「Rock is LIVE 5」ライブ映像公開――がらくたロボットが見せた3ピースのダイナミズム
気鋭のバンドをプッシュするウェブメディア「Rock is」と、ロックンロールの物語をレコードする「DONUT」による共同イベント「Rock is LIVE 5」が2018年10月12日、下北沢ベースメントバーにて開催された。第5弾となる今回は、突き抜けた衝動を爆裂サウンドとメロディにのせて放つ神戸発・がらくたロボット。剥き出しの爆発力でフロアのど真ん中を射抜いている5人組・錯乱前戦。いくつかの転換期を越えてロックンロール・フューチャーを鳴らし続けるhotspringが登場。イベントサブタイトル同様にそれぞれの「ロックンロール フロントライン」を体現した一夜となった。“いまここで、何かが起こっている”――そんな空気に満ちていた当日のライブ映像を、Rock isでは1バンドずつ3回にわたりアップ。抜群のソングライティングと無敵感を誇る3組の熱きステージをぜひご覧ください。なお、「Rock is LIVE」のすべての映像は、将来その道を目指す映像作家・三橋晃太が手がけている。
「Rock is LIVE 5」錯乱前戦「Rock is LIVE 5」hotspringまず最初に紹介するのは、この日のためだけに神戸から駆けつけてくれたがらくたロボット。彼らは2012年10月、当時高校1年生だったヤマモトダイジロウ(vo>)を中心に結成されたガレージロックバンド。2014年にムラカミフウタ(ba&cho)、イノウエタカヒロ(dr&cho)が加入し現体制となり、関西を中心に根深い基盤を築いている3ピースだ。今回のイベントが決まったとき、始まりの狼煙を上げるのは彼らしかいない、とトップバッターを託させてもらったのだが、お手製の改造学ランを着たヤマモト、タイトなスーツに身を包んだムラカミとイノウエ、この3人がステージに登場しただけで漂わせるロックンロールの匂いで即座にノックアウト。今更ながらスーツと音楽の相性に惚れ惚れする。そして、ザ・フーやクラッシュなどUKロックの系譜を血肉としたサウンド、鋭さとロマンを内包する歌詞、ブレーキなどハナから搭載していないステージングが三位一体となり放出する凄まじい熱量があっという間にフロアまで蔓延。初期衝動あふれるナンバーもロマンチックに展開するミドルチューンも、振り切れた両極にがらくたロボットの真骨頂があり、決して“古き良き”の焼き直しに終わらない彼らの現代感覚に未知の魅力がある。スリリングに蠢く3人のサウンドがもたらす高揚感に加え、ポール・シムノンばりにベースを低く構えたムラカミが「このまま行こうぜ! ガンガン、ガンガンこい!」とフロアを煽る。“ひとりでいいじゃん”とロックの核に触れるような「Lonely It’s Alright」、<Sing my way>と駆け抜ける「My Way」、「ロックなんてなんかはわからんけど、俺らはただ跳ねてるだけ」というヤマモトの言葉に続き披露された「ハネル」、昨年発表した1stフルアルバム『ツキノアリカ』のテーマにもなっている同名楽曲「ツキノアリカ」など全9曲。ポップさを保ちながらイノウエがタイトなビートを繰り出し、やはりと言うよりも想像以上のバンド力を見せつけ、3人の阿吽の呼吸で堂々のトップバッターを務めてくれた。ここでは当日のステージから「Strawberry Dreamers」「Runaway」「塗りつぶせ」の3曲のライブ映像を公開。じっくりお楽しみください。(DONUT/秋元美乃)
- 2018年10月12日(金)下北沢ベースメントバー
がらくたロボット - <セットリスト>
1. Strawberry Dreamers
2. Lonely It’s Alright
3. Runaway
4. 塗りつぶせ
5. My Way
6. ハネル
7. トンネル
8. ツキノアリカ
9. ディストーション