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Rock is(ロックイズ)

――他にも新進気鋭のバンドが目白押しですね。

菅 Nulbarich、雨のパレード、DYGL……普通のステージじゃないところでやってもらおうかな、と思って出てもらうことになったのがHave a Nice Day!。あとは決めたときからだいぶ人気の度合いが違って来ているんですけど、あいみょん。今の段階だったら普通のステージやってもいいかもしれないんですけど、決めたときがちょっと早くて、東北ライブハウス大作戦の忌野清志郎トリビュートのステージに出ることになっていて。

――今年の東北ライブハウス大作戦は「RESPECT FOR 忌野清志郎」がテーマなんですよね?

菅 これもちょっと補足すると、1曲でも全曲でもワンコーラスでもトークでもいいんで「清志郎さんのことを何か入れてください」って感じにしていて。例えばあがた森魚さんは、事務所が昔RCサクセションと一緒だったんですよね。あとはアンテナとか村松徳一くんとかindischordっていうのは東北のミュージシャン連中なんですね。世代的には清志郎さんを通ってない子が多いんですけど、「RESPECT FOR 忌野清志郎」をやるから、RCや清志郎さんの曲を聴いてきてくれっていう。

――今年もARABAKIでしか見られないものが満載ですね。

菅 独自の企画で言うと、池畑潤二さんの60歳を祝うステージですかね。通り一遍のことをやってもどうかな、と思ったので、テーマを決めましょうということで、映画音楽縛りのカバーをやるという。ゲストはチバユウスケさん、浅井健一さん、トータス松本さん、TOSHI-LOWくん、中納良恵さん、田中和将くんと、伊藤ふみおさんと陣内孝則さんが出るんですけど。

――映画音楽ってどういうイメージなんですか? スコアじゃないですよね?

菅 そうですね。「小さな恋のメロディ」とか、いろいろありますよね。挿入歌が。サイモン&ガーファンクルもそうだし、邦画だけど「20センチュリー・ボーイ」とか。曲をあげてみると、結構、聴きなじみの曲がいっぱいあるんで、面白いと思うんですよね。

――髭の15周年、テナーの20周年、エレカシの30周年、スライダーズが35年で、池畑さんが60歳……

菅 あとね、ウエノさん50歳っていうのもやるんですよ。東京でやったイベントの番外編みたいな感じで「golden jubilee〜50生誕祭 EXTRA」というタイトルでやります。武藤昭平さんが病気療養のために出演ができなくなったんですけど。

――ラインナップで異彩を放っているのが神野美伽さんですね。

菅 神野美伽さんには「オハラ☆ブレイク」で2年連続で出演してもらったんです。ARABAKIでは「オハラ☆ブレイク」とちょっと雰囲気を変えようということで、演歌といえばサックスかな、と思って、青木ケイタくんに参加してもらいつつ、更に、ピアノの山本健太くんにも参加頂きます。

――ARABAKIでよく見る「with〜」という発想というかアイディアはどこから生まれてくるんですか?

菅 例えば、神野美伽さんの場合は、初めてお会いしたのは3年前なんですけど。演歌っぽさとロックっぽさの両方を引き出すのに、誰がいいかなと想像したときに古市コータローさんを思いついたんですよね。で、コータローさんに相談したらアイディアとして「ザ・ホワイト・ストライプスみたいにやったらいいんじゃないか?」といった話になって、ベースなしでやろうってことでクハラカズユキさんに頼んだんですね。そうやってミュージシャンと話をしているうちにアイディアが増幅する感じが結構ありますね。

――日曜日のお昼にはゴスペルのワークショップもありますね。

菅 エレカシの「四月の風」を課題曲にして、ゴスペル・アレンジにしてみんなで歌ってもらうっていう企画です。ジョン・ルーカスという方に先生をやってもらって。そういうのをキャンプサイトの辺りで午前中にやったら面白いかなと思って。

――「オハラ☆ブレイク」では、今年もロックの図書館の別館もあるんですか?

菅 やります。

――「オハラ☆ブレイク」は4年目ですが、今年も3日間の開催になりますね。

菅 今年も3日間にしました。音楽に寄り添ったいろんな表現、美術もそうだし、そういったことをやろうと思っています。例えば、あるアート作家の人とちょっと話をしているのは、バンドTシャツを集めて1個の文字に、オブジェにするという企画をやろうという。構想段階としては黒い星を作ろうか、とか。黒いTシャツが多いのでブラック・スターを作ろうと思って。そういう構想がありますね。あとは演劇だと、フラワー・カンパニーズの「深夜高速」を演劇にするという企画があります。

――誰が演じるんですか?

菅 これはね、劇団ロ字ックの山田佳奈さんという人が脚本を書いて、山田さんが合いそうな俳優さんを連れて来るんですよね。フラカンで今年やってみて、じゃあその次はサニーデイ・サービスでやろうか、とかいろいろやりようがあるなと思って。

――「オハラ☆ブレイク」では、菅さん的に今年のテーマみたいなものはあるんですか?

菅 そうですね。3年やってみて思ったのは美術とか演劇とか映画とか、その幅を広げて行きたいと思ってはいますが、やっぱり自分の根底にあるのはコンサートなんですよね。コンサートの仕事をだいぶやって来たので、コンサートで広がるような企画にした方がお客さんも嬉しいかもなって、やっぱり思ってきていて。そういう意味でも音楽に寄ったリンクのさせ方をわかりやすくして行くのがいいかな、と思うんですよね。

――3年終えてみて、「オハラ☆ブレイク」もだいぶ定着してきているという手応えはありますか?

菅 そうですね。地元の人たちも楽しみにして来てくれてる感じはものすごく急速に強まっていると思います。猪苗代って田舎じゃないですか。僕自身の出身が猪苗代だからこれをやっているわけではないんですよね。猪苗代のロケーションが素晴らしいからだと思うんです。地元にいる人が楽しみにしてくれて理解が深まるって、とても素晴らしいことなんですけど、地元の人も、ここに住んでいるから何かを頑張るんじゃなくて、見せたい場所があるからそこに向かうということが、本来やりたい目標なんだろうなっていう風に再確認したんですよね。

――最後に、アラバキに話は戻りますが、会場や運営のところでホスピタリティ的に変わったところはありますか?

菅 駐車場とかキャンプサイトがすごく転売されていたので、本人認証システムを導入しました。セキュリティの意味も込めて。それによって買い方が面倒くさくなっていると思うんですけど、転売は今のところ0ですね。買い方が面倒くさくなっているんで、たしかにわずらわしさもあるかもしれないんですけど、やっぱり安全が一番ですからね。あとは去年からバスのチケットを時間で区切ったんですが、かなり効果的でした。時間が決まっていると、逆にゆとりができるんですよね。申し込み数に応じてバスを増減できるというメリットもありましたしね。

(インタビュー:秋元美乃/森内淳 構成:森内淳)

ARABAKI ROCK FEST.18

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「オハラ☆ブレイク’18夏」

  • 開催日:2018年8月3日(金)・4日(土)・8月5日(日)
    会場:福島県・猪苗代湖畔 天神浜
  • 8月3日券¥4,500(税込)
    8月4日券¥7,500(税込)
    8月5日券¥7,500(税込)
    3DAYSパスポート¥14,400(税込)
  • 一般発売:5月20日(日) 10:00~発売開始
  • http://oharabreak.com/

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