富澤タク、キャリア初のソロアルバム『波とギター』完成。こだわりの作品づくりとは?
グループ魂やNumber the.で活動する富澤タクが、満を持してソロアルバムを発表。
思いと時間をかけて作り上げた本作に横たわる、彼の作品づくりの本質を訊いた。
今夏の「FUJI ROCK FESTIVAL ’17」ではグループ魂、自身がリーダーを務めるバンドNumber the.、そしてソロと、トークを含め4ステージに出演するなど賑やかな初登場を飾った富澤タク。彼が、キャリア初となる1stソロアルバム『波とギター』を9月20日にリリースした。中学生の頃から思い描いていたという自身のアルバムについて、具体的には10年ほど前に制作に関する波がきていたものの、他プロジェクトでの活動やソロ作に対する思い入れの強さもあり、形になるまでに時間がかかってしまったという。そんな富澤が満を持して完成させた本作には、デジタルで先行リリースした「いずれ」「そのさき」「今夜抄」を含む全10曲を収録。1曲目は「ソネット第一片」。<みんなと同じ時計の速さで 流行りのテンポに無理に合わせて 事をすすめる必要はないのだ 浜辺で貝を拾う子供がごとく>と、まるで自身の姿も投影したかのようなフレーズを挟むこの曲は14行詩(ソネット形式)で綴られている。「いずれ」でも読み詞と書き詞を併せ持つ歌詞を作っており、普段はギターに注目されがちな富澤だが、言葉に対する強い思いが1枚を通して伝わってくる。また、8曲目「エンドロール」の<音楽が鳴り止んだなら>という最後のリリックに誘われるように始まる「波風彷 4:33」。タイトルからも窺えるが、ジョン・ケージへのオマージュというこの曲は波の音で描かれる世界。研ぎ澄ませて作り上げたものが深くもシンプルな音楽(アルバム)となり、本作のクライマックスに究極の音色を響き渡らせる。そして再び、「そのさき」へ。なんとドラマチックなアルバムなのだろう。今回Rock isでは、全曲に繊細な視点を落とし込んだ本作について話を訊かせてもらった。富澤の作品づくりにおける本質がみえるインタビューをご覧いただき、ぜひもう一度アルバムを通して聴いてみてください。(秋元美乃/DONUT)