但野正和が「闘う男」をテーマに綴る月イチ連載コラム

但野正和の「闘いはワンルームで」

2018/10/17

第15回:「灰原哀の魅力には隙がない」

唐突だが、今年のハロウィンこそは仮装をしてみたいと思っている。
生粋の人混みギライの私である。街へと繰り出し、リア充の象徴と悪名高いイベントに参加し、あわよくばギャルと盃を交わそうなどという魂胆では。無論、無い。
恥ずかしげもなく言うなら、極力自然体に。数に紛れることで、なるべく痛い奴と思われないであろうそのタイミングで、合法的にコスプレを楽しみたいというわけだ。
都合の良いことに、私の頼りない人脈の中には、ほとんど手を加えずとも戸愚呂弟になれる人物がいるため、私は戸愚呂兄にでも扮してみようかと空想している最中である。
頼りない人脈と書いてふと思うのだが、私は常々「友人が少ない」ということを売りにしているところが多々あるのだが。10月に入り、13日経過した現在、仕事やライブハウスを除き友人に会った回数は一回であることに気付いた。(ゼロと書きかけてからギターを借りに友人宅を訪ねたことを思い出した)
そんなことを考えていると、ふとジョゼ(紛れも無い友人の一人)と会話がしたくなり、久々に風呂に誘ったのだが、それも最終的に自分から断るというダメ人間っぷり。

もうじき10月も終わるのか。
目を凝らしてみると、いつだって新たな発見がある。北海道ではもう随分と風が冷たい。起きれば身体が冷え切っている。まだ夏の癖が抜けず、薄着で寝てしまうせいか。空を泳ぐ虫はトンボに変わっている。最近はようやく、ギターを上手く弾けるようになりたいと、思えるようになった。珍しく真剣に練習しているよ。
目を凝らしてみると、いつだって新たな発見があるものだなと、最近はよく思う。
なんとなく敬遠していたコナンの映画を、これまたなんとなく観に行った今年の初夏。それからというもの。夏休みコナン劇場からの二十年近くの時間を埋めるかのように、コナンをずっと観ている。さながらBGMのようにだ。

灰原哀の魅力には隙が無い。対照的に、メインヒロインであるはずの毛利蘭は、いまいちパッとしない。読者からの人気も灰原がガツンと持っていき。(声優なんて林原めぐみだしなあ…)
蘭の人気投票での結果はやはりパッとしない。
しかしだ、蘭はよくありがちな嫌われヒロインとは違うことを、私は諸君に伝えたい。ただ単に、恋にウザいだけで足を引っ張るわ役には立たないわ芯が無いわでモヤモヤとさせてくるようなダメヒロインではない。
まず特筆すべきはブッチギリの喧嘩強さであり。幾度となくコナンの危機を救ってきた。
(そもそもそのピンチは蘭が作っていることが多いというのは誰もが抱いていることかもしれないが。そのほとんどは、蘭が純粋で優しすぎることがその前提にはあり。僕らがそれを武器に彼女を迫害することは間違っている。ていうか圧倒的に蘭の周辺が、いやハッキリ言うと主に園子が原因であることが多いだろ。なんだあいつは。金持ちなだけじゃねえか。)
あとはそうだな、とにかく新一に会えなさすぎて胸が切ない苦しい。たまに電話で声が聞けるぐらい。会えたと思ってもすぐにいなくなったり、会えたと思っても実は怪盗キッドだったり。それなのにアッサリと不満を漏らす程度。ちょっとプンプンするぐらい。もしあんなのでウザイとか言ってるんだったら言う奴がどうかしてる。俺の知る女性データでは、とっくに大爆発して手のつけられないほど感情的になって、もう話なんて出来たもんじゃない怪獣になってるはずだ。だって蘭はJKやぞ。新一にそんな仕打ちされてりゃ、ガッチガチに不貞腐れてハロウィンの夜には渋谷に繰り出してそのままギャル友達とクラブ行ってDJにナンパされてトイレでファックしたり。年齢を偽り芸人と交際し、未成年とバレれば淫行だなんだと週刊文春に持ち込んだり。バンドマンとのラインのやり取りのスクショをSNSに投稿したり。
一途に新一の帰りを待ち続ける蘭はもっと評価されるべきだ!
……よし、取り乱しました。落ち着け俺。
と、ここまで散々蘭への愛を叫んできたわけだが。賢明な読者は思っているはずだ。で、蘭は闘っているのか?と。
文字数もとっくに規定値を超えているのだが、蘭の格好良いポイントを特別に伝えよう。ついでに劇場版コナン、但野的ベストオブ蘭キング(ランキング)も文字数が許される限り記しておきたい。
(毎週のアニメを拾い始めるとキリが無いため、劇場版のみにする。盛大にネタバレを含んでしまいそうなので自己責任で頼む)

私も含め、恐らく誰もがそうであろう。というかそうであってほしいのだが。結局のところは自分が一番大切である。
是が非でも守りたい大切な対象はあれど。自分の命を投げ出してでも守れるかと問われると、流石に自信が無い。(自信たっぷりに答えてる奴がいても、まず胡散臭いと思ってしまうが)
その点の蘭である。他人への愛が、自らの命を超えてしまうことが多々ある。母性が異常なのである。
そしてその愛は、コナンだけには留まらず、園子や少年探偵団や灰原哀にも向けられる。その正義感は、少年漫画の主人公以上にヒーロー指数が高い。

まずは「ベイカー街の亡霊」からいこう。
なんやかんやがあり、コナンと切り裂きジャック(犯人)は崖道を走る列車の上で闘う。このとき蘭は犯人に人質に取られており、身体をロープで縛られている。そしてそのロープは犯人の身体にも縛られている。つまり犯人が列車から落ちると必然的に蘭も列車から落っこちてしまうため、あまり思い切った攻撃は出来ない。勝ち目なしでフルボッコにされたコナンを見た蘭は、捨て台詞を吐き、なんと自ら、走る列車から崖の下に飛び降りる。自分もろとも犯人と心中である。知らん人からすると「え、じゃあ蘭は死ぬの?」と思うかもしれんが。ええと、なんか説明が難しいんだが。まぁ最終的に蘭は生き返る。(なんかこれだけ書くと男塾のようだが、そうではない。観てくれ。)

あ、これダメだ。書いてて気付いた。キリがない。まだ紹介したいエピソードが無限にある。
もう眠いので、とりあえずこれだけは伝えときたい蘭一番のスーパープレイを最後に。
それは「漆黒の追跡者」でのワンシーン。(ちなみに、「しっこくのチェイサー」と読む)
アイリッシュという人物にボコボコにされたコナン。そこに蘭が登場するのだが(ちなみにここで蘭が現れなければ、コナンは黒の組織に捕まり、恐らくこれで最終回を迎えているはず)
アイリッシュと対峙し、銃を向けられた蘭は、その銃弾を避ける。しかも偶然的な避け方ではない。撃たれる前にしっかりと避ける発言をし、銃口から弾が出たのを目視したのちに避けるのである。いや、貴様は範馬勇次郎か。ちなみにその後は蘭の空手が炸裂し勝利目前までいくのだが、変装のマスクが取れかけてゾンビみたいになったアイリッシュに怯み、逆にやられる。(蘭は幽霊とかゾンビのような類が苦手)

ところで範馬勇次郎は、産まれた瞬間にテレパシーで母親に「おい!乳を飲ませろ!」と脅迫する。それもキリッとした顔付きでだ。

最後に他作品の闘う男を軽く紹介してしまったが、それはいつか詳しく語りたい。
みんな、もっと蘭を愛せ。ツノが生えていたっていいじゃないか。

 

但野正和の「闘いはワンルームで」

お気に入りの蕎麦屋に貼ってあったカレンダーが、ブレーメンの音楽隊だったので思わず写真を撮った


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