2018年4月1日、渋谷WWWにてドミコ Release Tour extra が行われた。
本公演は早くからSOLD OUT。その空間を体験できなかった人には想像を膨らませてもらうために、その場にいた人には記憶に刻むためとして、当日の演奏曲目全てのダイジェスト動画をセトリ順でYoutubeに公開した。
また、4月1日のライブの模様をより鮮明にイメージしてもらいたいとのことで石井恵梨子氏によるライブレポートが同時に公開となった。
ドミコ(domico) Live at SHIBUYA “WWW” 2018.04.01 Movie Set List
オフィシャルライブレポ
大好評のセカンド・アルバム『hey hey,my my?』を携えたツアーの、追加公演となるワンマン。会場の渋谷WWWはドミコ・ワンマン史上最大キャパとなるが、チケットはあっさりソールドアウト。いかにもフェスで見かけるキッズは少数派だろう。しっかりお洒落した若い女性が目立つし、その親世代とおぼしき中年層もチラホラと見受けられる。
ただし、ステージ最前列にはバンドマン風の男性客が多い。さかしたひかるのギタープレイやルーパー使いを、また長谷川啓太の強烈なドラミングを間近で見てやろうという心意気か。その意味でドミコはかなりの技巧派バンドだが、映画鑑賞のように沈黙を強いる緊張感は皆無。誰もがユルユルと、好き勝手に体を揺らしていたのが印象的だった。
よろしくー、とラフな挨拶から始まるステージ。長谷川が真っ白、ひかるが真っ赤なTシャツ姿で、鮮やかなコントラストはデビュー当時のホワイト・ストライプスを彷彿とさせる。「もっとも彼らに比べればドミコはもっと曖昧でサイケデリックで…」と数年前なら言えただろうが、昨年一気に飛躍し、このワンマンの直前までSXSW出演とアメリカ6箇所を回ってきた二人である。意識が変わったのは当然のようで、まず出音の強さに圧倒される。痺れるほどぶっといエレキギター、そして歌に込められた熱量。以前とは明らかに変わっている。これぞロックバンドの音、そしてライブバンドの音だ。
そもそもドミコは曲作りを目的として始まっており、最初は人前に立つことさえ考えなかったという。そんな当時の面影は皆無。饒舌に語ることも笑顔を振りまく様子もないけれど、音や歌声そのものが、はっきりと、外へ、客席へと向かっている。前半は初期の曲が多かったが、まだ宅録っぽいローファイ感の残る楽曲を、生々しい爆音に変えていくアレンジが鮮烈だった。
2015年のミニ・アルバムに収録された「プライマリケア」ではギターの表情の豊かさに驚いたし、繊細なアルペジオがルーパーによってオルゴールのように響きだす「oh diver」「oh dive」が実演された時は、そのアイディアの独創性に圧倒されるのみ。ただ、よく見ればフロアには体を揺らしながら目を閉じている人がけっこういる。リアルなマジックが現場で起きているのに、曲があまりにファンタジックだから、なんだか気持ちよく持っていかれてしまうのだ。「たった二人でこれをやっている」とか「一体ジャンルは何か」という話はどうでもよくて、単純に曲がいいのだな、ということに改めて気づく。
これもライブを意識した演出だろう、原曲にはないアレンジのイントロをたっぷり加えて始まった「my baby」や「まどろまない」ではフロアが大きく揺れる。全員が拳を上げるような一体感はないが、ばらばらで、自由で、だから楽しいロックンロール・パーティーだ。ヘヴィロック級の低音が轟いた「ミッドナイトネオン」、ひかるのファルセットがルーパーによって重なり溶けていくポップナンバー「くじらの巣」、さらにはガレージパンク風の「マカロニグラタン」など、『hey hey,my my?』からの新曲を連発して二人はステージを去っていった。
ポップだけどストレンジ、凄まじい技巧なのに終始ふわふわとドリーミー。そんなドミコの音楽が、二時間だけライブハウスを潜水艦に変えてみんなを深海へ連れ出してくれたような。そんな錯覚さえ起きる魅力的な夜だった。
text by 石井恵梨子
ドミコ Release Tour extra SHIBUYA “WWW” 2018.04.01 Set List
- 1. 地球外生命体みたいなのに乗って
2. てくのろじー
3. おーまいがー
4. プライマリケア
5. ラブリーカーステレオミュージック
6. Pop,Step,Junk!
7. Sea side, Morning-Hotel is fire
8. 無人島でつかまえて
9. 旅行ごっこ
10. おさない川
11. oh diver
12. oh dive
13. my baby
14. まどろまない
15. こんなのおかしくない?
16. ミッドナイトネオン
17. マイララバイ
18. くじらの巣
19. 深海旅行にて - en1. マカロニグラタン
en2. united pancake
en3. ロースト・ビーチ・ベイベー
ドミコ & Tempalay Presents ” BEACH TOMATO NOODLE 2018 “
- 6月9日(土)千葉・白浜フラワーパーク
OPEN:11:30 START:12:00
ドミコ/Tempalay/King Gnu/MONO NO AWARE/トリプルファイヤー/DENIMS
OfficialHP:https://www.beach-tomato-noodle.com/
LIVE INFO
-
4月7日(土)大阪・味園ユニバース
- ” DENIMS presents「ODD SAFARI」”
OPEN:13:00 START:14:00
出演:ドミコ/DENIMS/tricot/愛はズボーン/Aiming For Enrike/ Tempalay/TENDOUJI/プププランド/ Special Favorite Music -
4月14日(土)名古屋CLUB UPSET
- ” SCOOBIE DO presents Young Bloods vol.7″
OPEN:18:30 START:19:00 出演:SCOOBIE DO/ドミコ -
4月22日(日)北浦和KYARA(埼玉県)
- ” teto <60分2,800円ツアー>”
OPEN :17:30 START:18:00 出演:ドミコ/teto -
4月30日(月・祝)宇都宮
- ” TOKYO KAIDO’18 ?宇都宮ライブサーキット?”
OPEN:11:00 START:12:00
Official HP:http://tokyokaido.com/ -
5月3日(木・祝)埼玉・さいたまスーパーアリーナ
- ” VIVA LA ROCK 2018 ”
ドミコはCAVE STAGE 10:30~
Official HP:http://vivalarock.jp/2018/artist/lineup.html -
5月16日(水)代官山 SPACE ODD
- “Spotify Early Noise Night vol.5”
OPEN 18:00 START 18:30 出演:ドミコ、文学、カネコアヤノBAND SET)、SPiCYSOL
Official HP:https://www.creativeman.co.jp/event/senn05/ -
6月15日(金)・16日(土)沖縄Output
- ” BEACH TOMATO NOODLE in OKINAWA -2DAY- ”
OPEN:18:30 START:19:00 出演:ドミコ/Tempalay/HARAHELLS/The Hypes
問い合わせ:tel.098-943-7031 -
6月17日(日)
- “やついフェス2018”
OPEN/START 12:30
Official HP: http://yatsui-fes.com/ -
リーガルリリー3rd mini album『the Telephone』レコ発 「遠距離恋愛ツアー」
- 出演: ドミコ/リーガルリリー/teto
- 6月23日(土) 福岡the voodoo lounge
OPEN 18:00/START 18:30 - 6月24日(日) 広島4.14
OPEN 17:30/START 18:00
ドミコ Official HP:https://www.domico-music.com/