音楽・ロックンロールのWEBマガジン
Rock is(ロックイズ)

THE BOHEMIANSの平田ぱんだがロックンロールのレコードを紹介するコーナーです。

平田ぱんだのロックンロールの話

2019/4/3

第40話:ザ・ハイロウズ『THE HIGH-LOWS』(前編)

ついに、ついに書くのか語るのか俺は、いわゆる世界一に関わる話を
20世紀最大の発見にして発明である

「ロックンロール」

それの表現方法、つまるところがツールとして今なお最も人々の間で機能していると言われている

「ロックンロールバンド」

その究極の体現を成した伝説についての話を 、
ついに、述べてしまう時がきたのかぁぁぁっ!!!?

これは人によっちゃあ罪だ
だが積み立ててきたはずだあくまでも俺なりにだがロックンロールにまつわる何かを
そろそろ語っても許される頃だろう
さあ勇気を出そう
どうかあなたは期待と覚悟だけを携えて読んでくださいここからの文を

つーことで
第37回平田ぱんだのロックンロールの話
今回紹介するロックンロールファーストアルバムは、

コイツだ!

ザ・ハイロウズの『THE HIGH-LOWS』

だ!!!

ロックンロール!
まず書くことはこれしかないよ!
ロックンロール!
何度書いても転げても飽きが見えないこのワード!
超スピード!
ドープビート!
猛リピート!
高次元の!
言わば、ロングヒント!
そのはじまりよー!

さてさてさてさて、
どこから話せばいいものか一体俺は
ハイロウズについて、ロックンロールバンドについて、そしてロックンロールについて、、
お前なら、どうする?
、、どうする?

ザ・ハイロウズ!
少年の時分の僕に生き方を教えてくれた人生最大のヒント
完璧なきっかけと新たな幕開け
思えばあれはただの扉だったな
だが一度開けたら中身はこんなだったんだ!
完全にどの角度からも嵐!

一体何を書いているんだ俺は?
絶対にどうかしている
だが知ってるのさ
とっくにどうにかなってしまっていたってことくらいは!
ロックンロールのせいなんだ!
ハイロウズのせいなんだ !
ロックンロール=ハイロウズ!
わかってたまるか!
ずっとハイロウズのせいなんだ!
ロックンロール=ハイロウズ!
全部ハイロウズが悪いんだ!
ロックンロール=ハイロウズ!
胸がドキドキどころじゃねえよこんなもんは!
心臓そのものレベルで俺と君を突き動かすあんなタチの悪いウェーブ!
その全てが思い出と未来への期待が同じ速度で俺たちのケツの穴に入り込んでくる名物!
もうだめだ
じきに俺は俺じゃなくなるだろう
当たり前の話よ!
おおラッキー!!!

ああ、わかってるさ、このままじゃラチがあかない ってことくらいは
ここはどうにか、ひとつハイロウズを知らないみんなさんにたった1ミリだとしても魅力を伝えるべく切磋琢磨、せめてものきっかけにでもなればとすがってみるか

「ザ・ハイロウズのテーマ」の歌詞に

これはデビュー当時はファーストシングルのカップリングというかCD媒体特有のシークレットトラックでしか聴けなかったナンバーなわけだが
なぜかそれがファーストアルバムでは歌詞カードにだけは登場するんだ
そしていつのまにか自然発生的にハイロウズマニアの間での定番コールへと化したあのハイパーフレーズ「ゴー! ハイロウズ ゴー!」が登場する伝説の曲でもありなんだかんだでマスタピースってほどでないけど重要なはず
まあ「テーマ」と名付けてるくらいだからここにハイロウズを語るための教えが間違いなく散りばめられているはずだ、と信じてすすめるぜ

えー
「ザ・ハイロウズのテーマ」

歌詞を、
まず読もうか
まずは
こうだ

「ウィーアーザハイロウズ!」
と合唱スタイルで名乗る(基本的にこの曲は合唱だ、合間に各メンバーがマイクをとり自己紹介のバースをかます、というまるでヒップホップさながらなナンバーでもあるな、あとさらに無駄に転調もしたりもするぜ、まったくとんでもない話もあったもんだ)

からの

「空を飛ぶ」

おお、
いきなりか
いきなり空か
もうそこまでいってるのか
出会い頭にまず空か
パネエな
まずは見上げることからってことかあ?
まあきっと何事もそっからだよなあたしかに

で次にくる歌詞は

「足速い」

ときたもんだ
空を見上げていたらなんと次に足にまつわる話を急遽ぶっこんでくるとはな
つまり地上と空の両方に意識がここでむくって訳で
まったく忙しい話もあったもんだぜ!
ここで「ロックンロールは=忙しい」が定義づけられても何もおかしな話じゃない

んで?

「肌キレイ」

ときたか
マジか、そこか、だがたしかに肌はその人をあらわす全てだ
おっぱいだろうがちんぽこだろうがよーするはただの肌じゃないか
あれ? ちんぽこは一部粘膜だったかな?
Yahoo!知恵袋で調べよう
皮膚だそうです
まあそんな話はいいや
俺たちはつまり所詮はただ単にたかがただの肌をみて好きだ嫌いだとのたまっているってことだ
肌キレイか、、なるほど、重要かな

ほいで

「いい匂い」

軽視されがちだが匂いはでかいぜえ?
だってどんな美女でもイケメンでも臭くちゃ終わりさ
だから風呂に入り忘れ続けてる野郎は二度と俺の前に姿をあらわすな
いいな!
逆にいうとどんなにブスでもブサイクでもいい匂いなら勝ちなのさ
ほらカレーライスとかさ、全然イケメンとかじゃないどころかまるで人糞みたいに色が茶色だし米の部分だってみようのよっちゃあ虫の卵の集合体みたいじゃないかい?
キッモ!
よくみるとカレーライスきんも!
でもいい匂いじゃん?
だから僕らはバクバク食って
こんなに元気です!
ってな
サンキューカレーライス!

からの

「髪黒い」

日本の誇り! 髪の黒さ! 君の憧れの欧米の奴らなんか黒く染めてる時があるくらいさ!
髪の黒さってんなら黒人にだって負けねえぜ? むしろ黒人なんてなんのその、これはまさにジャパンのソウル部分か?
黒人ばりの黒いグルーヴ、たしかに憧れるな、だがなベイベー思い出せ
俺たちはとっくにもっと黒い!
間違いなく髪くらいは黒い!
自信を持とうぜ!
つーことで日本人のくせに黒い以外に髪染めてるやつチャラケはしね
つまりそれは僕です
染めてますっていうか色抜いてます
あーあ
だけれども
僕は死にません!
あなたが好きだから!

そして

「外国人」

そりゃそうだ!
おれたちはひとり残らず外国人さ!
外国人ってのは何も白人や黒人や中国人のことを言うんじゃないないんだぜえ?
俺たち日本人だって普通に外国人なんだ
つまり世界は外国人のみでなりたっている
仮に世界統一政府が確立されたって多分変わらないはずさ
同じ外国人同士、分かり合えないはずがない
いつの日か、そういつの日か、分かち合おうとまずここに記そう

で言うに事欠いて

「ナベ囲む」

たしかにナベ囲まねえでどうするって話だ
唾液まみれの各々の箸持ち寄って互いのエキス交換し合おうぜ
彼や君の唾液が時に最高のスパイス!
一応聞くけど君って病気?
かまへんかまへん!
僕は死にません!
あなたが好きだから!

ラスト!

「火に弱い」

つーか火に強い奴なんか会ったことある?
火強かったら多分そいつ火そのものでしょ
火そのものみたいな奴、憧れるけどちょっと仲良くはできないかなあ
だってめちゃくちゃ仲良くなってさあ「ファックしようよ!」ってなってもできないじゃん? 火とはさ
だって燃えるもん
最悪焼け死ぬもん
よかったよ俺たち全員火に弱くて
絶対仲良くなれるよ
将来僕のケツの処女奪うのはもしかしたら君かも!?
なんて話も

以上だ
どうよこの圧倒的普遍歌は!
この世の理をまとめあげた至言の歌詞の数々に君はもうタジタジなんだろう!?
なるほど「ザ・ハイロウズのテーマ」か、その題に偽りなしだ
生きる意味につながる教えの数々が散りばめられているじゃないか
まさに教典状態
勿論ロックンロールの教典!
底知れぬ可能性!
ザ・ハイロウズ!
もうほぼ無限!

さて終わるか
これほど書いたんだ
もういいだろベイベー
伝わるとこには伝わったはずさ
あえて断言するよ、もう君はハイロウズのファーストアルバムを聴くまでもなく理解に届いていると!
うほ!
感動的!

だがこれだけで済ましたら僕のファンが寂しがる
おお多くの理解者たちよ、それ以上は野暮だぜ、とおっしゃるあなたの想いはもうとっくにここまで届いてる、が、あえての蛇足をどうか許してくれ
何故ならばロックンロールにはそんな蛇足こそが最大の効果を発揮、なんてことも珍しくないからだ
そしてプラスサービス精神でいってみようか
愛ゆえに!
つーことでここからは最悪永遠を感じさせるほどの蛇足を延々とかます

好きな人だけ読んでください

つーことでじゃあ、なんだ?
やっぱファーストアルバムの1曲目から順に礼儀正しくおってそれに付随する俺の脳内から溢れ出て垂れまくる弁でもたれますか?
まあ、それもよかろう
今回も長くなりそうだぜ
まったく

1曲目!

「グッドバイ」

真島昌利作詞作曲!

ロックンロールバンドにとってファーストアルバムの1曲目とはとっても大事なんだ
なぜならばそれがバンドの意思と態度を示すことにつながるからだ
ハイロウズがファーストアルバムに選んだ1曲目がこれだったということは、誰がなんと言おうとどう聴いたって完全なブルーハーツへまつわるものへの決別を示したってことに違いないってわけさ

ブルーハーツというバンドの姿勢そのものがおそらくは既存の日本のロックバンドへのアンチ体制姿勢だったわけだが、そのあまりの裏の裏の裏をついたスタイルが結果滅茶苦茶わかりやすい表になってしまったため馬鹿を沢山引き連れるなんてことにも繋がってしまった
それがきっと初期ブルーハーツ
「せいぜい『TRAIN-TRAIN』くらいまでの初期ブルーハーツしか好きじゃない」
ていう俺よりもまあまあけっこー年上の人って本当に昔は沢山いて実際何度も遭遇したことがあるんだけども全員ビックリするくらい決まって初期のしか聴いてねえの
そのくせなぜだか知らないが自信満々でハイロウズはダメだと仰る
ちゃんと聴いたならまだしもさ
ブルーハーツブームにたまたまのれただけのカスのくせにさ
「ただそこにいただけのマヌケが偉そうに語んなクソが 」
ってよく思ってました
たった3人くらいをまるで300人に出会ったくらいのレベルでだーいぶ大げさに書いてみるとみたいな話なんですけれどもね
しかもすっごく若い頃にね!
すっごく若い頃に思ったことなんだから仕方がないよね!
勿論、今はそんなこと微塵も思ってませんよ!
信じて!
あの時君は若かった
お互いに

そんな感じで初期の頃とかはヒロトとかも今と違ってわりとインタビューとかでたまに強いこと言ったりしたりしてるけどどっかで「ブルーハーツのこと本当にわかってる奴なんて日本に5人くらいしかいない」なんてこともはっきりと言ってたりしてたみたいだ
表われてるよね少しばかりの憤り
そんな感じで中期ブルーハーツはあきらかな路線変更をみせはじめる
サードアルバムから始まってるけど
パンク色薄めてブルース強めにしてきたりスローナンバー多めにしたり歌詞もそれまでの勘違いの共感を得てしまう歌詞を捨てて極端なやつになると「円周率をひたすら言い続ける曲」とか発表したりあきらかに突き放しにかかってる
そんな感じで争ったあとはみうけられるがダメなんだよなあやっぱ名前がブルーハーツだから
ブルーハーツである以上初期のイメージからは逃れられない残念ながら
ブルーハーツがブルーハーツの中でウダウダやったってブルーハーツ期待されて終わり
5枚目のハイキックスなんかブルーハーツに期待するこの世の一体誰が喜ぶのかわからないくらいあきらかにすべってる
初めて買ったブルーハーツのオリジナルアルバムそれだったから失敗したって思った思い出が今でも残ってる
ほいで最後に全てをあきらめたかのように開き直った発売日は別々といえどもほぼ2枚組アルバムであり事実上のラストアルバムである『STICK OUT』と『DUG OUT』を発表する
このアルバム聴いてまだブルーハーツは初期しかよくないとかぬかすんなら普通に死んで欲しいと思ってるくらい最高のアルバムだ
当初の予定通り2枚組で出して欲しかったほど最高の2枚で1枚だ
最後にきっちり傑作作ってちゃんと終わったバンドはビートルズとブルーハーツ以外いない(思い出したから書き付け加えるとゆらゆら帝国!まあもっともっと絶対いるわな思い出せないだけにせよ知らないだけにせよ)

ブルーハーツはその後に8枚目の『PAN』っていうクソみたいなアルバム残してるけどあれは契約消化上仕方なく出したアルバムだからカウントする人は誰もいない
ブルーハーツって名義になってるってだけでメンバーの各自のソロ曲を集めただけのアルバムだし
勿論レコーディングも完全に別々のツテでやってるみたい
ヒロトだけヒューストンズっていうその時やってるバンドでガッツリで参加してるね
一応ブルーハーツ名義のアルバムなのに「ウィーアーザヒューストンズ!」って歌ってる曲をあえて入れてるのがいいよね
流石だよね
そうそうそうそうこのヒューストンズがまたかっこいいんだよな
その話するかついでだから

ブルーハーツは93年に事実上のラストアルバム出して94年に凸凹ツアーやって活動休止しててそのあとマーシーが4枚目のソロアルバム『人にはそれぞれ事情がある』を発表(最高のタイトルだ! 現存するロックアルバムの中でもこれほど心に刺さるワードを連ねたタイトルは簡単には思い浮かばない! このタイミングでこのタイトルをぶっこんだマーシーはやっぱ天才だ! 好きだ! 好きすぎる、マーシーは最高の男だ! これから先も生きていく限りはこのフレーズを乱用していくことだろう僕は! なぜならば人にはそれぞれ事情があるからだ! がっつり真理!ラ ブ!)
ほいで元旦に急にベストアルバムリリースして、からのこのヒロトの名目上期間限定の新バンドヒューストンズが急遽登場!
レパートリーの中にはブルーハーツの頃にライブで披露されていたのに音源化されてないあれやこれやをガッツリやってたりヒロトのロックンロールへの目覚めナンバーとして有名なマンフレッド・マンのあれの日本語カバーでやってたり完全なヒューストンズでしかやってないオリジナル曲が多数っていうか、しかもかなりちゃんとしたスタジオでのdemo音源が残りまくってるときたもんだ
勿論その全ては公式リリースされてないけどこの便利なインターネット時代じゃ余裕でききまくれる
普通にアルバム1枚分以上ある
しかもどれ聴いてもラブなのよ
中期以降ハイロウズ先駆け感すらあるほどにいい
ヒロトマニアは聴かなきゃ損損
中でも人気の高い「呼んでくれ」とか近年インディーズ映画かなんかの主題歌なったりしてたよね、たしか
いやーもうほんと普通に公式音源リリースしてくれればよかったのにどっかの機会に!
そしたらこのなけなしの金払うのに!
まあいらねえかいまさら金なんかヒロトは
それに何よりハイロウズがはじまっちまったんだからなあ
仕方ないよなあ
だってハイロウズの方が遥かにいいんだもんなあ
この世界に生きる全員がマーシーとヒロトが一緒の方がいいんだものなあ
恐らくそれに勝るものはない
ハイロウズなかったらふたりの伝説が途切れてたかもしんないだなんてなんて恐ろしい話だ
ああハイロウズがいてくれてほんとよかった
俺とか君は特にな
そう思わないか?

本当は最初は全然また一緒にやる気はなかったってんだから怖いよね
でもマーシーが新しいバンドはじめる気らしいってんでどっかのスタジオでリハーサル(?)かなんかしてるとこになんか普通にそこら界隈の友達がただ単にたまってただけの中にたまたまヒロトも普通に友達としていて、でフェイセズかなんかの曲をバンドがリハってたんだけど誰が歌ってもなんかしっくりこないから「そこのヒロト君せっかくだから久しぶりにちょっとバンドで歌ってみないかね?」ってうたわせてみたらやっぱ他と全然違くて「やっぱ売れてるバンドのボーカルだった人は一味違いますなあー」なんつってそんな流れでハイロウズのボーカルはヒロトに決定! みたいになったって話どっかでいってたもんなあ
その時マーシーが「まいったなーまたこの人とバンドやっちゃったら前のブルーハーツとめちゃくちゃ比べられちゃうよーめんどくせーでもまあいっかーあっはっはっはっはー」っていったかどうかは知らないが
そもそもどこまでほんとか知らないし
なんにしてもよかったよね! その時たまたまヒロトがそこにいてくれて!
だってハイロウズが世界で一番かっこいいロックンロールバンドだからね!

あれ以上ないもん、少なくともこの僕にとっては
なにぃ? ビートルズだあ?
ああ、たしかに! 超かっこいい!
だがあのバンドはダメだ
何故ならば甲本ヒロトがいねえからな!
やっぱロックバンドはビシッと中央にボーカルがマイク1本で陣取って大騒ぎしてくんねえとな!
なにぃ? じゃあローリングストーンズだあ?
ああ、たしかに! 超かっこいい!
だがなあいつらじゃだめだ
まずイギリス人だ
日本人じゃねえ
つまり日本語で歌えねえ
惜しい!
あととにかくストーンズは色々とかっちりしてねえ し
時にかっちり時にゆらゆらで日本語のハイロウズの勝ち!
じゃあミックVSヒロト?
ヒロト一択!
よ! 世界一!
そんなヒロトにがっつり並び立つことができる男なんざこの世にはひとりしかいない! マーシー! 真島昌利だ!
キースもいいがマーシーはもっとだな!
ジャガーとリチャーズよりもずっと織り成す黄金の光景!
ふたりがただそこに並んで立っていることがまるで当たり前のように見えるほどの奇跡!
もう人類始まって以来の!
そしてこれが大げさに語れば語るほどに輝いてきやがるんでい!
めっちゃ眩しいからこれ以上讃えるのやめよ!

ええ? じゃあ上記のヒロトマーシーの二人がいればあとのメンバーは誰でもいいだってえ?
ノンノンノン
そこはしっかり黄金を支える面子揃ってますって!

まずは、キーボード! 白井幹夫氏!
メンバー最年長の、謎のおじさん!
でもその鍵盤テクはどう聴いたってロックンロールそのもの!
絶対ピアノ教室で習って得たプレイじゃない! ということがどんなロックンロールドシロートが聴いたってわかるくらいだぜ!
完全に、かんっぜんにロールしている!
ジャパニーズナンバーワンロックンロールキーボードとは彼のこと!
彼のようにロックンロールの最低条件はガッコーで習ってないことなんだ
なぜならばロックンロールはいつだってはじめから気づいていたことの確認現象だからだ
「やっぱりそうだったんだ!」って思うあの瞬間こそがロックンロールバンドやる醍醐味のひとつだ
白井幹夫氏のそのドレミの音選びはほんとそのまま僕らの人生の選択に軽く関わってくるよな!
そしてあの深い連打ときたら!
これ以上ないハーモニーがハイロウズの根幹とも言うべき調べとなり勝手に支配されること請け合い!
すげー! てめー! やりやがったなー! 俺! 興奮してらー!

からのなんだかんだいったってロックンロールに最も必要なのはビートだよなあ?
そこはお任せあれ!
ドラマー! ケンジオオシマ!
大島賢治氏がきたからにゃあもう安心よ
踊りたい放題よ
リズミカルの心配をする夜は終わった
完全にこの夜に朝がきた
目覚める必要がなくなってしまったってわけさ!
まことに野暮な話だがそのわけを探そうか?
まずは彼は一番背が高い
つまり誰よりも面積が大きいはずだ
これは物理的にバンドの根本を支えるために普通に考えて必要な要素だ
かつてドラマーはデブが多いと言われてきたが
当然のことわりだ
ロックンロールのエネルギーを一手に引き受ける、もしくはその始まりとなる役割はいつだってドラマーだからだ
最もミスが許されないポジションであるドラマーは、できれば誰よりも大きくなければならなかったはずだ
何も太れといっているわけではないがな、ほかのみんなよりもちょっと背が高ければあとはドラムのスキルを磨ききれば完璧だってだけの話だ
ちなみに僕の所属バンドのドラマーもメンバーの中で一番背が高いじゃないか!
ご、ご、ご、ご、ご、合格!
まったくいいドラマーに恵まれたもんだぜ!
そして集団の中で一番物理的にデカイ人ってのは決まって優しいんだ
それは余裕ゆえにか? どうかはしらないが
考えてみりゃドラえもんのあのジャイアンですら映画じゃ超いい奴だもんな
デカイ人はみんな優しい! そして激しい!
だから身を寄せやすい踊りやすい!
いいからさっさとのれ踊れ!

そしてそんなドラマーとコンビを組む屋台骨最後のひとりはベース調先人氏だ!
カタカナ英語読みはサキトシラベ!
漢字一発変換にはちょいと難しい名前だな
つまりもう名前から不良ってことだ
そう、調先人氏はメンバーで一番不良を感じる
あの頃の僕の体感を信じて話すならな
それは12年も前の2007年ごろの話だ
地元山形でその当時元ブルーハーツのドラマー梶さんと白井幹夫氏で組んでたTHE BIG HIPってバンドとハイロウズ活動休止後に大島賢治氏と調先人氏がやりはじめたセルキーってバンドの前座でボヘミアンズがやったことがあった時の話だ
その時はもうこれ幸いと隙をみては各メンバーにサインをねだりまくりにいったもんだが、その時に対面して体感で一番怖かったのがこの調先人氏だったな
「あ! この人不良だ!」って思ったもん
別になんもされてないけど
めっちゃ丁寧にサイン書いてもらえたけど
でもなんか感覚でね
なんとなくだから間違ってたらすみませんだけど
「そういえば福岡出身のはずだから間違いない! きっとこの人はいわゆる北九州の不良の人にちがいない!」
と偏りきったことを思ったことは強く覚えてるね
たしかに、このファーストアルバムの歌詞カードの中の写真もよく見ると最もメンチをきっておられる
そうだな、考えてみればエレキベースってのはそもそもバンドで一番不健全なやたら低い音を出すという意味において完全に不良の楽器だしな
まちがいない
やっぱベーシストは不良に限る!
という極端な意見へ走る!
その方が説得力がみなぎる!
なんて話も

ふむふむつまりハイロウズはまずリズム隊が大島氏のそのデカイ優しみテクニカル不良ドラムと調氏の地震爆裂サンダー不良低音で攻めてくるところが最高なんだってことかい?
ほほう、それは素晴らしいことだね
不良ってとこが特に気に入っているね
僕自身はどちらかというと大人しいオタク系のマンだけどやっぱロックンロールは不良がやってほしいってのがいつだって心のどっかにあるからね
十代の不良が憧れてはじめてかっこつけてそれをみてオタクの奴らも拳上げて、じゃあ!っつって新しい気づきにのっとったスタイルを提示してみたいにして生まれる連続に心踊らしたい派閥にずっと属してる
やっぱ王道な不良サウンドが中央にでんとかまえて鳴っててくれないと僕らみたいなチャラいモヤシバンドも所謂カウンターな感じで輝けないなんて話もあるにはあるぜ
自慢じゃないけど僕ら全然不良じゃないんで
ハイロウズってのはそういうロックンロールの持つ不良性の提示を恐れなかったバンドでもあるよな
そこがブルーハーツとは違う
ブルーハーツってのは意外にも幾度もの話し合いを重ねて「アイツらはああやってるから俺たちはあれはやらない」って感じで答えを絞りに絞って導き出した結果のあの形バンドらしいからな
「ロックンロールといえばこれ!」みたいな安易な行為に全面的に反発したバンド、それがブルーハーツだったってことは間違いないはずだ
その否定の中には勿論きっとその「ロックンロール=不良」もあったはずさ
だがハイロウズをはじめるにあたって最も反抗しなければならなかった対象はブルーハーツだったことも事実
正確にいうと初期ブルーハーツか
とにかくブルーハーツっては本人たちの手をあまりにも離れすぎた

ブルーハーツ、特に初期ブルーハーツは現在の俺の認識にまで余裕で影響与えるくらい世の中に受け入れられまくってしまったバンドだからその中心人物のふたりが再びブルーハーツの解散宣言から半年と待たずにこの新しいバンドのファーストアルバムを出すってからにはこの1曲目の「グッドバイ」くらい強い姿勢を示さねばならなかったってわけだ
「さよならする、ダサい奴らと!」のラインは歌詞カードには載せてないけど誤解を恐れない決意を感じずにはいられないぜ
はっきりと不良だぜ
しかもギターのリフが完全にT-REXときたもんだ
それは70年代に活躍したイギリスのグラムロックの覇者の名だが
そのあんまし有名じゃない人気なくなってからのアルバムの1曲目からのギターリフの拝借
有名な曲だったらウフフで済むけど特に有名じゃないナンバーからってけっこーきわどいよね
でもご安心あれ、ほかの奴らならともかくマーシーは許されるんだ
パクリ、オマージュ、リスペクト、表現はなんでもいいが、こういうのってのはいつだって怒られる人と怒られない人がいるんだ
なんにしてもそうだよ、学校でも同じことしてるのに先生から怒られないやつと怒られるやつってはっきり分かれてたじゃん?
同じ内容のギャグひとつとってみてもバカウケできる奴とスベり倒す奴ってはっきりと別れるしさ
音楽のパクリオマージュリスペクト分野も完全にそうさ
糾弾されるされないはそこに愛があるかどうかとかチャチな話ではなく単純に「許されるか許されないか」でしかない
B’zやオレンジレンジがやって怒られることだとしても
ハイロウズや毛皮のマリーズは決して怒られない
知名度の差?
いや普通にちがうかな
ロックンロールって結局人間力でしかないからだな
笑えるか笑えないかなんだ結局は
でもさ、ここで一応言っとくけどロックンロールの先達たちがそれをやりまくってるからって自分もそういうオマージュパクリをやるのがロックンロールだっつってやるのは絶対違うと思うよ
むしろそんなとこ真似で率先としてやる着眼点の時点で才能ねえから今すぐやめたほうがいいバンドごと
まずは自分見極めてからやった方がいいぜと偉そうに忠告しておくぜ
え? お前の所属バンドはどうだって?
うーん、この目に頼って話すならビートりょうだけかなそれをやって許されるのは今んとこ
ギターのビートりょうはやってもギリいける
かなり純だしね彼
僕? 僕はなー、許されない側だと思ってるかな自己分析では
先生に怒られまくるタイプだったしさ子供の頃は
これから先にも以前にもボヘミアンズがパクリ云々で糾弾されることがあったとしたらそれはきっと歌ってる人のせいだろうな
ボヘミアンズのファーストアルバムの1曲目の「おおスザンナ」もイントロにリバティーンズのフレーズ使っただけでネットで悲しいくらい叩かれたもんなあ
あれはきっと僕のせいだよ
許される奴が歌ってたら許されてたよきっと
許されなくて残念
つーことで「平田ぱんだ死ね 」とだけ思っておいてくれればオッケー
ラブ

2曲目!

「ママミルク」

作詞作曲真島昌利

いわゆるディドリービートのブルースセッション系ナンバー!
そうだハイロウズは不良なんだ
一体何人がそれに気づいてる?
だから当然サウンドスタイルはブルースカラー多めだ
なぜならば真の不良のやる音楽はいつだってブルースと相場が決まっているからだ
逆にいやあ不良じゃなきゃブルースは無理だ
ブルースやっても様にならねえ似合わねえロックンロールバンドのなんと哀れなことか
今時のバンドは大体そんな感じだな
お前の所属バンドもあんましやらねえじゃねえかってか?
うむ、そうだな、でももちろん好きなんだぜ?
でも好きだけど多分やっても、似合わないのかなあ
せいぜいブルースごっこが関の山か
単純に不良じゃないからなあ僕ら
絶対にブルースは不良だからな
それ以外が成り立つことも時にあるかもしんないけど
かっこいいかどうかは別れるかな
あとブルースは結局は歌だしな
ギターやハープがフィーチャーされがちだけどブルースってのは結局は歌だからな
シンガーがブルースじゃないロックバンドはナヨナヨでモヤシな英国スタイルにどうにか活路を見出すしかないのかもな
ヤードバーズとかは声がまったくブルースめいてないけどなんとかなるようになっているじゃないか
まあ俺は絶対に似合わないし別に過去にも今にもそんなにブルースやりたいって気持ちないから関係ないけど

まあとにかくハイロウズはまずシンガーがブルースだ
ギターのマーシーの方がわかりやすいブルース色の強い声をしているがやっぱりヒロトの方がブルースなんだ
なぜならばマーシーよりも声が大きいからだ
ブルースに限らず声が大きいということは重要だ
ブルースだろうがなんだろうがまずは声がでかくないとこの世界をリードするときにお話にならない
だが甲本ヒロトの声は、間違いなくでかい
僕の地元田舎山形まで余裕で距離と時を超えて届いたくらいにはね

例えばこんな話がある
昔日本でブルースフェスみたいなやった時にその日出演の海外のブルースマン達と日本のブルースマン達の間にしかれた圧倒的な差は単純な声のでかさだったらしい
だが日本勢で唯一甲本ヒロトだけが海外のブルースマンに声のデカさで負けていなかったらしい

どっかの古雑誌の片隅の思い出記事を記した文を眼にしたことがある
なんにしてもなんだか誉れ高い話ではないか
嬉しいなあと思うだけでとりあえずけっこう

あとヒロトはブルースハープも日本で一番かっこいいよな
僕もヒロトに憧れてブルースハープを習得しようと思ったけど単純に自分のよだれが嫌いだから断念したほどあれはかっこいいと思っているよ
口を使わなきゃいけない楽器は嫌いだが40歳くらいになったら自分でもやってみようと思っているよ
そう今決めた
という感じで自分の話が入ってくることがあるのはこの文をあくまでもボヘミアンズの平田ぱんだのものとして読んでくれている人への単純なファンサービスであり、単純にハイロウズのことを書いているからだ

ハイロウズはロックンロールバンドそのもので生き方の全てに関わっている
ハイロウズがいなかったら何もかも違かったはずだ
でも別に地元山形にいた頃勿論頻繁にライブとか行ってたわけじゃないよ?
山形に住んでたら普通ライブなんか行かないし
そもそもそんなやってないし
山形のライブハウス埋めるなんて夢みたいな話さ
東京に例えて話すなら最低でも日本武道館は埋めたことがないと厳しいかな
そんな感じの環境だったもんだから少年の頃の僕はなんとなくの想像でロックのライブなんか人いっぱいでめんどくさいだろうし絶対CDより歌も演奏も下手くそになるものになんでCDより高い金払って見に行くんだろうってマジで思ってた
だからライブ盤とかほんとマジクソ意味不明だったもん
あと単純に金がなかったよね
ライブに行くという発想自体もなかった
行ったことはあったよ?
でも誘われてやっとって感じだったな
だから高校生の時に行ったライブはニトロ・マイクロフォン・アンダーグラウンドとピロウズだけだ
そんな感じでやっと初めてみたハイロウズって自分である程度金稼げるようになって好きなものに好きに使えるようになってからだよね
ロックンロールは十代のものって世間的になってるけど俺にとっちゃ20代のものだ基本的に
だから初ハイロウズは白井さんが抜けたあとすぐのサマーソニック03での4人体制のハイロウズだったね
基本ロックのライブを舐めてたからサンダルで前行ってものすごい後悔した記憶がすげーあるよ

ほいでその時の1曲目がこの「ママミルク」だったのね
「え? ママミルクでもうこんなみんな激しくのるの? マジで?」って思った記憶がある
「1曲目がママミルクってすげえ渋いな選曲」っても思ったな
でもあれって今にして思えば理由があるんだよなちゃんと
フェスって基本的にちゃんとしたサウンドチェックとかのリハの時間とかないからほとんどのバンドはぶっつけ本番でやらなきゃいけないんだ
だから1曲目は基本本人たちのためのサウンドチェックとかのために当てるんだよ
そう考えるとママミルクってそれぞれの楽器の音のチェックのためにすげー最適な曲だもんな
そんな感じでロックンロールバンドって意外と合理的だからな
ハイロウズじゃないけどヒロトマーシー関連で話すならクロマニヨンズはアラバキ・ロック・フェスティバルで一緒になった時にステージ横で観客ならではの楽しみ一切かなぐり捨てて一回だけガチで勉強モードで観戦したことあるんだけどすっげえ合理的の数々だったもん
「ロックンロールは無駄を削ぎ落としまくっためっちゃくちゃ合理的なものなんだな!」って勝手になった
その時の気づきのどれがどうだったとかの具体的な説明はここじゃ絶対言わないしっていうか全てが勘違いで完全に間違っていたとしたら信じらんないほど恥ずかしいから絶対に墓場まで持ってく秘密にしとくけどね
でもあれは前からみてるだけじゃ絶対気づかない事柄の数々だったから一回袖でみといてよかった
けど一回見たからもういいや
だってステージ横なんて演者自体はたしかにすぐ近くで見れるけど音的には超クソだもんな
絶対客側から見た方がいいわって思ったってかずっとそうするわ
そんな感じでフェスだと「ママミルク」が1曲目率高かったらしいよって話

ちなみフェスで軽いサウンドチェックのために専属スタッフがいない売れてないバンドが出番前に軽くメンバー総出で出てきて中音の確認とかのために1曲演奏とかするパターンとかあるけどあれ俺基本反対派ね
だって馬鹿みたいじゃん一回演奏して下がって登場SEかけて今初めて出てきました! みたいにしてやるってマジで
俺ファンだったら絶対やらないで欲しいって思うもん
目当てで行ったバンドは登場からしっかりかっこつけて僕を喜ばせて欲しいもの
高い金払って見に行ったメンバーがフワッと目の前に登場するなんてなんかすげえ損した気分になるよ
ってな感じのメール投稿がピロウズの山中さわお氏のポッドキャストにあった時にさわおさんが
「俺もボーイケンとは同意見。あれってなんかやらなきゃいけないって勘違いしてやってる若手いっぱいいるみたいだけど普通に馬鹿。単純にかっこ悪いという意味でデメリットの方が多い。ロックバンド的には絶対よろしくないし少なくとも俺は絶対にやらない。もしもあれやらなきゃできないってんならこーこーこーいう理由でPAもバンドも今すぐやめちまえ」
って俺なりの解釈で要約してここに記すとだけど仰ってたことがあった
昔からずっと思ってたことをようやく信頼できる成人男性に公共の電波でハッキリと言ってもらえて胸がスーッとしたという理由で俺もうあれやんないからよろ
サーキットイベントとかでライブハウスに幕があって姿は見えませんよってな場合のみ付き合いでやってる
ああ、そうそうサーキットイベントでこれに付き合ってえらいめにあったことがあるんだわ下北沢でって思い出の話をめちゃくちゃ書きたいんだけどかなり長くなるからいつかの日にするわ
とにかくロックンロールなんてかっこつけてなんぼだ
舐められたらおしまいだ
そうならないように合理的にことを進めるのだ

この「ママミルク」はバンドメンバー全員がそれぞれやるべきことをやり、それぞれでかっこつけて、別次元の威力を生み出している、正にハイロウズそのものを表わしているといいだろう
男としては何としてもかっこいいと言わねばならぬハイロウズ最重要ナンバーの北極
極まっている極まっている極まっているウゥぅ!!!
ちなみヒロトも都度都度ほうぼうでそのめくるめく感動絵図の様相を語り散らしているローリングストーンズの超定番超尺オリジナルブルースナンバー「ミッドナイト・ランブラー」をこの「ママミルク」で目指す夜が度々あったほどらしく最長ではなんと15ミニッツまでいったとかなんとか
ブルーズ!
不良だぜ

3曲目!

「ミサイルマン」

ファーストアルバムと同時発売のファーストシングル
つまるところがデビュー曲と言い換えてもいいのかな
つーか
レコードって
音かっけえな
いやさ、そういえばさっきから記憶だけでこのハイロウズのファーストアルバムのこと書いてるなって思ったから何年かぶりかにこの今部屋にハイロウズのファーストアルバムのレコード流してみたんだけどさ
レコード、
音かっけえ、
普通に、
Bluetooth対応アンプを買ってからここんとこずっとApple Musicをスピーカーで流して音楽聴いててさ
それでいいや楽だし十分楽しいし
って思ってたけどハイロウズはApple Musicにはないから仕方なくレコードかけたわけだけど
それと比べると
鬼かっこいいんだわ
レコード 、
音かっけえ、
なんとなくだけど
知識ではなくただただ体感で
金にまみれてない差を感じたぜ今たしかに

つーことでハイロウズのファーストアルバムはCD2枚とアナログ1枚の計3枚持っている
CDは一応初回特典仕様みたいなやつがあるんだよねほとんど変わらないけど仕様
だから2枚持ってる
アナログはいつ買ったのか全然覚えてないけど僕が普通に買ってるくらいだからそんな高くなかったはずだ
でも帯付きだぜえ?
ストーンズとジミヘンとスモールフェイセスのファーストアルバムとフーの『ライヴ・アット・リーズ』と自分たちのファーストアルバムの宣伝を勝手にしているという小粋なあれだぜえ?
宣伝文句どれもかっけえぜえ?
どうだすごいだろう

つーことでこの3曲目のミサイルマンに関してはかっこいいくらいしかいうことがないね
この曲がかっこよくないってどういう感覚なのかもうよくわかんないくらいに
こんなかっこいいサウンドは歓迎するしかないぜ
普通にブルーハーツなんてもういらねえわ
こういうかっこいいリフでギンギンにせめてくるロールナンバーってハイロウズからだもんな
ギンギンというフレーズがハイロウズにはある
ブルーハーツにはいわゆるギンギンが足りねえんだ
あえて言い切るならばロックンロールはリフだ
あとはせいぜいがビートだ
つまるところがリフとビートさえかっこよければあとはなんでもいいんだ
コード進行がどうとかははっきりいってロックンロールのかっこよさとはまるで関係ないのさ
究極的に歌詞すらも関係ないよ
つまり逆にいうとかっこ悪かったらおしまいだってことよ
かっこ悪い音楽はロックンロールじゃない
それがどんないいメロディだったとしてもロックンロール的にはカスになる

ほいでこのナンバーは甲本ヒロトの作詞作曲
リフもハープでギターと一緒に吹いてるから多分ハープで作ったんじゃないだろうか
こういうのは案外なかった
ブルーハーツの頃まではヒロトは「ハープはけっこうその場その場のフィーリングで即興的な言わばブルース的なやり方でやってたけどハイロウズになってからあらかじめフレーズを決めて吹くようになった、そしたらよりハープが楽しくなった」って言ってるのをどっかで読んだことがあるけどその成果の走りがもしかしたらこの曲なのかもしんまい

とにもかくにもかっこいい曲
それ以外書くことなし
ブルーハーツよりハイロウズの方がなんで好きかって理由はただひとつ
「かっこいいから」
16で不良なビートにのっかるカッケーギターとカッケー鍵盤とカッケーハープと核心をつきっぱなしの言いっ放しの言葉の数々にドキがムネムネ
余計なものなんか何にもないじゃん
好きになる理由しかないじゃん
あの子に言わせりゃブルーハーツは余計な部分が多すぎる
あの子は僕だ
僕と同じような思いのあの子にいつか出会いたかった
ブルーハーツかっこよくない
ハイロウズかっこいい
それくらい極端に言い切っちゃってもなんでもなかった夜よもう一度
だがないつだって今が最高
といって唐突に自分のチンチンが自分のケツの穴とお口の穴のそのどちらに入れるのがラクなのか、そんなことを真剣に考えあわないか?
それでいいのか?
それでいいのさ
いや
いいわけがない
しね

4曲目!

「BGM」

甲本ヒロト作詞作曲

生き方を選ぶときはBGM!
カタカナで書くとバックグラウンドミュージック!
「ある決断をする時にその時に流してた音楽がそれに大きく関わる」というのはヒロトのよく言ってる持論ですな
ほんとそうだなって思うときがあるよねたしかに
それは特に髪型とか着る服とかに大きく関わる
歴史がそれを証明してる
極論づけてしまえばロックンロールなんて一種のファッションだからな
「BGM」とは切っても切り離せない関係なのだ

ハイロウズってのは初期はとにかくブルーハーツのイメージから離れるためにかパンクからガンガン離れてる
つーよりほぼパンクをやらない
ファッションにしてもそうだ、ボロボロのパンクファッションから離れてヒョウ柄のコートやサングラスに厚底ブーツで髪型はロングヘアーなどといった具合にいわゆるコテコテ気味なロックンロールファッションに身を包んでる
そもそもヒロトって実はオシャレなんだよな
オシャレってのはまずは選択のセンスがものをいうからな
それがなきゃはじまんねえ
ヒロトのステージ外での私服とか普通にオシャレだもんな
ファッション雑誌の表紙も飾ったりしてたもんなハイロウズ時代は
尚且つ自分を曲げてねえ、好きなもんしか着てねえって感じがいけてた
マーシーのファッションは確立されきってて世の中の流行り云々とは無縁っつーか真似してもマーシーのコスプレにしかならないって感じだけどヒロトの場合は普通に通用してたと思う流行に対しても

オシャレってのは外見を気にするセンスだから流行とは無縁じゃいらんねえ
基本的にヒロトは案外常に新しいモノに興味のある人らしいからそこには割と敏感な方のはずだ
なんでも最新のものや流行のものに手を出してみてから自分で判断するクチらしいよ
自分で言ってたもの
だから「俺メカによえーから」って歌う自作曲があるくせに実は全然メカにメチャクチャ強いらしい
バイクとかオーディオとかパソコンとか
多趣味な人と言い換えてもいい

そんな感じでとにかくハイロウズ初期の時期はそれまで否定していたコテコテ気味のロックンロールファッションにはまっているのがわかる
「いわゆるロックンロールファッションってやつを開きなおって着まくってみたらこれがメチャクチャ楽しいんだ」って発言も初期にはしてる
コテコテのロックンロールファッションっつっても色々あるけどさ、50年代のロカビリーだったり60年代のモッズだったり70年代のグラムだったりパンクだったり80年代のハードコア、あとはリーゼントに革ジャンのジャパニーズスタイルとかでもいいけど定番だけでも色々ある
だがその中でよりにもよってハイロウズがこの当時選んでるのは一番ダサいハードロックファッションだ
ストーンズ的と言い換えてもいいか
でもストーンズはストーンズだからちょっと違うな
メタルほどじゃないけどハードロックファッションは今みたってやっぱりダサい
60年代のモッズ時代にはあんなにかっこよかったスモール・フェイセスのスティーヴ・マリオットが70年代にハンブル・パイというハードロックバンドのメンバーになったら同一人物とは思えないくらいブサイクになることからもわかるようにハードロックファッションなんかクソだ
でも一番ある意味ロックンロールファッションなのかもしれない
これといって型は決まってないけどまあたしかにふんわりとしたロックンロールファッションのイメージではあるな

でもヒロトは根が完璧にパンクだからクソ似合ってない
ファンはでも本人が楽しいならいいのかって見守るしかない
ロン毛でステージでサングラスとかかけてんのほんとギャグにしか見えない
いや多分、笑って欲しいんだろうな、と思うしかない
大体サードアルバムの時期くらいまで続くのかなこの傾向は
セカンドアルバムの時期がサウンド的にもファッション的にも一番ハードロックしてると思う
マーシーが「それまで70年代ハードロックとか全然聴いてなかったけどちゃんと聴いてみたら結構アリだった」って言ってるな当時
マーシーのロックの目覚めはビートルズだしヒロトもラジオから流れてきたマンフレッド・マンだしふたりともそれまではリアルタイムのロックには全く反応を示せなかったけど60年代のロックンロールを耳に入れることによって何かすごいことに気づいてしまったってことは共通してるんだ
そして「ロック最高! これから沢山聴こう!」と思ってリアルタイムのキッスとかクイーンとかの流行の70年代のロック聴いてみたけど全然いいと思えなくて70年代後半にパンクが出てきて「やっとリアルタイムで60年代みたいな好きなロックが現れた!」って感じだったってよく言ってる

でなんかハイロウズ始めたあたりでそれまで耳には入ってきたことあったけど関係ねえと思ってたディープパープルとかちゃんと聴いてみたら普通に好きだわってなったって感じらしい
そこんとこはよくわかんないけど多分そんな感じのはず
だから初期ハイロウズはほんとハードロック色が強いしなんならパクリまくってるしパロディまくってる
ブルーハーツに反抗するためにパンクにも背を向けなきゃいけなかったから当時のパンクが最も否定した70年代の流行ロックをあえて聴くことで新しいひらめきを得たっていうことにしておこうとりあえず
つまりこの時期は70年代ハードロックをBGMにしてたからああいう服をきているに違いないって話
じゃあ仕方ないな、どんどん髪は伸びるだろうし基本ヒョウ柄にしか目がいかないのも無理はない
似合ってないけど許すしかない
全て「BGM」が悪い
曲変えろ!

5曲目!

「ジュージュー」

真島昌利作詞作曲

ブルーハーツってのは「ロックンロールっぽい」ってやつの全てを否定したスタイルだったらしい
「イエーイとかベイベー」とかいうおきまりの横文字煽りやクロマニヨンズになってからは定番のセリフな「ロックンロール!」なんてステージで叫ぶのなんてもってのほか、「ロックンロール=不良」みたいなお決まりの価値観とかにも完全反抗している気がする
でもハイロウズになってから「ボーカルとギターが同じなだけで全く違うバンドなんだから一緒にするな!」って感じで反抗する対象を完全にブルーハーツに定めることによりハイロウズは逆にいわゆる「ロックンロールっぽさ」に対しての自由を手に入れることになるって寸法なんだすな

ジュージュー! ジュージュー!
燃えるぜ!

ハイロウズが世界で一番かっこいいロックンロールバンドだった理由は間違いなく自由だったからだ
ブルーハーツに反抗することで逆に「ロックンロールなんでもあり状態」になってしまってもうロックンロール全部すぎて僕らは好きにならずにいられない
ロックンロールに求める全てがあるよハイロウズには本当に
ダサいところもかっこいいところも全部ある
世間一般的にはダサいとされるものもロックンロールの価値観の上では超かっこよかったりするわけだけどそう言った世間一般的なダサさみたいな部分は一切隠してないっていうかむしろあえてやっていってるのもいい
誰にでもわかるようなわかりやすいかっこつけは一切やんないで最高にかっこつけてんのがハイロウズ
ロックンロールっぽさのその全てがある
ロックンロールが好きでハイロウズに燃えないなんてまったくありえないぜおたく

そしてサードアルバム『ロブスター』あたりから遂にそのブルーハーツっぽさすらもアリになっちゃって本格的にハイロウズは無敵になる
ハイロウズの最高傑作パンクフォースアルバム『バームクーヘン』でハイロウズはロックンロールの頂点にたつ
一番好きだあのアルバムがなんだかんだ
いや、個人的に一番好きなのは「ロックンロールなんでもあり状態」が極まりきって渦を巻きまくってるカオス作『HOTEL TIKI-POTO』だけど
いや、でも結局はパンクなヒロトマーシーが一番なんだよなあ
全てを真夏でガンガンです! みたいなままでいてほしいぜ全部
だから『バームクーヘン』が一番好きかな結局みんなさんと同じで

クロマニヨンズは逆に限定して自分が好きなのやつと自分に似合うやつとみんなから望まれてるやつしかやらないという完全に無駄を省いたヒロトマーシーでしかないバンドだ
余計なものが1ミリもないからライブは最高だ
あれはもうロックンロールでしかない
でもクロマニヨンズは完全にライブいかないと意味ないバンドだ
家でレコード聴いてるだけじゃ何もかもが足りないようになっている
そういう意味でマックス値が常にキープできてるけどその分敷居が高いんだ
だから俺の家だけでも完結できるハイロウズの方が好きさ

つーことで世界で一番かっこいいロックンロールバンドは誰が何と言おうとハイロウズ
何故ならばロックンロールの全てがあるから
ハイロウズはCDとライブが分かれてる
バンドのライブの魅力もおさめてるけど同時にそれを完全に無視した楽曲も沢山収められててシングルのシークレットトラックに至ってはラップやったりアロハやったりピンク・フロイドやったりでもうほんと自由
ハイロウズの自由なとこが好き

つまりジュージュー
燃えるぜ!
昨日はお金を燃やした!
燃えるのがみたかったから!

6曲目

「ツイスト」

作詞作曲甲本ヒロト

レコードA面ラストナンバー
まあここまでは俺の文の通りブルーハーツの否定に終始していたなハイロウズ
それくらいブルーハーツは影響力を持ったバンドだったはずだ
そこから逃れるのは大変だったはずだ
でもそろそろいいじゃないか
A面ラストくらいただ単に踊ろうぜベイベー!
ダンスナンバーで踊り続けよう
くだらないことは沢山あるけど
誰かが決めたステップなんて関係あるんだ
デタラメはよくない
嗜む程度にツイストを!

まるでサム・クックのように踊りを誘うナンバー
マジ踊りたくなる
嗜みたくなる!
こうして人々を踊らせることができるようになったのはきっとハイロウズからだ
パンクじゃ踊るというより暴れるが近いからな表現として
でもなお兄ちゃんちょっときけ
ちゃんとダンスできないんじゃ半人前だぜ?
踊れる人ってかっちょいいよね
暴れるなんざその気になりゃあその辺の根暗野郎でもできるだろ
ダンスはカッコつけに最適なファッションなんだぜ
さあ見せびらかすんだ
見せつけてやろうぜ!
でもくどいのは好きじゃない
さりげない方がかっこいい
全てはかっこよさのためにある
ロックンロールの理由の全てはかっこよさにある
かっこつけてねえくせにロックがどうだとか言ってやがる奴は死ね
とかはいいからまずは踊れ
それも嗜む程度にツイストを
あー楽しい
あー楽しい!
楽しければいいんだ!
パンクだなんだとか言って暴れまわってるばっかじゃ危ないぜ!
たまにならいいけどちょっとは人の迷惑も考えろ
だってレディーだっているんだぜ?
いいから踊ろうぜ?
そしてちょっとはモテようぜ!
そんな感じ