛。』

監督:関根光才
2018年:日本
順次公開中
http://ikiai.jp

『生きてるだけで、愛。』予告 11月9日(金)公開


Drop’s「Cinderella」Music Video

LIVE INFO

  • Drop’s 10th Anniversary
    「Sweet & Muddycheeks」(Ms.January)

  • 2019年1月26日(土)名古屋 池下Upset
    OPEN 17:30/START 18:00
    w/The Songbards
  • 2019年1月30日(水)東京 渋谷o-nest
    OPEN 18:30/START 19:00
    対バン有り
  • チケット:3,000円(ドリンク代別)
    販売中
  • 2019年3月28日(木)渋谷Lush
    「SHIBUYA TSUTAYA presents Manic Room vol.1」
    出演:Drop’s/Nakanoまる
    OPEN 19:00/START 19:30
  • 2019年4月7日(日)大阪福島2ndLINE
    Drop’s 10th Anniversary「Sweet & Muddycheeks」(Ms.April)