hotspringのイノクチタカヒロがロックンロールのアウトサイダーを綴るコラム

hotspring イノクチタカヒロの「遭遇!アウトなやつら」

2018/6/25

第2回:早くも番外編。あの頃の俺よ!お前は自分のこと「ぼく」とか言うタイプの男じゃないぞ!「俺たちの失敗」だッ!

yo-キョーダイ、調子はどーだい。
「アウト」してますか。世間の風は冷たくないかい。

俺はねえ、アウト街道まっしぐらだよ。毎年5月は。
俺、占いなんか信じた事ないし、星座なんかどうだっていいし、血液型も、べつにD型とかでもかまわないんだけどさ。
でもなんかふしーぎと、ここ3年くらい、5月にその年最悪級のアウトな事件が起こるんだよなあ。
せっかくだからここ3年の5月に起きた「アウトの歴史」をここに記すよ。
いくぜっ!!!!!

2016年5月。長年相棒だったギタリスト脱退。その後、盲腸で入院。
2017年5月。駅のホームでアウトなおっさんに因縁つけられ、停車直前の電車にぶつけられ半死。脳挫傷で入院。約半年間活動休止を余儀なくされる。
そして今年、2018年5月。フルアルバム『hotspring』のレコ発ツアー3本目でベーシスト脱退。急遽サポートベースを迎えツアー続行中。

な。アウトだろ。
もうね、この2週間くらいで10年分くらいじじいになった気がするよ。心身共にヒッジョーに疲れてますよいまワタシは。

ただの偶然なんだろうけど、嫌だねー5月。大っ嫌いですよ。
5月生まれの人には申し訳ないけど、来年は5月を飛ばして6月になってほしいよ。どうしよう来年5月になった瞬間、「BANG!」とかいって爆ぜちゃったら。

 

おっと関係ない話をしてしまったね、すまんすまん。

今回も前回同様、ぶっ飛んだおじさんを紹介しよう!と、思ってたんだけどね、先日シンガーソングライターの森田童子さんが亡くなったというニュースを聞いて、なんか、思いがギューンと溢れてしまったから、このコラム、2回目にして番外編みたいになっちゃうけど、今回はおれの思い出と一緒に森田童子さんを紹介させてください。
アウトっちゃアウトかもしれないし、大丈夫大丈夫、反則してないしてない。

よし、とりあえず曲きいてくれ、いくぜ!!!

はあああああああああああ。凄い気持ちになってしまう。
なんやろ、この、もの凄いことを綺麗すぎるメロディーと声に乗せて歌われると生じてくる恐怖っちゅうか、切なさは。怖い。怖いし、切ないよね。おんなじことを、2回言ったね。

俺ね、この歌を聴くたんび、中学3年の冬がばーーーん!とフラッシュバックしてしまうんだ。

中3のとき、上戸彩さん主演のドラマ『高校教師』(2003年版)の主題歌として「ぼくたちの失敗」が使われてて、このドラマ、高校生役の上戸彩が藤木直人演じる高校教師と禁断の恋に落ちる……。みたいなストーリーで、俺含む、クラスの童貞ぼんくら連中の間で始まる前からかなり話題になってたんだよ。
「上戸彩が高校教師とヤるんだよおおおおやべええええよおおお」とか塾帰りに話してたもんですよ。高校受験を控えてたからね。懐かしい。

んでね、ドキドキしながらドラマを観たらね、この曲が冒頭で流れて、この不思議な悲しみのメロディーと歌詞に心を全て持ってかれてしまって、ドラマはもうどうでもよくなっちゃってたんだ。

それで、その後すぐ中古CD屋でこのベスト盤『ぼくたちの失敗』と『たとえばぼくが死んだら』を買ったんだな。

イノクチタカヒロの 遭遇!アウトなやつら

いやああ、なんちゅう歌うたうんや。

森田童子さん、みためはね、こんなカンジ。

イノクチタカヒロの 遭遇!アウトなやつら
イノクチタカヒロの 遭遇!アウトなやつら

うん、ジョーイ・ラモーンと性別以外はほとんど同じだよな。あ、ジョーイ・ラモーンだって思ったもん。
本名も素顔も分からない非常にミステリアスな人だから、なかなか人物紹介しにくいんだけど。

 

森田童子さんは20歳の時、友人の死をきっかけに歌い始めたらしい。なるほど、きっかけがはっきりしてるからか、歌のテーマも一貫してるな。
多分「喪失感」みたいなことをずっと歌い続けたひとだと思うんだけど、おれ、初めて森田童子さん聴いたとき、胸がぎゅーーーーんと締め付けられて
「……俺も早く大人になって……恋とかして……いろいろ喪失してみてえええ……。」

って思ったもんですよまじに。ガキがなに言ってんだ恥ずかしい。
そんでその後すぐ『ノルウェイの森』とか読んじゃったから、さらに「喪失感」アコガレが強まったな。

んでまた、森田童子さんの歌の世界観と『ノルウェイの森』の時代背景とか、「喪失感」なカンジが非常にリンクしてるっちゅうかさ、合うんですよまじで。
この、森田童子と『ノルウェイの森』の二大パンチを多感な時期に浴びたもんだから、モロに影響受けてしまって、ついこの前まで『世紀末リーダー伝たけし』とか読んでたガキがさあ、急に休み時間図書館で過ごすようになったりして。フランツ・カフカの『変身』読んでみたりなんかして。脳内での一人称が「ぼく」になったりして。だせええええ。

「大学生になったら、学生運動とか…恋とか…いろいろ大変なことが僕を待ち受けてるけど………絶対負けてたまるか。」

とか真剣に考えてたからね、うっとりしてさぁ。やばいよね。結局大学も行ってないしね。『世紀末リーダー伝たけし』だもんだって。
高校3年生になるころにはもう、ロックで世界を変える気だったから、大学にいく必要はないと判断したんだな。どうしょうもないよね。
考え直せ、当時の俺。あと、どう考えても「ぼく」とか言うタイプの人間じゃないぞお前は。

尊敬するパンクバンド、eastern youthも森田童子さんのカバーしてたりしてね、それもかっこいいんだああ。俺も時々弾き語りで歌うよ、この曲は。大好きなんだ。

音楽的に影響受けたかどうか分かんないけど、歌詞は絶対影響受けてるし、20歳くらいで急激に日本語フォークが好きになったのも、今思えばきっかけは森田童子さんだった気がするなあ。
アコガレ、強かったから、あの時代とか、喪失への。
今、ある程度大人になって、人並みに色々経験もするじゃないですか、さすがに。生きてるといろんなさよならがあるしさ。

あのときの、「喪失感」に憧れてた俺に言いたい。失うことは、けっこうキツいぞ。それに、1回や2回じゃないんだ、さよならは。

森田童子さんも、きっと、「友人の死」っていう、どう足掻いても忘れたりなんかできない苦しさをなんとか紛らわそうと歌ってたんじゃないかな。
あなたの歌、すっごく俺の心を突き刺しました、今もずっと突き刺さったまんまだ。どうもありがとう。ご冥福お祈りします。

 

なんか今回、自分の話ばっかしてわるかったね。次回からまたファンキーなおじさんを紹介するよ。

じゃあ、またな!
ぜったい自分のこと「ぼく」とか言うんじゃねえぞ!「おいら」とかだから!このクソコラム読んでるようなお前は!そうだろ、ほら、昔の矢口真里みたいに自分のことおいらって言えええええええ!!!!!

ちゃお\(^^)/