平田ぱんだのロックンロールの話
第39話:オアシスの『Definitely Maybe』
おうおうおう!こんなん読んでる大馬鹿野郎何人か! 元気か?おらいは今宵も現金だ!
というお決まりのご挨拶からはじまる平田ぱんだのロックンロールの話! 今年に入ってからどうも毎回ダラダラ長めに書いてる気がしなくもないので今回からは短くビシッとシュッとだ! 期待だけ多めにしとけ。
早速本題だ!
今回は前回から3年ほど経った西暦1994年にこの世に現れた最高のロックンロールファーストアルバムを紹介しようじゃないか。
1994、、1994年ねえ、まず思い浮かぶのは90年代最大のロックアイコンであるカートコバーンの自殺かな? それと入れ替わるようにアメリカではグリーンデイやらオフスプリングやらウィーザーやらといったいわゆるグランジとは真逆のティーンネイジャー大喜びの明るいハッピーメロディを重視したロックバンドが続々大ヒットしたりしていたらしいぞ。ここ日本でもあの Mr.Childrenが大ブレイク、サザンオールスターズ以来とも言える国民的バンドのポジションを確立しそうになっていたらしい。その他にもベックやらブラーやらポーティスヘッドやらその他諸々が今まで誰も聞いたことがないようなサウンドを発見駆使し同時多発で名盤を量産、世界がミュージック好景気ムードになりそうだったとかならなそうだったとかそんな感じだったらしい。
とにかくあきらかなポップミュージック業界の世代交代が同時多発していたらしい。
そんな1994年にそれまでのロック王者ニルヴァーナとまるで入れ替わるように登場した今回紹介するロックンロールレジェンドファーストアルバムは、
こいつだ!!!
オアシスの『Definitely Maybe』。
邦題『オアシス』。
だ!!!
馬鹿野郎! このバンドを知らねえとは言わせねえ! つーかそんな奴がいるわけがねえ! なんせビートルズ以来といってもいいほどのイギリスのビッグロックバンドのファーストアルバムなんだからな! だからもうさっさ1曲目から順に話だ!
1曲目「ロックンロール・スター」。
「トゥナイト! アイムアロックンロール・スター!」。
これを超えるロックンロールファーストアルバムの一曲目に似合うパンチラインがはたしてありえるか? あるわけがない! あまりにも全部すぎる! 完全に待ち望んだものでしかない! 僕らがロックンロールバンドに望む事象の全てはこの全能感にある! うだつのあがらないこの僕の日常を蹴散らす、そんな拳と声を上げるべき指針、常にそんな爆心地をずっと待ち望んでいたんだ僕たちは! 「俺はロックンロール・スターだ!」と歌い放ち、しかもそれが鬼クソよく似合う! 似合いまくる大馬鹿野郎! そんな奴らをいつだって待ち望んでいるのさ!何年経とうと変わらねえ! 変われねえ! でもやった! これでもう大丈夫だ! だってオアシスがいるんだ! あとはもうこの僕も頑張るだけさ! 簡単なことじゃないか!
Oasis – Rock ‘N’ Roll Star
みたいな感じ
このオープニングナンバーを超えたロックンロールファーストアルバムの1曲目は未だ現れていない。ロックンロールファーストアルバムの1曲目という点に限って話すならば、かのビートルズの「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」もレッド・ツェッペリンの「グッド・タイムズ・バッド・タイムズ」もセックス・ピストルズの「ホリデイズ・イン・ザ・サン」もストーン・ローゼズの「アイ・ウォナ・ビー・アドアード」もかなわない、それくらいスーパーなロックンロールファーストアルバムの完璧な1曲目だこれは。未来にこれを超えるファーストアルバムの1曲目なんか現れるのか? 現れるとしたら是非この耳に入れてこの身の好みに値するか確かめたいぜ、、間違いない長生きの秘訣になるなそんなもんは。
もしも僕が当時のイギリス人で、例えば場末のミュージックバーのステージで、まだ誰にも知られていない頃のオアシスが登場して、このナンバーをかまされちまったら、間違いなく狂喜乱舞、見た目はトゥートゥーシャイだったとしても、心の奥底での超絶なダンスをかましてるはずだろうさねきっと。だが世の中、僕ほどのロックンロール理解者ばかりじゃない、場末だろうと中心地だろうとバカはバカ、わかってないやつは永久にわかってないやつ、当時のイギリスの場末ではオアシスみたいな無名野郎がこんなナンバーをかましたら罵りの嵐なんてこともあったりなかったりしたらしい。大声だとしても心の奥底でにしても罵りは罵り、そんな状況の中でもオアシスがかつて90年代初頭にこのナンバーをかましていたという事実に涙のひとつやふつも出る! 一番少ない時でたったふたりの客の前で歌ったこともあるらしい、是非是非目撃してみたかったその瞬間を!
例えばさ、その辺のたまたまそこにいただけのオヤジが「俺は90年代初頭に場末のバーのステージでオアシスがロックンロール・スターを演奏してるところを目撃したことがあるぜ?」と述べたとする、はっきりいって大したことじゃねえ、そいつはただたまたまそこにいただけだ、オアシスを選んだわけでもそもそも何かをめがけてそこにいったわけでもねえ、そこには審美眼のかけらもねえんだ、そいつのすごい部分なんかひとつだってねえ、だがな、これほどの後々の自慢になる事柄があるかいな?すぐさまそこらのオヤジが一躍キッズの羨望の眼差しの真っ只中だ!
「オアシスがガラガラの場末のバーのステージであのロックンロール・スターをかましている光景を目撃したことがある!」。そんなんロックキッズは即ヨダレだらだらだ! ただただはっきりと羨ましい! そう、それくらいオアシスはのちにビッグになったって話でもある。なんせ正真正銘本当の誰もが認めるロックンロール・スターになっちまったんだからな。オアシスと肩を並べれるイギリスのロックンロールバンドなんか歴代でも数えるほどだ。
そんなパンクロックの登場以降否定され続けた価値観である「ロックンロール・スター」を最初から目指していて、どころか最初から「俺はロックンロール・スターだ!」って歌い放っていて、しかもそれが滅茶苦茶似合っていて、最終的に本当にロックンロール・スターになっちまったってんだからそんなもんはただただはっきりと感動的だ。これはストーン・ローゼズのファーストアルバムの1曲目の「アイ・ウォナ・ビー・アドアード」の革新をさらに推し進めた、いわば革命の達成なんだ。
事実オアシスの全てのはじまりは音楽なんかには1ミリも興味ないそこらのヤンキー少年でしかなかったボーカルのリアム・ギャラガーが地元マンチェスターのスターバンド「ストーン・ローゼズ」のビッグギグを見に行ってボーカルのイアン・ブラウンのステージ上でのその従来のスターらしからぬふてぶてしい態度振る舞いを目の当たりにしたことによって「俺のゆくべき道はこれだ!」ってなったことから全ては始まるってわけなんだからな。
全ての感動の源は「俺はロックンロール・スターだ!」って歌うことが世界で一番似合う男「リアム・ギャラガー」あってのものだ。リアムは最高の男だ。そしてあんなに最高と最低を同時に発せれるシンガーはこの世にはいない。
マイケル・ジャクソンのムーンウォークの足のあれとかピート・タウンゼントのウインドミル直前の腕を振り上げてるあれとかシンボルマークに成り得るロックンロールのオリジナルの型は多々あるが、オアシスのシンボルマークにああいったものをもし取り入れるとしたら間違いなく腕を後ろに組んでマイクに歌声を叩きつけてるあのリアムの像だろうな。
加えてあの声! 私的歴代ロックンロールボーカルなりたい声選手権不動のナンバーワンだ! もうリアムは存在すぎる、、存在そのものだリアムは!
そしてビートルズ、ストーンズ、ザ・フー、Tレックス、ピストルズ、ジャム、スミス、ジーザス&メリー・チェイン、ストーン・ローゼズ、ラーズなどなど歴代ビッグロックンロールバンドからの影響を1ミリも隠さず臆さず高らかに鳴り響かせるリードギター「ノエル・ギャラガー」の作る最高のロックンロール楽曲群! もうオアシスにはいい曲が鬼ほどある、もうほとんど卑怯ってくらいいい曲が沢山ある。
オアシスの魅力をひと言で言うならば「リアムの声とノエルの曲」。99パーセントそれでしかない。まあロックンロールバンドにとって残りの1パーセントが鍵を握ったりすることもしばしばだが、その話は後ほど。
とにかくオアシスは僕らが待ち望んでいた全てだ!「僕んちの近所のあのお兄ちゃんがロックンロール・スター!」という価値観の最大成功例! もう夢が広がりまくりんぐだ!
おっと序盤からスピードを出しすぎか。まあまあ落ち着け俺、とりあえずとにかく急がず、ゆっくりとこのファーストアルバムの曲目追いながら紐解いてゆこうじゃないか。
次!
2曲目「シェイカーメイカー」
オアシスのセカンドシングルでファーストアルバムの2曲目という重要な位置のナンバーなわけだけど、なんでこれがセカンドシングルでファーストアルバムの2曲目なのってくらいもう2曲目からのろいサイケ系ロックナンバーが登場。
単純に曲の速度がのろい。BPMが、という意味でね。そうだ、オアシスは速度が基本のろいんだ。1曲目の「ロックンロール・スター」であれだけぶち上げといてなんでもう2曲目がこんなノロマなサイケ系ロックナンバーやねんってエセ関西弁のひとつやふたつも出したくなる。でもオアシスってまぎれもなくロックンロールバンドだけど基本的にこうだよね。速い曲とかあんましない。そこがオアシスっぽい。
ボーカルのリアムを見てみろよ。楽器を持たないピンボーカルなのにあんなに堂々と突っ立っている。絶対忙しくしたりしないんだ従来のロックバンドのピンボーカルはそりゃあ忙しくしてたもんだがな。イギー・ポップもフレディー・マーキュリーもミック・ジャガーもギンギンにガンガンだ。だがあくまでもリアムは自然体でイギリスの不良って感じそのまんまでステージに立ってそのままほとんど立ちっぱなしだ。派手なパフォーマンスなんかしない。軽快なステップなんか踏まない。曲に合わせてジャンプしたりとか絶対ない。コール・アンド・レスポンスなんてもってのほか。オアシスは決して頑張らない! 何故ならばヤンキーだからだ。
でもボーカルのリアムはやたらと水を飲むイメージがあるな。ほぼ突っ立ってるだけだけどやたら水は飲む気がする。きっと手持ち無沙汰になってると言うか間が持たなくなっているからってのもあると思う。でも絶対頑張らない! でもそれが逆に「俺はシンガーだ! だから歌以外やんねえ!」って感じでかっこいいぜ。
じゃあ歌以外の奴らの姿勢はどうだ? 同じだ。突っ立っている。その場から1ミリも動かないレベルで突っ立っている。だからオアシスのライブ映像は他のロックンロールバンドのそれと比べて映像的には全然面白くない。でもライブの方が声がかっこいいからライブもオススメだがな。
サウンドは基本同じだ。オアシスは頑張らない。特にベースとドラムは一箇所も面白くない。はっきり言って誰でもいいってくらいどうでもいいふたりだ。
ロックのメイン楽器であるギターはどうだ? 花形ポジションだぞ。基本的にアホほどディストーションかけまくってゴワーってなりまくったギター2本をふたりでゴワーって突っ立って鳴らしてる。おそらくシューゲイザーあたりから影響を受けたと思われる「ギター版ウォール・オブ・サウンド」と呼ばれたりする時が一回か二回くらいはあったようなひと言で言うと「ごまかしがききまくるギターサウンド」だ。
パンクロックは誰でも演奏できるとか言われてるけどパンクはスピードが基本速いからドラムは大変だ。パンクはなんだかんだドラマーがうまくなきゃ成り立たないはずだ。だがオアシスは大丈夫だ、何故ならのろいからだ・
しかも難しいコードなんかほぼ使わない。そんな感じなので90年代中盤から5年間くらいオアシスの演奏は全世界の奴らに真似し続けられたらしい。当時の日本のロックなんかほぼ全部オアシスな気がするオアシスから直接影響受けてなくても全部オアシスな気がするほどだ、あくまでもイメージ的に。
Oasis – Shakermaker
次!
3曲目「リヴ・フォーエヴァー」
はい名曲。
オアシスはほんと頭おかしいくらい名曲があるわけだがその中でも上位10組、下手すると5組にランクインするくらいのガチ名曲。去年2018年だかに「イギリス国民が選ぶイギリスが生んだ偉大な名曲ランキング」みたいなずっと続いてるやつで投票開始以来ずーっと1位の座をキープしてたクイーンの「ボヘミアン・ラプソディー」をついに蹴落としてこの「リヴ・フォーエヴァー」が見事1位に輝いたことで話題になったことが記憶に新しいくらいは名曲だ。
そう兎にも角にもオアシスは曲がいい。姿勢がかっこいい、声がかっこいい、とはいえどもその前にめちゃくちゃ曲がいい。ほんとこれに尽きる。オアシスの魅力は何かひとつだけ答えろと言われた時に「バリクソ曲がいい」以外の答えを選ぶやつはアホだ。
そんなオアシスの初期のナンバーのその全てを作詞作曲しているのがボーカルのリアム・ギャラガーの実の兄貴のノエル・ギャラガーだ。ノエルは24歳の時にオアシスに加入したわけだがそれが初めてバンドというものに入った最初だってんだからすごい。バンドを始めるのがかなり遅い。それまでは普通に仕事してたり失業保険でぼーっとしてたり地元のバンドのローディーしたりしてたらしい。でもなんのためでもなくひとりでずっと曲だけは作っていたらしい。
ガキ大将的な弟リアムに対してノエルはどっちかっつーと家でひとりでギター弾いてるのが好きってタイプだったらしい。よく聞くオアシスエピソードに「ノエルがリアムがバンド始めたっつーからライブ見に行ってみたら普通にクソだったけど弟のリアムだけは見どころあったから俺が入ってバンドをよくしてやるっつってある日バンドの練習スタジオに押しかけて、この俺にこのバンドの全権を渡すならお前らを世界一のロックバンドにしてやる、この曲がその証拠だ、聴け!っつってこの“リヴ・フォーエヴァー”を弾き語りして聴かせたらこんな名曲には誰も逆らえなくてバンドはすぐさまノエルをバンドリーダーとして迎え入れた」みたいな感じのかっこいいエピソードがある。
と、ずっと素直に信じてたのにちょっと前に公開されたオアシスの全盛期を追ったドキュメンタリー映画『オアシス:スーパーソニック』内でノエルが「あれはぶっちゃけかなり話盛ってる」って言ってて泣いた。実際はノエルがひとりぼっちでバンドに入りたそうにしててかわいそうだったから&ちょうどもうひとりギター入れたかった&ノエルはインスパイラル・カーペッツっていう来日公演とかもしたことあるレベルのケッコー有名な地元バンドのローディーやってたから音楽業界にコネがあるってことでオアシス側からノエルに入らないか?って誘ったという話らしい。そしたらノエルが鬼クソ名曲をわんさか隠し持っていたという。
そんな20代半ばまで誰に聴かせるでもなくひとりでしこしこ作ってた名曲群はアルバム3枚分くらいのストックがあったというか初期オアシス、つまりサードアルバムくらいまでの曲はほとんどその当時に作った曲だけで作られてるらしい。だから3枚目4枚目のアルバムあたりから急にオアシスのアルバムがその前までと比べて格段にクソになるのは単純に「いい曲のストックがなくなった」って話でしかないらしい。
つーか初期オアシスの曲ってアルバムに収録されてる曲だけじゃなくてシングルのB面曲まで全部いいんだよ。
「アクイース」とか「フェイド・アウェイ」とか「ステイ・ヤング」とか「ザ・マスタープラン」とかあたりなんてなんでアルバムに入れたりシングルのA面にしたりしなかったのか意味不明なくらいだわ。なんか単純に新たにB面用に曲を作るのがめんどくさいって理由だったらしいけど勿体無すぎるにもほどがあるだろ。のちにノエルは「もっと小出しにすればよかった」とちょっと後悔したような発言もしたりしたとかしないとか。
だからはっきりいってオアシスはこのファーストアルバムとセカンドアルバムと98年に出たシングルのB面ベストである『ザ・マスタープラン』を聴けば知った気になって全然オッケー。あとは興味があったら聴けばいい。
ファンになったら次は5枚目の『ヒーザン・ケミストリー』が新生オアシスになってメンバー全員が曲書くようになってノエルの負担が減ったからかまた持ち直してきていい曲増えてくるから、それから聴いてみるといい。映画『バタフライ・エフェクト』の主題歌にもなった一歩間違えるとくっさいメロディ楽曲なグッドナンバー「ストップ・クライイング・ユア・ハート・アウト」とかもこれに入ってる。ノエル作以外にもリアム作で初のシングルにもなったジョン・レノンライクなナンバー「ソングバード」とかもこれに入ってるぞ。だからまあまあオススメだ。その次はオアシス久々の大ヒットソングとなった「ライラ」も入ってる6枚目の『ドント・ビリーヴ・ザ・トゥルース』を聴くんだ、なんて話はもうこの辺でやめておこうか。
そんな感じでこの「リヴ・フォーエヴァー」はオアシスの名曲その1には変わりないんだけどあんましこのファーストアルバムこの手のグッドメロディ系の楽曲何気に少ない、どっちかっつーとロックンロール色の方が強い。
あとはもうラスト手前の「スライド・アウェイ」まで登場しないかも誰もが愛さずにはいられない普遍的グッドメロディ楽曲は。この次のセカンドアルバム『モーニング・グローリー』で死ぬほど登場するけどな、そういうの。オアシスのセカンドアルバムははっきり言ってオアシスのベストアルバムよりもいい。捨て曲なさすぎ。名盤にもほどがある。
このファーストアルバムの方がロックンロールファンには断固オススメだけどセカンドアルバムはロックなんか興味ない人でも絶対オススメってかオアシスのセカンドアルバム聴いたことないとかかわいそうすぎる、あれ聴いてよくないとかいうやつ自分は音楽詳しいからとかなんとか言ってひとりでウンチク呟いてるだけみたいなマヌケか単純に人と違う感性の持ち主だから誰にも良さがわからないような音楽でも隅っこで聴いてひとり悦にでも浸っててほしいわ。
ほいでちなみこれの歌詞の「リヴ・フォーエヴァー」(もっと日本語読みすると「ライヴ・フォーエヴァー」だが、そこはレディオヘッドをラジオヘッドとは読まないみたいなもんだから気にせずいこう、オアシスだって正確な読み方をカタカナ書きするならオエイシスだしな)は直訳すると「永遠に生きる」って意味なわけだが、それはノエルが当時のアメリカの流行りのロックジャンルであるグランジの奴らが「自分が嫌いだ、いっそ死にたい」みたいなネガティヴな感じのことばっか歌ってんのにムカついたかなんかして「俺は自分が大好きだ! 何があろうと生き続けたいぜ!」って思ってそれへのアンチテーゼとして書いた歌詞って側面もあるらしい密かに。基本ノエルは曲先で歌詞は後からつけるみたいだからそれがいつ頃書かれた歌詞かはよくわからないんだけどとにかく「きっと俺たちは永遠に生き続けるだろう!」っていう力強い勇気の歌だ。
ノエルはメロディの邪魔しないように歌詞に断定的だったり具体的だったりする意味を持たせないようにしてるらしいけどなんにしてもいつだってノエルの書く歌詞は前向きだ。少なくとも俺が歌詞カードをじっくり読んだことあるやつは大体そうだった。そこがいい! 男らしくていい! ニルヴァーナとかアメリカのグランジの奴らなんか暗くてメソメソしてるっぽくて男らしくねえ! あんなもん嫌いだ! オアシスの方がずっと好きだ! これぞ僕たちの待ち焦がれたイギリスのロックンロールだ!
そんな感じ、先を急ごうか。
4曲目「クラウドバースト」。
日本版CDだとこれが4曲目です。僕はずーっと疑問でした。何故ならば「なんでこれが4曲目なんだろう、邪魔だなあ」って思っていたからです。僕はずっとレンタルしてきてダビングしたものでこのオアシスのファーストアルバムを聴いていたので歌詞カードとかなかったので知らなかったのです。後からこのCDの現物を買って歌詞カードを見て驚愕しました。なんとこの4曲目の「クラウドバースト」は、日本盤のボーナストラックだったのです! 日本のメーカーが日本版CDを買ってもらうために付加価値としてボーナストラックをつけるのです。輸入盤より日本版は500円くらい高いですからね、その分翻訳歌詞カードとかボーナストラックなどをつけるのですね。ボーナストラックでしか聴けないような楽曲も聴けてお得ですよね。でもよ、なんで4曲目におくあるね? そら邪魔なわけだわ! 当時の日本の担当のやつがアホだったのかそれとも「入れるならここに入れろ」って向こうから言われたのかは知らんけど。どっちにしてもこのオアシスのファーストアルバムの邦題が『オアシス』な時点でなんにしてもセンスねえわ。だって『ディフィニトリー・メイビー』の方がカッケーじゃん響き的にも意味的にも。絶対そう! 多分!
とにかくほんと流れ悪いなーってすげー普通に思ってたんだわずっと。だからずっとオアシスはセカンドアルバムの方がずっといいなって思って生きてきてた。だけどこれがボーナストラックだって知ってから事情が変わった。甲乙つけ難くなった。そんなもんだ。何故ならば名盤の第一条件というものは「捨て曲がない」だからだ。いらない曲がひとつも入ってない、全曲名曲と言い換えてもいいが少し違う、全曲名曲だとお腹いっぱいになって途中で胃もたれしてしまうからだ。全曲名曲じゃななくてもいらない曲がひとつも入ってなければ名盤の条件その1はクリアなんだ。
そのあとに「同時代性、よーする時代を味方につけたかどうか」がくる。これは獲得しようとして獲得できるものではない、ある程度はバンドの持つ批評性で近づけるかもしれないけど結局はほぼ運だからバンドの力はほとんど関係ないと言っていい。
でその次が曲順の正しさ。
その次がトータルでどうだとかコンセプトがどうだとかいったものがくるわけだが、まあそんな話はいいや。ここにこの4曲目がくる日本版はクソだって話!
つーことで真の4曲目だ!
「アップ・イン・ザ・スカイ」。
これも60年代サイケデリックっぽいリフがなってるけどアルバムの中じゃ比較的アップテンポなナンバーだからやっぱりこれが4曲目に絶対きて欲しいぜ。クソが、ずっと損し続けていたぜ! これからは輸入盤やApple Musicとかにある方でしか聴かないぜ! でもApple Musicで見てみたら曲目違うバージョンとで2種類あったぜ、なんかこのファーストアルバム。全11曲入りでこの「アップ・イン・ザ・スカイ」が4曲目にきてる方を聴くことをオススメするぜ。
つーことでこの曲のライブ映像で見てみたら珍しくギターのリフの方をサイドギターのボーンヘッド(ポール・”ボーンヘッド”・アーサーズ)が弾いててノエルのお兄ちゃんがコードストロークでギターをガンガン弾いてるナンバーだっただからライブ映像だと比較的指が動いてるボーンヘッドの姿が見れる。その姿を見たいと思っているやつがいるのかどうかはわからないが。とにかくオアシスでこの男が間違いなく一番楽をしている。ベースのギグジー( ポール・“ギグジー” ・マクギガン)も楽をしているが奴は地味すぎるし大体にして初期オアシスのサウンドにおいてベースほど重要じゃないパートもないからもう彼はベーシストという肩書きより先に「リアムの友達」という肩書きの方が先にきそうなほどの勢いだ、だからボーンヘッドの勝ちだ、楽をしてる選手権は!
だって仮にもボーンヘッドの担当はギターなんだぜ? ロックの花形楽器を担当しているんだ! なのになんだあの突っ立ってコードずっと鳴らしてるだけの姿勢は! オアシスはロックンロールバンドだったはずだろう? こんなにふたつのギターの絡み合うアンサンブル! みたいながないサウンドのロックンロールバンドはオアシスが初くらいなんじゃないだろうか。普通はギタリストはもっとエゴエゴしているはずだ! いや、エゴエゴしていないやつがギターを担当するなんてありえねえ、ちげえねえ! でもボーンヘッドはいつも飄飄とステージに突っ立ってギターを鳴らしているだけ!ノエルに言われた通りにギターの壁作りに徹しているだけ! こんな奴はロックの歴史上にいたことがねえ!
ボーンヘッドはリアムもノエルもいなかったオアシスの前身バンドのリーダーで曲も作ってた男らしいのにノエルに簡単にソングライター兼リーダーの座を譲ってヘラヘラしている感じのあのプライドのなさっぷりは逆に男らしい、いや、不良らしい! まるで「ウヒョ! こんな楽な仕事で大金稼げてラッキー! ギャラガー兄弟様様だぜー!」って思ってそうなツラをしている! ちげえねえ。なんてイギリスの不良というか、チンピラ感のある男なんだ! しかも禿げているときたもんだ! まったくとんでもないやつだ!
ノエルも映画『オアシス:スーパーソニック』の中で「ボーンヘッド、奴こそがオアシスだった」ってひと言だけ言ってた。そう、そうなんだ、オアシスってリアムとノエルのギャラガー兄弟に99パーセントの視線が集まってるし、事実初期オアシスの魅力の99パーセントはこの天才兄弟ふたりが担っているわけだが、残りの1パーセント、それは当たり前だが他の雑魚3名が担っている、そしてそれこそがオアシスを特別なバンドにしている! 気がする! それは「パンク」だということだ! 初期オアシスから発せられる現代ロックンロールに必要不可欠な「パンクロック要素」。それはリアムがピストルズのジョニー・ロットンの歌い方に影響を受けているからってのもあるけど、それよりどっちかっつーと他の雑魚メンバー3名が担っている気がする。
はっきり言ってオアシスはリアムとノエルさえいれば他のメンバーはこの3人じゃなかったとしても確実に売れただろう。「ロックンロールバンドなんて所詮ボーカルと曲さえ良ければ売れるんだ、バックの演奏なんか並みでありゃいい」なんて身も蓋もないことを言う奴もいるだろう。だが違う。ロックンロールバンドの感動はいつだって残りの1パーセントで決まるんだ!
とテキトーに書いておこう。
だってみてみろ後期オアシスを! 初期メンバーのボーンヘッドとギグジーと後期メンバーのゲム・アーチャーとアンディ・ベルを見比べてみるんだ! どうみてもミュージシャン感が違いすぎる! 後期メンバーの方が圧倒的にミュージシャンしてる! 見た目からもうめっちゃミュージシャンだ! それにふたりとも曲も作れるときたもんだ! アンディベルなんかあのライドの中心人物だった男だぜ?! 加えてサポート・ドラマーには、ビートルズのドラマー、リンゴ・スターの息子でザ・フーのドラマー、キース・ムーンにドラムの手ほどきを受けた最強の英国ロックンロールサラブレット・ドラマーであるザック・スターキー! 後期オアシスすげーかっけー。
でも違う! ゴミ感がない! パンクが感じられない!
後期オアシスはメンバー全員が作詞作曲をすることによってノエルの負担も減ったからかアルバムの中にいい曲もちらほら復活してるし初期よりリアムの声もぶっとくしゃがれててかっこいい! 演奏もすごくロックロックしてる! 全体のクオリティは明らかに初期とは比べ物にならない! と見せかけて何かが足りない! そう、言うなればオアシス感が足りないんだ! それこそが初期の雑魚メンバー3名であることは間違いない。
そう初期オアシスはあの常に漂うクソチンピラ感がいいんだ。そこに夢がある。
街の隅のカスみたいなクソチンピラでも最高の声と最高の曲さえ手にすれば「ロックンロール・スター」になれるんだというあのロックンロールドリーム感だ。だからあの1曲目の「ロックンロール・スター」はあんなに感動するんだ。ほら、1曲目の始まりのあのドラムの「ダダダダ! ダカダカダカダ!」ってやつ! あのドラムの感じは百戦錬磨の凄腕ドラマーでも狙って出すことは不可能な気がする。なんつーか、絶対この人プロとしてはそんなにうまくない人だよな感が出ていて「今夜、俺はロックンロール・スターだ!」って宣ってみせる場末のバーのステージから上り詰めるロックンロールドリームの光景がみえる気がする、あくまでも気がする。ロックンロールバンドのファーストアルバムの1曲目の始まりにあれ以上ふさわしいドラムはない気すらしてきた。
そしてこのアルバムのあとの傑作セカンドアルバムを作る前に初期ドラマーのトニー・マッキャロルが下手だからってクビになるところもいい! ビートルズもデビューのためにドラマーのピート・ベストをクビにしている! それとダブるからってわけだけでもないのだが。そしてこのトニーがのちに「あれは不当解雇だった! アルバム4枚目までの分け前よこせ!」って裁判起こして結局バンド側から示談金100000000円をせしめることに成功するところまでがいい! 初期オアシスのチンピラ感にいいオチがついててイイ!
そして4枚目のアルバム制作の途中で「もう家族もいるし、金も一生分稼いだしもうオアシスなんか忙しすぎてやってらんにゃーぜ」つってボーンヘッドとギグジーがやめるのもイイ! トニーがせしめた示談金でも100000000円なんだから正規メンバーとして演奏していたんだからもっと何億円と稼いでただろうしな。そりゃやめるぜ! 初めからそんな音楽に情熱なさそうだし、名声の99パーセントはギャラガー兄弟が持ってっちゃってるしやり続ける理由もあるまい。
初期オアシスはそう言うところまで含めてイイ! それが音に表れているんだなんとなく。オアシスのアルバムでパンクロックなのはこのファーストアルバムだけだ!
最高!
先を急ごう!
日本版だとここにまたボーナストラックで「サッド・ソング」っていうノエルの弾き語り系ナンバーが入ってるな。いい曲だけどまたしても邪魔だ。アルバムの途中にボーナストラック入れるのやめれ。ケツにつけてくれケツに。
ついでで書くけどオアシス最大の不満は何と言ってもこの「サッド・ソング」みたいに兄貴のノエル・ギャラガーが曲によってボーカルをとることだよな。いらねえ邪魔だやめろリアムに歌わせろ。でもノエルの主張としては「本当はリアムに全部歌って欲しいんだけどアイツじゃ歌えない曲もあるからそういうのは俺が歌ってる」だそうです。たしかにそれはわからなくもない。なんか基本的にキーが比較的高かったりするのはノエルが歌ってる気がする。あと裏声を多用しなきゃいけない歌もノエルが基本歌ってる。リアム裏声使わないもんなこのファーストアルバム以降ずっと。このアルバムだと裏声出してんのにな。「リヴ・フォーエヴァー」でも「アップ・イン・ザ・スカイ」でもリアムの裏声が聴ける。よく考えると珍しい
でもライブ映像見るともう初期の段階で裏声パートはノエルが歌うか地声で音程変えて歌ってる。このファーストアルバムの段階だとみんなが想像してるリアムのあのしゃがれた声じゃないもんねあんまし。初期のデモ音源とか聴くと「これ本当にリアム?」ってくらい声が細くて全然しゃがれてない。リアムがマキシマムリスペクトしてるロック歌手はジョニー・ロットンとジョン・レノンらしいからあのふたりみたいに喉ならして無理して歌っているうちにああいう声にどんどんなってってプラス酒とかタバコとかドラッグとかやりまくりんぐの騒ぎまくりんぐで喉なんかいたわってないっぽいからどんどんああいう声になってって単純にもう綺麗に裏声出せなくなってんじゃないかって推測する。だからノエルがたまに歌うのは仕方がねえことかもしれねえ。
でもな、でもな、それでもオアシス最大の不満って最大代表曲の「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」をノエルが歌ってることだよな。オアシスの名曲群の中でもトップスリーレベルで有名なあのスーパーシンガロングレジェンドロックナンバーをノエルが歌っているということがとても不満だ。なんつーかどっかしらけるそれだけが。だってあれは絶対リアムでも歌えるでしょ、余裕で脳内再生できるもん、キー的にも問題ないはずだ。不満だ! ノエルが歌うのはやっぱり不満だ! 歌うのはリアムじゃないと嫌だ!
というのを挟みつつ本筋の流れに戻ろう。
5曲目!「コロンビア」。
マンチェスターっぽい曲。もうちょっというとマッドチェスターっぽいダンスとロックの融合系の曲。オアシスはマンチェスターのバンドだからな。こういうのをやる方が自然っちゃ自然だ。ビートルズの影響を公言してはばからないが地元の先輩バンド達の影響はもっとモロ受けだったりするんだ。日本に例えるならばロンドンが東京! リヴァプールが神戸! そしてそのお近くのイギリス第二の都市マンチェスターは大阪だ! 日本とイギリスは同じ島国ということでなんとなくだがこうして一致させられなくもないんだ。違いは日本だと東京が上の方にあって大阪は下の方にあるけどイギリスはロンドンが下の方にあってマンチェスターは上の方にあるってくらいだ。イギリス自体が地球の上の方にあるから上の方はとっての寒いからマンチェスターあたりでもうけっこう北の方扱いらしい実際は真ん中くらいだけど。
つまり、オアシスは日本で言うところの「大阪のヤンキーがやってるバンド」ってことだ。わかったか。
6曲目!「スーパーソニック」。
このバンドのデビューシングル。これも当時の流行系っぽいロック曲。ビートルズ感などは一切なし。なんかこれだけ当時のファーストアルバムの録音スタジオでファーストシングルの候補曲がないからって急遽30分くらいで作られた曲らしいけど詳しい経緯は忘れた。
ちなみ91年に幕をあけたアメリカのグランジブーム、それを横目にイギリスの日陰でひとりしこしこ曲作ってたノエル・ギャラガーがオアシスに加入したのも91年、んでそのグランジブームの立役者バンドのニルヴァーナのそのギターボーカルで94年4月に自殺してしまったロックスター、カート・コバーンとノエル・ギャラガーはなんと同い年、そしてこの「スーパーソニック」でオアシスがデビューするのが94年の4月ってんだから、なんかロックンロール運命的によくできている感がしなくもない。
と一応書いておく。
7曲目!「ブリング・イット・オン・ダウン」。
初期オアシスのパンクサイドがふんだんに発揮されたこのアルバム最速のパンクナンバー。これがデビューシングルになる予定だったらしいけどなんでダメになったかは忘れた。でもこれでデビューしなくてよかったとだけは結果論で言える。「スーパーソニック」でデビューしてよかったと思うほんと。
8曲目!「シガレッツ&アルコール」。
フォースシングル、ちなみサードシングルは「リヴ・フォーエヴァー」。ブギーな必殺ギターにのって「俺に必要なものなんてタバコとアルコールくらいだぜ!」と歌うイギリスの労働者階級系男ロックソング。これを聴いてまだブラーの方が好きだなんて宣う野郎は女だ。女の人の場合は別にブラーの方が好きでもいい、だって女だからね。ああ、本当にリアム・ギャラガーみたいな男らしい男に生まれてきたかったぜ。リアム・ギャラガーになって「サンシィヤァァアインン!」って歌ってみたいぜ。でもご存知僕はこんなに可愛く産み育てられてしまった。両親にはでかい感謝を。でも本当はリアム・ギャラガーみたいな男になりたかったです。というのはきっと無い物ねだりでしかないのだろうな。
なんにしても自分大好き、それは変わらねえな。オアシスのいいとこも全部そこ。自分が大好き。いつも自信満々。自分というものを1ミリも疑わないあの立ち姿! からの息を吐くように放つあのビッグマウス! そして男らしい前向きな歌の数々! だからこのナンバーみたくモロTレックスからの引用みたいなことをやっても格好がつくんだ。「俺はTレックスが最高だと思ってるからこのようなギターを今弾いてる、文句あっか?」って感じで超かっこいい。最高。
9曲目!「ディグジーズ・ダイナー」。
オアシス特有のあのビートはシャッフルなんだけど跳ねてる感じがあんまりしない系のナンバー。これってリアムのあの平べったい歌い方のせいなのか演奏のせいなのか元々曲がそういうものなのかよくわかんないんだけどなんかすごくオアシス!って感じがするこれ聴くと。ちなみ歌詞にストロベリーがどうとかラザニアがどうとかオアシスっぽくないワードが沢山出てくるナンバーなのでメンバー全員が嫌いだそうですこの曲。
10曲目「スライド・アウェイ」。
はい名曲。ノエル最高。かのポール・マッカートニー氏もかつて一番好きな曲にあげたことがあるんだそうですってよ奥様。6分以上あってマジクソ尺長いけどまあアルバムのクライマックスナンバーだからそれくらいあっても全然いいっしょ。でもサードアルバムはこの曲が全曲締めるみたいな勢いだから最悪なんだ。曲は別に悪くないってか普通にいいんだけど入ってる曲全部この「スライド・アウェイ」みたいにクソ長い感じのアルバムがオアシスのサードアルバム『ビィ・ヒア・ナウ』だ。オアシスのファンになってから一番最後に聴くアルバムにした方がいいサードアルバムは。でもあのアルバムはセカンドアルバムが良すぎたせいで滅茶苦茶売れてしまったのがオアシスの不幸だ。最初が良すぎたってのが逆にオアシスの不幸なんだ。ということでつまるところがこのファーストアルバムは最高だってことで。
完
11曲目「マリード・ウィズ・チルドレン」
このアルバムのクロージングナンバー! 唯一のアコースティックテイスト! グッバイ! アイムゴーイングホーム!
以上
そんなに書くことがなくなってきて後半足早に過ぎ去った感のあるオアシスの最高のファーストアルバム『Definitely Maybe』の話だったのだが。どうだい? すごく聴きたくなっただろう? その感覚、間違ってないよ。
とにかくこのアルバムの登場を機にスウェードだのブラーだのが水面下で行なっていた「アメ公文化なんかクソだ! 英国文化万歳!」みたいなやつが一気に表面化、イギリスのロックンロール、だけでなくポップカルチャーの全てが半端ないリバイバル効果をみせ「ブリットポップ」と呼ばれる一大ロックムーブメントに至る、という流れらしい。ここ日本でもイギリスカルチャー売れまくり、90年代初頭のお洒落着といえばジャージってのも元を正せばブリットポップといっても過言じゃあない。
90年代から一気に盛り上がりを見せるアメリカのヒップホップとかも関係してるのかもだけども。しらんファッション詳しくない。
とにかくおらいはブリットポップの頃のファッションがちょー好きだ。とってもかっこい。最近は日本が90年代リバイバルで沢山この頃みたいな服が売っててホクホクだ。全然買ってないけどウインドーショッピングが捗る。
音楽的にもブリットポップが一番好きな気すらするわ。ブリットポップってどういう音楽って言われてもひとつの答えはないけど「イギリス!」って感じのやつってだけ覚えとけばオッケー。イギリス音楽最高! みたいな。
でも結局アメリカでも売れたのはオアシスだけだったみたいだから世界規模のムーブメントにはならなかったみたいだけどイギリス最後のロックムーブメントなのはまちがいないくさいよね。そしてそれが終わってからもう20年以上経ってるくさい。なんて悲しいお話なんだ!
イギリスロックムーブメントよもう一度! ギリギリリアルタイムじゃないのよーん私。仕方ないから昔のロックバンドの音楽を聴いていよう。あー楽しいあー楽しい。
つーことで今日はここまでだ。最後に貼ってもらうユーチューブ映像はやっぱビートルズの「アイアム・ザ・ウォルラス」のオアシス・カバー・バージョンかな。95年のロンドン公演で偽ビートルズとやってるやつとか最高だ。初期オアシスはこの曲を必ずライブの最後に演奏していたらしい。ノエルがどっかで「この曲こそがオアシスのやりたいこと全部」みたいなこと言ってたよーな言ってなかったよーな。
このファーストアルバムってビートルズ色薄いって言われてるけどこれのオアシスカバー聴くとなんかビートルズの影響受けてます!ってのも納得できるよね。もうオアシスのオリジナルみたいに聴こえるほどに超似合ってるもの。オアシスもビートルズも最高!
つーことでじゃあな
次回はまた日本のロックンロールバンドの話かな、多分。
Oasis – I am the Walrus (live, Berlin 2002)