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但野正和が「闘う男」をテーマに綴る月イチ連載コラム

但野正和の「闘いはワンルームで」

2018/6/20

第11回:「私がオジさんになっても」

明らかである。
ライブ後の疲れが、随分と残るようになってきている。
歳のせいだろうか。
頭は白髪まみれになり。体臭もみるみるとキツくなっていき。口臭はドブの香りに。
そうさ。これがオジさんになっていくということさ。
昔、ある人物に言われた。売れるには「フレッシュさ」が必要だと。
嗚呼…絶望的である。

可愛げは随分と失くなり。とても綺麗だった肌もすっかりザラザラに。眉毛も髭もボサボサじゃないか。
と、こんな風にネガティブに筆を滑らせている場合ではない。
歳をとるということは、数々の衰えと引き換えに、経験値が増えていくということじゃないか。
無論、いくつになっても失敗はするし。失うまで大切さには気付かない。
しかしこれまで私は、自分自身が嫌になる度に、自分を抹殺し生まれ変わってきた。つまり私は、人一倍に黒歴史がある。
嗚呼本当に、あの頃にスマートフォンが無くて良かった。間違いなく全国民から標的にされるユーチューバーになっている自信がある。スクリーンショットなんてものも、誰が考えやがったんだ。現代の子供達が可哀想だろ。

と、脱線し過ぎた。いつにも増して支離滅裂じゃないか。

支離滅裂ついでではあるが、

6月23日にダブサイのインディーズデビュー曲、アカルイミライが配信開始になる。

この一年、今までの人生で最もボツ曲を書いた自信がある。なんの自慢にもならんが…。

自分に相応しいやり方を模索し、自分がやりたいことに辿り着くために削り落とした。
沢山の音楽と感性と批評に触れ。自分の感覚が肉付けされると同時に、純粋な自分だけのものじゃなくなっているように感じた。
誤解を恐れず言うと。良いと思ってない歌のことも、良いと言ってきてしまった。そんなフザけた生き方をしているうちに、自分がどこにいるか、何を信じているのか分からなくなった。

パンクが好きだった。歪んだギターのリフは刺激的で、疾走していた。
今の流行りじゃないなあ。と、そんな風に思う自分に嫌気がさした。
その思考をねじ伏せなくては、この先、俺にとっての明るい未来は無いと思った。
純粋に自分が興奮した初期衝動を形にし。歌詞は、メロディに乗せるにはダサすぎる文字も。そのまんま形を変えずに残した。メッセージはぼかさずに、そのまんまでなくてはいけなかった。
失敗のない人生などない。思いっきり空振りしてズッコケていこうぜ。なんてえ至極ポジティブすぎる歌である。

 

但野正和の「闘いはワンルームで」ボーイミーツレスポール


DOUBLE SIZE BEDROOM
「アカルイミライ」MV