「Rock is LIVE 5」ライブ映像公開――錯乱前戦が打ち出すロックンロールのアティチュード
がらくたロボット、錯乱前戦、hotspringを迎えて2018年10月12日・下北沢ベースメントバーにて開催した「Rock is LIVE 5」。3組それぞれの「ロックンロール フロントライン」を見せてくれた当日の模様から、今回は、先週紹介したがらくたロボットに続き錯乱前戦のライブ映像をお届けします。前回の記事とあわせてお楽しみください。
「Rock is LIVE 5」がらくたロボット「Rock is LIVE 5」hotspring2番手に登場したのは錯乱前戦。彼らは山本(vo)、森田(gt)、成田(gt)、佐野(ba)、サディスティック天野(dr)の5人からなるバンドで、都内高校の軽音楽部にて結成。今年成人式を迎えたばかりの新鋭だ。2018年2月にデモ音源「あッe.p.」(現在廃盤)を発表、その後3月頃から本格的なライブ活動を開始し、昨年はとにかく怒涛のライブ数をこなしていった。その積み重ねが着実にバンドの底力を固め、実となっているのは各地の音楽ファンが証明している。CDを扱うショップはもちろん、ライブを見たオーディエンスがその興奮を語り、音源とライブの両方でじわじわと着火のフィールドが広がっている。
彼らのライブは1回のステージのなかで、たとえば抑揚をつけようとか、ここでバラードを挟もうとか、そういった計算めいたものが微塵も感じられない。もちろん、ライブのなかでそういう流れをつくるのが悪いと言っているわけではなく、もちろんいろいろなセットリストの組み方があっていい。ただ錯乱前戦の場合、それが20分の持ち時間でも40分の持ち時間でもステージを駆け抜ける衝動の強さが凄まじいことこの上ない。そしてそれは勢いとか爆音とか、そういうことではなく、聴く者それぞれに届く“なにか”。それがオーディエンスの心を突き動かす。錯乱前戦のライブを見ると、得体の知れないロックンロールというものが降ってくる。そんなアティチュードがピカイチだ。加えて日本語の歌詞。この歌詞がどの曲も実によくてグッとくるので、ぜひ歌詞にも注目してほしい。この日も彼らは「オーライ、ロッキンロール!」という第一声、そしてハープと爆裂サウンドが好相性な1曲め「ロンドンブーツ」でどかんと大砲を打ち込むと一気に12曲を披露。抜群のタイム感で40分のステージを魅せてくれた。その一夜から、ここでは「ロッキンロール」「ヘイトムーン」「カレーライス」「あの子のパンツの白さすら」の4曲を公開。<あの子のパンツの白さすら 思い出せない 情けない夜>――ロックンロールはそんな夜のためにも鳴っている。(秋元美乃/DONUT)
- 2018年10月12日(金)下北沢ベースメントバー
錯乱前戦
<セットリスト>
1. ロンドンブーツ
2. ロッキンロール
3. モンキー・オ・マンキー
4. ヘイトムーン
5. カレーライス
6. 夕焼けニャンニャンズのテーマ
7. 恋をしようよ
8. ミッドナイト
9. 天国ラジオ
10. あの子のパンツの白さすら
11. boy meets boys
12. そばにいたいぜ