「Rock is LIVE」山﨑彩音が歌う17才にしか描けない世界
「風の夢、朝の唄、誰も知らない」の3曲を収録
2016年5月26日(木)、Rock is LIVEが渋谷Milkywayで開催された。ウェブサイトRock isとライブハウスMilkyway、そして紙メディアであるDONUTの共同イベント。3つの異なるメディアがロックンロールというひとつのキーワードでイベントをつくりあげた。最初にブッキングしたのはthe twenties、次にTHE BOHEMIANS。両方共期待のアーティストだ。それぞれ50分演奏。もう1組は山﨑彩音。彼女はまだEP「Yer」を1枚しかリリースしていない。なので、オープニングアクトというかたちで、25分間の演奏をしてもらうことになった。はたから見れば2マン+オープニングアクトだが、イベントの制作側の気分はあくまで3マン。the twentiesは轟音ダンスミュージック、THE BOHEMIANSはストレートなロックンロール、山﨑彩音はアコースティックギター1本でうたう。スタイルが異なるアーティストの競演。しかしこちらもロックンロールというキーワードでつながっている。
DONUT秋元編集長の挨拶のあとに、山﨑彩音が登場。彼女は17才のシンガーソングライター。現役の女子高生だ。曰く「明日は体育祭なんです」。そんな会話、ライブハウスのリハーサルで聴いたことがない。本人はいたって女子高生。どこを切っても女子高生。発想も自由だし、ツイートも自由。しかし彼女が一旦ステージに立つと、圧倒的なオーラを放つ。この日の1曲目は「風の夢」。さっきまでの女子高生・山﨑彩音はいない。月明かりのようなわずかな照明の下でうたう彼女はベテラン・アーティストのようにも見える。山﨑彩音は静寂のなかでアコースティックギターを丁寧に鳴らす。そして心の奥底から歌をふりしぼる。客席は、山﨑彩音という世界観にすっぽりと包まれる。
「朝の唄」、「◯」とつづく。彼女の歌に聴き入っていると、やがて違和感が襲う。その違和感の正体を一生懸命に探ると、その正体が彼女の詩にあることがわかる。ベテラン・ミュージシャンのような佇まいとは裏腹に、17才にしか書けない言葉が並ぶ。20代でも30代でも書けない言葉。17才の視線の先にしか見えない世界。同じ世界を見ているはずなのに、そこには果てしなく広がる宇宙のような日常がある。もしかしたら自分にも見えていた世界かもしれない。それが何十年も生きることでホコリをかぶってしまったのかもしれない。17才が感じる疑問にはとっくに答えを出している気分になっているのかもしれない。かったるいものに対してかったるいということを忘れていたのかもしれない。17才の視線がホコリを振り払い、鎧を引っぺがす。
「叫び」が終わって、「次が最後の曲です」という初めてのMCらしいMCが。体育祭の話でもしてくれれば、歌との落差を楽しめたのに、とも思う。しかし、ステージの山﨑彩音は、いいたいことは歌のなかに全部入れてあるといわんばかりに、ただ歌をうたう。「誰も知らない」をうたい終え、25分間はあっという間に終了。器の色やかたちは他の2組とは違うかもしれない。しかし器の中身は17才のロックンロールだ。今回は5曲のセットリストのなかから3曲を抜粋した。17才の歌を聴いてみてください。(森内淳/DONUT)
セットリスト
- 1.風の夢 ※動画収録曲
- 2.朝の唄 ※動画収録曲
- 3.○
- 4.叫び
- 5.誰も知らない ※動画収録曲
映像:三橋晃太
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