但野正和の「闘いはワンルームで」
第12回:「キングオブW杯」
サッカーは、観ている分には実に分かりやすい競技である。
細かいルールは置いといて。ボールがゴールネットを揺らせば1点。
野球だとこうはいかないし。相撲取りは土俵の外でもすぐに暴力を振るう。ミッチーのシュートは一回入るだけで3点入るくせに、花道が下から放るシュートは1点しか入らない。
それにひきかえ、サッカーは本当に分かりやすいものだ。ルールなんぞろくに知らない人間が観たって楽しめる。
結果、日本代表という一流のプロフェッショナルに対し、シロートである我々ツイッター民は、一端の評論を繰り広げる。
卑怯なつまらんサッカーをするなだの。キーパーがパンチングをすれば、ほらみろキャッチングしないからだと祭り上げる。
日本のトップアスリートが極限まで自分を追い込みトレーニングしている間、クーラーのよく効いた部屋で横になり、ポテチをつまみつつ、スマホをいじり、彼らのプレーに対し偉そうに講釈を垂れる。
われわれツイッター民は、もはや人類最強生物さ。
ハッ!!
ふ、筆先が勝手に!こういうこと書く時ばっか滑らかに動きやがって!
どうもすみませんねえ。筆先のやつには私の方からしっかり言っときますんで。
いえいえ、なんら問題ありませんよ。自分を棚に上げないと良い批判なんて出来ませんし。自分のSNSをどう使おうと自由だろってね。厳しく言っときますんで。
筆先のやつも本当は思ってないと思うんですけど。
なんか、みんな仲良く寄ってたかってはしゃいでる様子が気持ち悪いというか、見てて恥ずかしいというか。それって自分に対する自分の評価を一番下げてるんじゃないかなって、思ってるだけだと思います。
ハッ!!
す、すすすみません!
私の中の鬼越トマホークが勝手に!
さて、茶番は終わりだ。
今回の闘う男の話題に入る前に。
少しだけ、アニメの話を。
ぼくらの青春、キャプテン翼が2018年バージョンとしてリメイクされ、現在アニメ放映中なことはご存知だろうか。
吉良監督の酒の量が少し物足りないだとか。
岬くんと松山くんの文通でのやり取りがスマホのラインになっているだとか。
若林くんのトレードマークである赤いキャップからは、アディダス三つ葉マークが消え、「W」マークの若林オリジナルブランドになっているだとか。
いくつかのマイナーチェンジに若干の淋しさを感じるものの、久しぶりに見ても色褪せない傑作に間違いはない。
この歳になると、翼くんの狂気じみているところや。
最初にちょこっとサッカーをやっていただけで、すぐにスタンドの応援団横が定位置になったマナブに注目してみるなど、昔とは違った見方ができるのも感慨深い。
そんな、私たち昭和世代の男たちをサッカーに熱中させたきっかけとしてもうひとつ。忘れようのない男が、今回の真の本題である。
その名を知らぬ者はいないだろうが、もし知らない者はこれを機にその生き様に触れていただきたい。
きっとあなたの感情も動くはずだ。
キングカズこと三浦知良の生き様に。
私も自己啓発のひとつとして、市営体育館のランニングマシンに興じるときにはカズのドキュメンタリー動画を見ることがある。すると自分の限界を超えることが可能となる。(当社比)
カズの魅力は数あれど(ダジャレではない)
私の感情を日々動かし続ける、今なお更新し続ける一番の格好良さは、彼がいまだに現役のサッカー選手ということである。
同世代の仲間や後輩が次々と引退し、テレビ番組で解説やらコメントをする中。50という年齢を超えたカズの職業は今この瞬間にも「サッカー選手」であるということ。
スタープレイヤーであればあるほど、華々しくパッと引退するというイメージがあったのだが。超が付く大スターのカズは、現在もJ2のチームで、サッカーボールを蹴り続けている。
以前見たドキュメンタリーでは(番組名は失念)、自分を必要としてくれて、本気でサッカーをやっているチームに呼ばれれば、どこへでも行ってプレーしたいと語っていた。カテゴリーが上とか下にはこだわらないと。
サッカー選手のまま死にたい。なんて言葉はどんな若者にだって簡単に言えるのだが。
カズが放つその言葉は異常なほどに光り輝いている。
W杯のグラウンドに、選手として立つことを夢に見続けている。その夢さえあれば大丈夫だと彼は言う。
ああ格好いい。ほんとカッコいい。走ってこよ。
ボールは友達
DOUBLE SIZE BEDROOM
「アカルイミライ」MV
ワンマンライブ「明るいバンド計画」
8月27日(月)下北沢ERA
前売り:2,500円(+1ドリンク別)
open 19:00/start 19:30
まずはオリジナルチケットの販売を開始(その他の購入方法は後日)
購入希望者は 「ticket_dsb[at]lucky-hell.com」 に名前と住所を明記し送信してください。
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