最終少女ひかさの初ワンマンに密着!
どのバンドにも言えることだけれど、最終少女ひかさは、1本1本のライブを見逃したくないと強く思うバンドのひとつだ。2014年9月・吉祥寺シルバーエレファントにて彼らのステージを初めて観たときの衝撃は今でもはっきりと覚えている。北海道特有の冷たい空気を纏いながら、自らの熱情でその冷たさを溶かし尽くすようなフロントマン・但野正和(Vo&Gt)がもつニューヒーロー性は音楽シーンの、ロックンロール・シーンの希望のように思えた。そして歌はもちろん、山田駿旗(Gt&Cho)、ラモネス(Key&Cho)、小野寺宏太(Ba&Cho)、イワノユウ(Dr)との5人で鳴らすサウンドもバンドの佇まいも、私にとって全てがニューバランスだった。あれから東京のライブがある度に追いかけてきたが、観れば観るほど、聴けば聴くほど心奪われるステージに、ずっとやられっぱなしである。そんなバンドの“初”を逃したくないと思い、2016年5月14日・札幌COLONY、5月19日・下北沢SHELTERにて行われた最終少女ひかさ初のワンマンライブ「GEKOKUJO!」を密着取材させてもらった。
両日ともにチケットは即日ソールドアウト。このことからも、4月に1stアルバム『グッドバイ』をリリースした彼らに寄せられる期待の大きさが窺える。実際、2015年3月にタワーレコード限定シングル「いぎありわっしょい」発表後、ここ1年ほどの間に彼らをとりまく状況は、少しずつではあるがいい変化を辿ってきた。多くのメディアの注目を集め、昨年は念願の「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2015 in EZO」に初出演を果たし、北から全国にファン(ひかさタローと呼ばれる)を増やしてきた。といっても、彼らの結成は2013年晩春のこと。今年で活動歴3年めである。スピード勝負の現代においてこれが早いか遅いかはわからない。しかし、両日を終えたいま、この初ワンマンは“ここぞのタイミング”だったと改めて思う。
今回、ステージ本番の模様は撮影していないが、Rock isではウェブサイトの特性を生かし、それぞれの1日をドキュメンタリー動画で掲載。動画撮影にあたり気をつけたのは、決してメンバーの動きをとめないこと。ライブ前とライブ後に一言ずつコメントは撮らせてもらったが、それ以外は楽屋でもどこでも私から無駄に話しかけたりせず、ただその瞬間を撮影させてもらった。行けなかったファンの方にも、最近彼らを知った方にも、あの日、どんな時間が流れていたのか少しでも感じていただけたら幸いです。また、札幌・東京各翌日に行われた但野正和ソロ初ワンマンの1日も、こちらは動画のみで掲載。どちらも、最終少女ひかさの音楽との出会いとなれば嬉しいです。まずは札幌編を。そして東京編をぜひご覧ください!(秋元美乃/DONUT)