THE BOHEMIANSの平田ぱんだがロックンロールのレコードを紹介するコーナーです。

平田ぱんだのロックンロールの話

2019/1/9

第37話:イギリスのロックンロールの話

新年あけましておめでとうございますのタイミングの2019一月初頭の一発目

平田ぱんだのロックンロールの話! 大体第37回くらいのはず!

このタイミングでついにきたな、夢の90年代への突入が

90年代、それはロックンロールが、というよりか音楽自体が、というかCDが最も売れまくった時代だ

僕は90年代に日本で思春期を過ごしたから特にそんな感じが強いな

なんやかんやで90年代カルチャー大好きっ子だね僕は

ノスタルな意味合い込みで

ユースカルチャーにかぎって大げさに話すなら60年代以来花開きっぷりでしょあんなん

兎にも角にも80年代はロックンロールが足りなすぎた

正確には僕好みのロックンロールが、ね

僕はね、イギリスのロックンロールが一番好きなんだ

その次に好きなのが日本のロックンロールだ

でも日本のロックンロールで好きなやつは全部イギリスのロックンロールの影響を受けてるやつだ

そうつまりイギリスのロックンロールが好きってことだな

そんな僕の大好きなやつが80年代のイギリスのロック文化にはまるでないんだ

全部腑抜けに聴こえる、完全にキンタマがついていない

80年代のイギリスのロックにも流行ったやつならちらほらあることくらい僕だって知ってるよ?

まず「ニューロマンティック」とかいうやつが80年代初頭には流行ったらしいな?

グラムロックリバイバルだとか

第二次ブリティッシュインベンションとまで言われた現象だったらしい

だがなあんなもんロックンロール的には超がつくほどのクソだ

生涯好きになることはないはずだ

精液の香りが1ミリもしない

でも今田耕司が90年代にやったニューロマンティックのパロディソングの「ナウ ロマンティック」は実はこっそりとっても好きだったりするし

あとそれこそリアルタイムでそれを真似たであろう忌野清志郎+坂本龍一の「い・け・な・いルージュマジック」も勿論好きだ

 

つまり音楽的には嫌いじゃないってことだ

だが全ての絶対的価値基準はロックンロールにある

当時のイギリスのニューロマンティック一派の何が嫌かっつったらあれらに「イギリスのロック」の冠が付いていることだ

ロックと付いている以上は嫌わなければならない!

だって僕はロックンロールが大好きなんだからね

「あんなもんロックンロールじゃない!」ってつっぱらなきゃいけないんだ

そもそもニューウェーブって括られてるやつらがロックを名乗るのも気に入らない

パンクロック登場以降「何をやったっていいんだ!」ってなって各自好き勝手やり始めたことから始まったというニューウェーブ、70年代までは許す、とんがってるから、でも80年代になってからのその派生スタイルがデフォってきてからはザ・キュアー以外許さない

 

キュアーも別に特別好きじゃないけどキュアーは許す

キュアーはなんとなく好き、じゃあきっと大好きになる才能があるってことだな、ちゃんと聴いたことないからいつの日か全アルバム聴いてみよう

じゃあ中期の流行りのマンチェスター周りはどうだ?

スミスとかニューオーダーとか、ああ、普通に好きだぜ?

でもロックンロールが絡んでくるなら話は別だ

ロックンロールが絡んできた途端にスミスもニューオーダーも腑抜けだ

即座にキンタマを失う

すごいんだ、ロックンロールは

あと思いつく80年代の流行りのイギリスのロックは、なんだ?

ネオアコとかか?

クソだ

ロックンロールじゃねえ

音楽的には好きだ

ただ確実にキンタマはついてねえ

ロックンロールってのはとどのつまりキンタマがついてるかどうかってことが絶対条件の音楽のことだからだ

だから物理的にキンタマが標準装備されてない女性陣が行うには中々不利だ

だからロックスターは男ばっかなんだ

勿論キンタマを想像し全身にキンタマを感じることで成功している女性ロックスターもチラホラはいるがね

とにかく80年代のメイン、イギリスロックにはどいつもこいつもキンタマが付いていない

不満だ

じゃあお前の好きなイギリスのロックンロールとやらを固有名詞ひとつに絞ってあげてみろ、だとう?

馬鹿野郎! そんなもんひとつに決まってるだろう! 妥当なやつを、あげてやるぜ!

それは「初期のザ・フー」だ

あれこそが僕の大好きなイギリスのロックンロール!

ビートルズもストーンズも決して敵わない究極のイギリスのロックエネルギーバンドだ!

「初期の」ってかぎった理由はっつったら、『TOMMY』くらいからぶっちゃけそんな好きじゃないからだ

黒人に憧れてないからな

ボーカルのロジャー(・ダルトリー)がリーダーだった頃のいわゆる初期のザ・フーのサウンドは黒人に憧れている

リーダーのロジャーがジェームズ・ブラウンの大ファンらしいしそんなグルーヴをバンドに取り入れようとする憧れのムードが初期には確実にある

ギンギンの黒人音楽に合わせてパーティーし夜を彩ろうとした当時のモッズ達との共鳴はそんなところにもあったはずだ

傑作シングル「恋のマジック・アイ」くらいまでのザ・フーは世界一だ

The Who – I Can See For Miles

 

少なくとも僕の世界ではナンバーワン

初期のザ・フーを超える好みの音は聴いたことがないぜ実際の話

もちろんそれ以降も最高なことに変わりはないのだが、ロックンロールマジックはなんとなーくだが薄れたように聴こえる

少なくとも録音物からは

僕の耳だけを頼りにすれば

初期の傑作シングル群より『TOMMY』の方が好きなんて本気で言ってんの?って感じ

いや、ザ・フーの楽曲自体はむしろそこから先も一応は最高で、『TOMMY』、『Who’s Next』あたりでひとつの頂点を迎えることは間違い無い

「ババ・オライリー」と「無法の世界」!

でも僕の好みからは明らかに遠ざかってしまうんだ

なぜかと、少しだけ考えてみた結果、たったひとつの結論に行き着く、

それは先ほども記したとおりだ

黒人に憧れてねえ!

たった一言だけ選ぶならそれだ

ロジャーがリーダーだった頃は黒人に憧れている

大好きなジェームズ・ブラウンみたくなりたくて、必死で声を枯らしてビートを掴もうとしているのがわかる

だがギター、ピート・タウンジェントがワンマンで完全に仕切り出したアルバム『TOMMY』くらいからその「黒人への憧れ」ってやつが消え失せる

完全にピートが仕切る楽曲に身を任せてみたら「演じる」という喜びに人生の活路を見出したとのちにロジャーは語る

一人のロックボーカリストとしてオリジナルな道をついにあの時見つけたんだ!

馬鹿野郎! なぜやめた! 黒人への憧れを! そこをとったらお前なんかそこらのやつより歌がちょいとうまいだけのポコチン持ちさんじゃないか! 帰れ嫌いだお前なんか

極論言うと近年ロックンロールがヒップホップごときにユースカルチャーナンバーワンの座を奪われてしまった原因は「黒人に憧れなくなったから」だよ

なんてったってヒップホップは黒人だからな

ロックンロールは黒人に憧れなくなることによりダメになった

我が国日本を代表するロックンロールシンガー忌野清志郎にしたってあの母音を強調することにより英語には不可能な構造の世界中のどこにも存在しない日本語独自のノリを生み出した言語歌唱はもとを正せば憧れのオーティス・レディングなどのソウルミュージック歌唱を真似したことによる発明なことは誰の耳にもあきらか

いつだってかっこいい音楽に必要なのは「黒いノリ」なんだ

だから僕の最も好きな音楽ジャンルである「イギリスのロックンロール」その中で「最もかっこよかったバンド」の称号は、あげるわけにはいかないな、ザ・フーには

残念

つーことでザ・フーはイギリスのロックンロールバンドでほぼ1位の座にいるが、それは初期だけだからダメだ

つーか初期だけに限定したってどっちにしたってボーカルのロジャーだけジーニアス感ないからダメだ

他のメンバーは死ぬほどかっこいいけどな死ぬまでずっと

でもボーカルがかっこいいかどうかだろ結局ロックバンドなんてもんはよ

どっちにしてもロジャーのせいで初期のザ・フーはイギリスの歴代一番かっこいいバンドなんだけどギリギリそうじゃない! 惜しい!

じゃあ、イギリスのロックンロール史上一番かっこよかったロックンロールバンドは一体誰らになるんだ?

 

こ、こ、こ、こたえろぉぉぉ!

 

それは、、それはな、、

 

今回紹介するロックンロールファーストアルバムをこの世に残したあの伝説のロックグループに決まりだ!

つーことで随分前置きが長くなったが、ついに本題に突入だ!

するぞ、イギリスのロックンロールの話を!

その中でも一番カッコよかったやつらの話を!

つーことで今夜紹介するロックンロールファーストアルバムは、

1990年に発売された、

こいつらのだ!

 

ザ・ラーズの「ラーズ」

だ!!!

 

こいつらのっつってもメンバーは流動的でリーダーでギターボーカルの天才リー・メイヴァースとその右腕と時に呼ばれたりしたりしなかったりするベースのジョン・パワー以外は誰ひとり名前など知らないしどの時期のどのバージョンが誰の演奏なんて完全に知らない

だからあの黄金4人体制を貫いたザ・フーを押しのけてラーズをイギリスの歴史上一番かっこよかったロックンロールバンドに推すのは、流石にちょっと抵抗がある、、が推したい!

ラーズこそがイギリスの歴史上一番かっこよかったバンドだ!って言いたい!

 

どうしても、言いたいんだ!

うおおおお、どうしたらラーズがイギリスで一番かっこよかったバンドだったってことが伝わるだろうか?

 

このファーストアルバムを聴け!!!

 

って言いたいところなんだけど

ラーズが唯一残したこのファーストアルバム自体がロックンロール的にちょこっと微妙なことが問題なんだ

ラーズというバンドの真のかっこよさを理解するにはあまりにもちょっと色々足りなすぎる

 

いや最高だよ?

 

90年代の重要なアルバム50選に確実に入るくらい最高

こんな最高なファーストアルバムを出したロックンロールグループはそうはいないよ

 

でもな、

 

ラーズは絶対ロックンロール的にもっとすごいはずなんだ!

事実僕もこのアルバム最初に聴いた時全くラーズにはまんなかったしな

全然わかんなかった、ってほどではなかったけれど、

結局は「“ゼア・シー・ゴーズ”のバンド」って印象でしかなかったかな

ではどこでラーズを「イギリス歴代ナンバーワンロックンロールバンド」とまでに個人的に思うまでに至ったかっつったら、あれだね2006年に出たアルバム『The La’s:BBC In Session』を聴いたことがきっかけだね

色んな伝説の大物バンドたちが出してるこの通称「BBCセッション」ってのはよーするイギリスの国営放送でライブ録音された貴重音源を集めたものだ

去年だか一昨年だかについに待望のローリング・ストーンズのBBCセッションである『ON AIR』がリリースされて話題になったよね

なんか知んないけどイギリスのBBCではレコードの音源をそのまま流せないらしいのよ

よくわかんないけど向こうの音楽協会の規定かなんかでそうなんだってさ

だからBBCで曲流してもらうためにはそれ用に再録しなきゃいけないらしくてそういう貴重バージョンの音源が死ぬほどBBCには貯蓄されてるらしいのね

それからベストテイクを選んでCDで発売してんのがBBCセッションとかそういう感じの名称で呼ばれてるアルバム群のことです

んで、ラーズみたいなビートルズとかレッド・ツェッペリンみたいなビッグバンドと比べたら全然大して売れてないバンドなのに2006年にこれが出たってことはそれくらいみんなラーズへの渇望があったってことだよね、音源への

ラーズはとにかくファーストアルバムがバンドの本質を探るには微妙すぎるっつーかそもそもファーストアルバムなのに「所属レーベルから勝手に発売された」とかいうそんなもん聞いたことねえよっていうかなり特殊なパターンのかなりケチのついたファーストアルバムなんですよ

ベストアルバムとかの編集盤をレコード会社に勝手に出されたから「あんなもん買うな」ってバンドが言うって話ならよく聞くっちゃ聞くけどファーストアルバムが勝手に出されたからバンドが「あんなもん買うな」って言うってパターンなんかラーズだけでしょ普通に

なんでそんな事態に陥ったかっつーとリーダーでボーカルでソングライターの天才リー・メイヴァースがすごい頭おかしい人でとにかくサウンドに対するこだわりが尋常でなかったためにとにかく「ずーっとファーストアルバム作ってたから」らしいの

87年に「ウェイ・アウト」ってシングルでデビューして88年にあの有名曲「ゼア・シー・ゴーズ」を出してって言う新人バンドなのにアルバムはおろか1年に1枚しかシングルを残せなかったほど音へのこだわりが半端じゃなくて、しかもこの2枚のシングルのサウンドも全然満足いってないんだけど仕方ないからとりあえず出したって感じだったほどらしい

けど「ファーストアルバムだけは絶対妥協しねえぞ!」って感じで何年もずっと作っていたとかいう、しかもほぼおんなじ曲でずっと

つまり87年くらいからずーっとファーストアルバム作ってたってことだ

その間プロデューサーを7人も変えたりしたほどらしい

頭おかしいでしょ

レーベル側もレーベル側でよくそんなに待ったなって話だわ

そして当然のように大ヒットをいくつも出した大御所じゃねえヒットシングルすら一枚も出してない新人バンドにそんなレコーディング予算が続くわけもなく、レーベル側が「もうこれ以上金払えるかボゲー!」ってついにキレてバンドが放棄した当時のセッションの適当なテイクをテキトーにチョイスしてその時のプロデューサーの人に勝手にミックスさせて曲順もジャケットも全部勝手にやって勝手にリリースしたのがこのファーストアルバムってわけらしい

だからバンドは認めてないし一応ツアーやプロモーションはやったはやったけどインタビューとかでも「このアルバムがいかにバンドの意図と一致しないゴミクソか」ということを熱弁してまわるという有様だったらしい

でも別にこのアルバム普通にいいのよ

普通にいいってか滅茶苦茶いい

まあ曲自体は変わんないわけだし演奏したのがラーズなのは間違いないわけだから当たり前だよな

でも何かが足りないんだ、何かはわからないけど、それはきっと僕らが「ロックンロール」と呼ぶ要素なんだろうな

一応もっともらしい理由としては、基本的にセカンドシングルで代表曲でこのアルバムの発売に合わせて発売されたアルバムバージョンを収録したシングルで発売されてそこそこヒットもしたらしいロック史に残るレベルの超名曲「ゼア・シー・ゴーズ」が60年代のバーズっぽいフォークロック系アンセムなんだけど、なんとなくその曲に合わせた感じにアルバムのサウンドもまとめられてる感じがするからだ、というような事が言われているっちゃ言われているらしい

わからなくもないな

「ゼア・シー・ゴーズ」があまりにも不朽の名曲すぎたってことが逆にラーズの不幸だったりもすることは間違いないね

「ゼア・シー・ゴーズ」がなかったら勝手にミックスされたものだとしてももっとバンドの意図に沿ったロックンロールサウンドのアルバムが出ていたかもしれないよね

少なくとも「ちょーかっこいいロックンロールバンド」の地位は確立できていたはずだ

ラーズって80年代だしアコギ多用するしでなーんか「ロックンロールバンド」だと思われてねえ感じするもんな今現在でもまだ

僕もかつて勿論そうだったし、ぶっちゃけ当時は「アルバム勝手に出されたから怒ってただけで言ったってそこまで変わんないっしょ」って思ってた

だって曲も演奏してる人も同じなわけじゃん、少々テイクが違かったりミックスが違かったりしたくらいでそこまで変わらんっしょって思う方が普通でしょ

んで、時は流れ、2005年に金に困ったのかなんなのか知らないが一度だけ突然ラーズが再結成して来日公演もしてちょっとラーズが再評価されたんだよね

東京公演の今はなきSHIBUYA-AX公演にはサマーソニックで来日していたあのオアシスが全員で見にきて会場が騒然となったとかなんかもあったらしい

今だったら絶対見に行くんだけどその時は僕にとってラーズは「“ゼア・シー・ゴーズ”のバンド」でしかなかったから当然行かなかった

山形に住んでたしね、まだ当時は

行けばよかったなあ

ラーズめっちゃ好きだもん今では

イギリスのロックンロールバンドで一番かっこいいっていうか僕の言ってるイギリスのロックンロールってもはやラーズのことってくらいだよ

音楽だけにかぎって話すなら理想のロックンロールバンド

ラーズこそが僕の大好きなイギリスのロックンロールバンドそのものだ!ってくらいに

そうなったきっかけがさっきも申した通りラーズの2006年発売の『The La’s:BBC In Session』を聴いてからだね

2005年の再結成が効いたのかな?なんか突然出たの2006年にそれが

もしかしたら逆にこれのプロモーション用の再結成だったのかな、しらんけど

「ついにラーズの真の姿が聴けるアルバムが出た!」とか言われてるのを雑誌で読んで気になって友達が持ってたやつ借りて家で一人で聴いた

「ラーズ! こげなかっこいいロックンロールバンドだったんかーい!」ってなった

最高すぎて借りパクしたまんまだわ

その友達は貸す時「別にそこまで違わないよ」って意見だったしその後特に返せとも言われてない

でも僕にとってはもうマジクソ最高だったんだ

あの昔のファーストアルバムでしかラーズ知らなかったからその分けっこー衝撃があった

収録曲もいい

87年から90年までのBBCの音源が収録されてるアルバムなんだけどもうギンギンのギンですよマジでラーズ最高よ

だってあの「ゼア・シー・ゴーズ」ですらギンギンなんだからね、いいか悪いかは別として

こんな曲だったっけ?みたいな

まるで違う

「そらあんなファーストアルバムクソだから買うなって言うわ」って思った

感じるビートの量が桁違いじゃないか

どっちが本来の姿かって話だよ

でもね、こないだ新品でリマスターされたこのアルバムをアナログで買って久しぶりにしっかり聴いたんだけど昔聴いた時と全然印象違かったな

めっちゃよかった

もうラーズ大好きって状態で聴いてるんだからそらそうだろって話ではあるんだが

現在のリマスター技術向上によって全然違うくなっているという話でもあるのだろう

そんな感じでラーズは最高のファーストアルバムを出したことは間違い無いんだがあまりにも本人達が否定しまくったもんだから「この最高のアルバムがクソとかって、本当はどんな凄まじいファーストアルバムだったんだろうか?」って妄想を巡らせるようになるのよ僕らは

そしてなんとか答えに近づこうと未発表音源を聴きあさるのよ

3年もファーストアルバム作ってただけあって公式音源だけでも山程あんだよラーズって

2010年にはついに4枚組の未発表音源アルバムが出たほどだからね

アルバム1枚出して消えたバンドに4枚組の未発表音源アルバムが出るなんてこんなん異例も異例

未発表曲も勿論聴けるんだけどほとんどは知ってる曲の別テイク別バージョンを聴くだけよ?

でもそうしてでも僕らは答えに少しでも近づきたいのよ、

その時期その時期の色んなバージョンのおんなじ曲を聴き比べて「ラーズは本当はどんなサウンドのファーストアルバムを作りたかったんだろう?」って思いを馳せ、想像するのよ

特に2008年に出たこのファーストアルバムの2枚組のデラックスエディションはそんなラーズを理解するためには必聴だね

実は88年にマイク・ヘッジズってプロデューサーとファーストアルバム完成直前まで行ってるんだラーズは

そのプロデューサーは60年代当時の録音機材を持っていたってのがデカかったらしい

機材は大事だ、技術革新でデジタルで当時のそれに近いサウンドは大分作れるようにはなったはなったが、やっぱ当時の機材の生音を生で聴くとそのあまりのロックンロール度数の違いっぷりにぶっ飛ぶもんな

そんなん数える程しか体感したことないけどこれ結構マジ

ロストテクノロジーってやつだな大げさにいうならば

ロックンロール大好きバンドなら誰もが昔のレコードとおんなじ音にしたいって思ってるんだけどな、それは叶わぬ夢、完全に同じには絶対ならない

それを追い求めすぎたのがラーズ、中心人物リー・メイヴァースの失敗だったらしい

リー・メイヴァースはジェームズ・ブラウンやキャプテン・ビーフハートとかの黒いサウンドのレコードが大好きで80年代以降のデジタルサウンドとか大嫌いで大昔のアナログレコードが持つ生々しい迫力の作品を作りたかったらしいからこのマイク・ヘッジズとのセッションはもう「これこれ!」って感じだったらしい

途中まではリー・メイヴァースもゴキゲンだったと伝えられてるほどの伝説のセッションだ

なんだけどおきまりのわけわからんこだわりで後半急に「こんなもんダメだクソだ」って言い出してお蔵入りになったという

そのセッションの音源が20年ぶりに発掘されてこのデラックスエディションでアルバム1枚分12曲きっちり聴けるんだ

当然制作途中のデモ音源に過ぎないから当然完成版ではないし、あくまでも「本当はファーストアルバムはどうなるはずだったのか」という想像への足がかりでしかない

でも僕これの方が基本好きよ

このまま商品用にきっちり完成させてリリースしてたらラーズのロックンロールバンドとしての評価をばっちり獲得できたはずだよ

ラーズは誤解されてるからな、ラーズはナイスメロディをいくつも生み出したグループである前にまずロックンロールバンドなんだよ

全ては名曲「ゼア・シー・ゴーズ」のせいだ、あれのせいで誤解されてる

本当は滅茶苦茶かっこいいロックンロールバンドなんだ

でも僕ちょっとびっくりしたんだけどここに書くためにこのデラックスエディションの発売年確認しようと思って調べた時にアマゾンのレビューみたんだけどそこに書いてる人全員「噂のマイク・ヘッジズ・プロデュースバージョンはクソだった! なんだやっぱり正規版のリリー・ホワイト・プロデュースバージョンの方が最高なんじゃないか! よかったー」って書いてんの

嘘だろ断然マイク・ヘッジズ・バージョンの方がどう聴いてもロックンロールじゃん

ほら聴いてよこの「アイ・キャント・スリープ」のロックンロール迫力っぷりを! ザ・フー顔負けだぜ!?

The La’s – I Can’t Sleep

 

ロッケンロール!!!

まあだからラーズに何を求めているかの違いでしかないんだろうけどな

僕あくまでもロックンロールかどうかでしか聴いてないからなあ

かっこいいかどうかって話さ!

でも言ってる気持ちもわかる

「ゼア・シー・ゴーズ」とかは絶対アルバムのバージョンの方がいいもん

だからそんな感じで「このマイク・ヘッジズ・バージョンが最高でこのサウンドを基調としてファーストアルバムを完成させるべきだった!」とは1ミリも思わないことも事実なのよ

僕好みだしラーズというバンドの本質には近いように聴こえるけど、

「でもこれか?」って感じなのは否めない

ちなみマイク・ヘッジズ・バージョンだけじゃなくてこのデラックスエディションには数曲だけど色んなプロデューサーとのセッションバージョンが聴けるんだけど、個人的にはストーン・ローゼズのファーストアルバムを手がけたジョン・レッキーのプロデュースバージョンとかも僕は好きだったりするんだよなあ

 

まあそんな感じで色々な録音バージョンがありすぎて「どれが究極! これぞラーズの本質!」って答えが出ないんだよね

どれも普通にいいもん

どれもラーズなことにかわりはない

ラーズ自身もそんな感じだったんじゃないのかなもしかして

単純にドラッグのやり過ぎによるパラノイア的なものだったという説もあるが

それよりも単純に「録音」をやりすぎたんだきっと

色んなバージョンが生まれれば生まれるほど答えの量が増えちゃってわけわかんなくなってたんだ

それはファンからしてもそれは同じで、ひとつの「これが僕らのファーストアルバムです!」っていう明確なバンドからの答えがないから色んなおんなじ曲の音源聴き続けてあてどない答えを探し求める迷える子羊になってしまうんだ

代表曲「ゼア・シー・ゴーズ」ひとつとってみてもどんだけバージョン存在すんだよって話だし

The La’s – There She Goes

 

しかも大体曲はおんなじ

ほんとサウンドとアレンジの違いでしかない

今回これを書くために一応ひと通りラーズの残した音源を久々耳を通したんだけどやっぱ個人的にも昨日と今日で全部印象違うんだもんな

ナンバーワンバージョンが日替わり過ぎて困った困った

でもそのどれを聴いてもラーズの本質を掴み取った気分にはならないという

何故ならばラーズが「これが僕らのファーストアルバムです!」って提示してくれなかったからだ

でも収録曲の「ウェイ・アウト」と「ゼア・シー・ゴーズ」は87年と88年に一応はバンドが納得してシングルリリースされてるわけだから「あのシングルバージョンが限りなく正解に近いんだ」って思えるけどそれすらも本人たちはぶっちゃけあんま気に入ってなかったとか言ってるからもうわけわかめだよね

あてどない答えを探し求め続けるラーズという名の迷宮、、

だが仕方がない、

ラーズを好きにーなったからさー!

ラーズ超カッケーもん

好きな理由を自分なりにあげていってみようか

まずはあの声!

人の心の真の感動は、結局は歌声によるものなんだ

ラーズがあのザ・フーを超えるポイントはまずここだ

リーダー、ギターボーカル、ソングライター天才リー・メイヴァース!

彼の歌声を一度聴けば人生で一番の恋状態待ったなしだ!

あのおっきいダミ声! まずそこに痺れる!

昔の音源聴くと綺麗とは言わんけど全然しゃがれてなかったりするからこの声もきっとライブや何年にも渡る長いファーストアルバム制作で培われた声なんだろうなと推測する

だがなそんなシンガーなら黒人ブルーズマンなら普通だし黒人ならずとも世界中に盛り沢山いらっしゃる

でもリー・メイヴァースの声はどんなにしゃがれていてもどこかすごくエヴァーグリーンな響きがするんだ、黒人ではないんだ、イギリスのロックンロールボイスなんだ

そしてリー・メイヴァースにはあの必殺のファルセットボイスがある!

汚いダミ声と透き通ったエンジェル裏声の両立!

これほどの可能性まみれの声はリー・メイヴァース以外聴いたことがない!

代表曲「ゼア・シー・ゴーズ」はそういう意味でリー・メイヴァースの歌声の最も美しい瞬間二種類が同時に混在していて、その上シンプルなコード進行でナイスメロディ楽曲だなんてな、、もはや僕がイギリスのロックンロールに求める全てがここにある! そら不朽の名曲なわけだわ!

だがなベイベー、ロックンロールはあくまでもビートミュージック、黒人のあのビート感覚に憧れる少年たちがなんとか自分たちでモノにしようとするあのビートへの渇望がモノをいう憧れミュージックなんだ

じゃあ黒人の音楽聴いてりゃいいじゃんって?

いやそうなんだけど黒人のやつはただ黒人のめっちゃカッケーやつじゃん? そういう意味では普通じゃん?

ああなりたいんだけどなれない、、じゃあどうしよう、、こうか? こうかな?それともこうか!? こうしたらどうだろう?って言う求める姿勢で突っ走っていたらいつの間にか気がつけば本来とは違うゴールにたどり着いてしまっていた! 答えはひとつだけではなかった!

ってのがいいんじゃん

どっちにしてもあくまでもロックンロールは絶対にビート感覚ありきだよ

楽譜には決して記載不可の価値観、ビートのニュアンス、ニュアンスでしかないあれよあれ!

感覚でしかない

好みの世界でしかない

だけど音楽は、音楽である前にあくまでも「音」だ

ラーズが追い求めたもの、ファーストアルバムを完成できなかったわけは間違いなくそれだ

とにかくラーズは「音」とそして「ビート」を大事にしてる

他のクソたれイギリスロックの奴らと決定的に違う

特にビートに関してはわかりやすい

ラーズを聴いているとそのビートアクセントのたびに精子が製造されてしまうかのような感覚に陥るくらいだ

ラーズを聴くたびに僕の精子は増えていく

ロックンロールミュージックなんてもんは聴き手の精子増やしてなんぼだ

女性の場合は、知らん、僕は女性じゃない

とにかく受精を全く目標としない謎の精子の増加!

真のロックンロールのビートにはそれがある!

むしろそれがあるかどうかがロックンロールかそうでないかを分ける

確実にラーズはそこに対して意識的

聴きゃわかる

ラーズは「黒いノリ」ってやつを意識的に作ろうとしている

ガッコーでオベンキョーしたって絶対身につくことはない、あの「黒いノリ」ってやつを意識している

この点に関してラーズのファーストアルバムへの不満は数々あるが、最も気に入らない点をただひとつピンポイントであげるならば8曲目の87年のファーストシングル「ウェイ・アウト」の最初のバスドラム、「ドン、ドン、ドン、ドン」っていうあの文字化不可能なイントロのバスドラムを削ってるってこと

俺たちがあの曲の三連のノリと完全に一体化するためには絶対にあのバスドラのイントロが必要なんだ

あれからおっぱじまる「チャンチャラララチャンチャラララ」というあのビート感が鬼なんだろうが

ゆるせねえ、ロックンロールわかってねえよ

イントロは大事だよ

だって何しろ没頭するきっかけだもん

没頭しちゃえば後は知らねえよ馬鹿になって楽しむだけだよ

少しばかり大げさに言っちまえばシングルバージョンのウェイ・アウトのイントロのバスドラの「ドン、ドン、ドン、ドン」はビートルズのファーストアルバムの1曲目の「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」の冒頭の「1、2、3、フォー!」と同じなんだよ

ビートルズの「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」に最初の「1234!」がなかったらって考えてみ?

ロックンロールなんてもんはそんなもんなんだ、そんなちょっとしたことだけで感動に届くかどうかが決まるんだ

そういうビート感がラーズのこのファーストアルバムには足りないんだ

ほのかな差なのだが、これがでかいんだ

ロックンロールの塊ビート具合が絶対的に欠ける

各楽器がきっちり聴こえすぎている

絶対にロックンロールサウンドなんてもんは塊で攻めてきてなんぼなんだからね

ロックンロールバンドっていう形式が50年隆盛を保った理由は間違いなくそこさ

でもその分リー・メイヴァースのアコギがはっきり聴こえるのがいいかなこのファーストアルバムは

そこがしっかり確認できるところはいい

明らかにリー・メイヴァースはアコギを打楽器として使ってるからね

まさか君はアコギをフォークみたいなダンス要素皆無ミュージックの専属楽器と思ってるんじゃないだろうなあ?

アコースティックギターがエレキギターよりも圧倒的に勝るポイントといったらそのビート表現に他ならないんだ

弾いている人間のビート感、人間力が最も表れる楽器、それがアコギ

リー・メイヴァースは明らかにアコギをビート楽器として使用している!

そういう部分が80年代にイギリスあたりで流行ったとかいうニューウェーブやらネオアコだとかなんとかいうノーキンタマミュージックとは確実に一線を画している!

「黒いノリ」ってやつが確実にある!

腰にくるビート

それは80年代のロックもどきどもに全く見当たらないもの

パンクロック登場以降ロックンロールのノリは真っ平らになり、忘れさられてしまったもの

「黒いノリ」

これだ!

ロックはアンプスピーカー機材やらの発展によりいつしか爆音ミュージックということになってしまったが、そんなもんは嘘っぱちなんだ、よくてごまかしなんだ

小さい音でもロックンロールは成り立つんだ

むしろ小さい音で成り立たなかったらそれはロックンロールじゃないんだ

だからラウドロックとか言われてる奴らはロックンロールじゃないよ

だってその名のとおりでかい音でなけりゃ意味がないってんだからね

なんてしょぼい奴らだ

ラーズのリー・メイヴァースはアコギでロールする

エレキギターを持つときはテレキャスだ

どうだまいったか

音階じゃない「音」だ、拍じゃない「ビート」だ

どういうことだって言われても知らない

ラーズの話はこんな風にニュアンスの話に終始する他ないな

それこそがラーズが真のファーストアルバムを作れなかった理由でもあり、ロックンロールの謎でもある

ロックンロールはニュアンスだ

コードやドレミ、拍がどうだこうだとかだけじゃ決して語り切ることのできない、楽譜に書き表すことは未来永劫できないであろう、そんな、単純な、「音」と「ビート」の話だ

それの完璧へと挑んだ無謀なバンド、ラーズ、リー・メイヴァース、馬鹿な野郎だぜ、普通にやってりゃ王様になれたろうにな、まあそんな感じで頭おかしかった奴がやったからこそこんなに面白いんだろうけんどもよ

イギリスで史上最もかっこいいロックンロールバンドになるはずだったバンド「ザ・ラーズ」

かつて僕はここで日本で一番かっこよかったバンドは「初期のザ・ルースターズ」っつったな

似てるなあ、なんか、僕が一番かっこいいなって思うバンドはやっぱ

音とビートに極めて意識的でそして滅茶苦茶かっこいい声を持つボーカルがいるバンド

でも中心人物が天才特有の病気で勝手に自滅しちゃう感じとか

そういう意味ではアメリカのニルヴァーナもといナバーナもそうだよな

ナバーナのドラマー、デイブ・グロールがのちにニューバンド「フー・ファイターズ」のフロントマンとして成功したようにラーズのベーシスト、ジョン・パワーがのちにニューバンド「キャスト」のフロントマンとして成功するあたりも共通してるっちゃしてる

キャストのファーストアルバムもめっちゃいいからラーズ関係なく聴いた方がいいよ

今年来日するんじゃなかったっけかたしか

僕は特別ファンではないから多分行かないけど来るってことは知ってる

キャストに関してはそんな感じ

とにかくルースターズ! ラーズ! ナバーナ!

個人的に一度この名を並べてみたかったからよかった

それだけ

あとはねえ、ラーズはぱっと見がいいね、ロックンロールバンドはパッと見だからね

リー・メイヴァースとジョン・パワーの髪型、顔、服装、最高!

あとのメンバーは、この二人がかっこよすぎてよく見えないっつーか見ようとしても目に映らない

あとはーなんだ?

まあ、いいや

よし、今日はこのくらいで許してやるか

ということで新年一発目、のロックンロールの話は「ラーズ」でしたー

楽しんでいただけたでしょうか?

今年いっぱいでこのファーストアルバム縛りをやめると宣言してからの第一発目のファーストアルバムでもありました

音楽記録媒体が最も売れた夢の90年代を幕開けるアルバムでもある

90年発売だし

新年一発目にラーズのファーストアルバムを紹介するという正しさには誰も敵わない!

ふっふっふ、正しいことをしたぜ

つーことで唐突にじゃあな

 

次回は花の1991年に発売されたロックンロールファーストアルバムを紹介するぜ!

アデオスアンドアディオス

最後に貼ってもらう恒例のユーチューブ音源はやはりラーズの「ルッキング・グラス」か

ファーストアルバムのラストナンバーでもありライブでも必ず一番最後に演奏されるあの長尺ナンバー「ルッキング・グラス」だ

言っとくが、エモいぜ?

どのバージョンを貼るかはお任せだ

ではな!

 

 

The La’s – Looking Glass