カタヤマヒロキの「食べロック」
第16回:「芸術は爆発だ! イノベーティブ・フュージョン」
「イノベーティブ・フュージョン」という言葉を聞いたことがあるだろうか?
イノベーティブとは「革新的」の意味。
料理の国籍やジャンルのどこにも属さず、自由な発想で生み出した料理や、その調理法を指すのだそう。
そしてフュージョンは「融合」。
和・洋・中などの料理の要素を独自に融合させ、創造性豊かな調理法で作られる料理などを示すとのこと。
つまり「イノベーティブ」とは、新しい切り口や、これまでになかった概念など、独創性に満ちたスタイルを掲げる料理店の総称ということ。
難しいことを抜きにして、ざっくり言ってしまうと、こうだ。
「なんかわかんねーけど、こだわった食材で、前衛的なビジュアルの料理がバンバン出てくるお店」のことらしい。
……行きたい。
こちとら露店でビールケースに座ってホッピー外で中を三杯おかわりするような身分だが、
イノベーティブ(革新的)でフュージョン(融合)な世界にも触れてみたい。
私もフュージョンしたい。
色々とリサーチをしていると、ソースがビチャッ!となってる料理や、煙がモクモク……と出てるもの、皿からはみ出した盛り付けなど、狂喜乱舞の煌びやかなハイ・テンション画像がたくさん出てきた。
「……ははん。」
てな訳で、早速行ってきた。
銀座にあるイノベーティブ・フュージョンのフレンチ「エール」というお店は、メニューは旬の料理を使ったお任せコースのみ、だった。
価格帯によってコースが分かれている店だと、卑屈な気分になってしまうのを防ぐために、あえてコースが一択のお店を選んだ。
息を飲み、店内へ。
ウェイターさんに案内され着席。
まず頼んだのは白ビール。
美しい。いつも飲んでるハッピーアワーで一杯100円のビールとは様子が違う。
「一品目、花束でございます。」
置かれた箱を開けると……
ビーツ、姫人参、マッシュルームのドライ野菜。
皿が大きいくらいでは驚かないつもりだったが、目の前にくると、つい「わあ……」と言ってしまう。冷やしトマトは液体窒素で若干モクモクしていた。
馬肉にコンデンスミルク、たまり醤油、卵黄のソースがかかっており、すき焼きテイスト仕立てだった。
思いがけない馬の出現……! 僥倖……! これぞ……マリアージュ……!
それからもう一品あり、次に出てきたこちらがハイライトだった。
店名の付いたスペシャリテのエール。
ワイングラスに魚介やキャビアやトウモロコシのジェラートなど、何種類もの食材とソースが入っていて、蓋になっているチップスをパリッと崩して中で混ぜて食べる。
コースで一番美しく、煌びやかで、美味しかった。
その後も、泡が乗っかった鮎の焼き物や、シェリービネガーソースの茄子など聞い慣れない料理が続き……
肉料理は鴨のロースト。柔らかく火入れした赤身の皮だけをしっかりローストしており、凝縮された旨みはソースなしでも絶品。
ハイビスカスとチェリー、ベリーのソースは軽快な味わいで、鴨とベリーのマッチングを超える複雑な組合せは至福。赤ワインと相性抜群。
それから、デザートが二回くらい出てきて、お茶菓子、コーヒーで終了。約三時間の出来事だった。
イノベーティブ・フュージョン……
聞き慣れないジャンルのお店に行ってみたら、
舌でも、目でも、五感をフルで楽しませてやろう!というシェフの思いが伝わってきた。
音楽同様、食事にも色々なジャンルがあり、その数だけ新たな発見もあるのだと知ることができた一日だった。
Dudes「THE TOKYOのDAI-TO-KAI 2」
OPEN18:30/START 19:00
前売 2,500円/当日 3,000円 ※ドリンク代別途
出演:THE TOKYO/KiNGONS/myeahns/Dudes
Lüstzöeライブ情報
8月25日(日)渋谷aube
8月30日(金)渋谷VUENOS
Lüstzöe presents「sympathy for the devil no.3」
出演:Lüstzöe/tears of the rebel/oxymorphonn
チケット:
picture ticket:4,000円 ※ドリンク代別途
store “DEPT OF MAYHEM”:https://mayhem.buyshop.jp/
プレイガイド:前売 4,000円/当日 4,500円 ※ドリンク代別途
e+:https://eplus.jp/sf/detail/3020010001-P0030001
Lüstzöe 3rd single 「欲望?」