山﨑彩音の「その時、ハートは盗まれた」
最終回『さようならティーンエイジャー!さようなら、お月様!』
なんと!
今回のこの回で山﨑彩音の『その時、ハートは盗まれた』最終回でございます。。。!
突然の報告となりましたが、これでおしまいです。
2016年の10月21日にスタートしたこの連載。
まだ当時は高校3年生で、黒髪ロングヘアーのわたしは、『どう学校をやめるか』を常に考えていて、毎晩ベランダでしゃがんで月を見ながら、原田郁子さんの『ケモノと魔法』をCDプレイヤーで4周は再生して聴いてました。
わたしは毎月、この連載があるから、新しいカルチャーを探すようになってました。
「この映画面白そうだな!→連載で書ける!」
みたいなね。
自分から面白そうなもの探すことってすごく大切なことだと思うから、本当によかったなって思います。
今回は最後なので、過去の回を振り返る回にしてみようと思います。
まずは、やはり村上春樹回です。
『第11回 村上春樹について』
『第12回 村上春樹(2)~本能が招く一生愛おしいモノ~』
『第13回 村上春樹 後編』
連載で話してる通り、わたしは11歳の頃に村上春樹に出会い、どんなミュージシャンよりも、一番に影響を受けている存在が村上春樹なのです。
このとき、ミニアルバム『キキ』をリリースしたということもあって、キキの元ネタでもある、村上春樹の小説に触れるのもありかも? と思い、書いたのです。
わたしは今もなお、感覚と感情でほぼほぼ生きている人で、自分がなんでこの人が好きか? とか、これのどんなところに自分は共感してる? とか、意識して考え込まないと中々わからなくて。
だからこの回を書くのは非常に大変だった思い出があります。
大好きな村上春樹のことだから、適当には書けないし、でも自分の気持ちを知ることのしんどさ、みたいなのと格闘してました。
そしてこのとき改めて『海辺のカフカ』と『ダンス・ダンス・ダンス』を読み返したりして、11歳~15歳くらいまでの読んだときに受けた印象から、18歳としての印象が塗り変わったー!って感じた記憶があります。
”ルー・リードとコカコーラ”という歌詞がよく突っ込まれる、キキという曲をキキと名付け、ミニアルバムの名前もキキにしたこと。
当時はふわふわしてて、でもグッと「これしかないよな~」ってつけてましたけど、今となっては正解だよ! と言いたくなる。
“ルーリードとコカ・コーラ”という言葉も、本当に千代田線のホームで浮かんでメモした、自分にとってはなんてない言葉だったし、ルー・リードが特別好きになわけでもなかった。(当時は全く洋楽を聴かなかった。)
けど、今、自分が招いたタネに導かれるように、わたしはニューヨークのアンダーグラウンドの歴史や、もちろんルー・リードに強い影響を受けている。(『METROPOLIS』や今作ってる作品にも影響は受け続けている)
20歳になりお酒を飲める歳になったけど、やっぱりコカ・コーラがマストだし、ヴェルベッツの流れでアンディ・ウォーホルのことを深く知って、コカ・コーラの印象も変わったりした。
「すべてが繋がっている。」
そういう意味では非常に、もはや人生が、村上春樹的になっている?! と最近は感じます。
東京に引っ越してくるときに、「春樹の本どうしよう~持ってくのやめようかな~」って、最初は持ってこずに来たんだけど、やはり落ち着かなくて、すぐに取りに帰りました。
もうそのくらい大切な存在(笑)。
でも昔よりは、過剰に小説の世界へ入ることはなくなった。
今は現実をしっかりこなさないといけないタームが来てる。
本当にここ最近のわたしはちゃんと現実を生きてます。。。
それがよくわかるのは、最近書く曲には全く、月が出てこないということ。
月を見て念じることも、今は必要なくなっている。
それがいいとか悪いとか、多分ないんだろうけど、ちゃんとこうやって変わっていけるんだなあって思うとジンときます。
高校生のときは、一生この絶望から抜け出せないんじゃないか? って本気で思っていたけど、今はそれなりに楽しいって思えることも増えて、過ごせてる。泣けます。。。
そしてもうひとつ思い出深いというか、この連載をやっていて嬉しかったエピソードがあるのでここに書き納めておこうとおもいます。
2017年の大晦日に、ニッポン放送イヤーエンドスペシャル『WORDS TOWN RADIO~音楽の街』 というラジオの特番で荘口彰久さんとパーソナリティーを務めるという大仕事をしたときの連載。
なんとスペシャルゲストで、チャボさん(仲井戸麗市さん)がいらしてくれた、本当に人生の大切な思い出となった出来事です。
わたしはこの前に2016年4月8日、まだ17歳だったかな? チャボさんと初めてライブで共演したんですね。
母の影響でRCサクセションが好きで、キヨシローをソウルメイトのように思い続けていた少女のわたしは、いつかチャボさんのギターでRCの曲を歌うんだ! と夢見ていました。
それが色んな人の協力と最強の運で、早くに叶ってしまったんです。
当時はこんな未熟で何者でもない、なにもわからないわたしがいいんだろうか? と苦しさもあって。
でも初めてチャボさんにお会いして同じステージで歌ったとき、また夢を見させてもらったなってすごく胸が震えて。
そんな出来事があってからの、大晦日のラジオでした。
久しぶりにお会いしたチャボさんにわたしは、言葉についてたくさん伺いました。
今もなお自分にとって言葉というものは大切なものだけど、当時のわたしは”お月様”と同じくらい、もっと思入れが強かったんです、言葉に対して。
他人や世の中を信じれないから、自分を信じることでしか自分を守れず、強くなれなかった。
自分を信じるために言葉に出会って、それをおまじないみたいに大切に大切にしていた。
この回を読んだことない人は是非読んで欲しいんですが、そこに書いてある通り、チャボさんの思う言葉についてをたくさんお話ししてくれたんですね。本当に嬉しくて、ああいう原稿になりました。
それで実はその原稿をチャボさんが読んでくださって、わたし宛にお手紙を送ってくれたんです。
夢みたいだよね。
本当におこがましくて、贅沢すぎるのだけど、
10代のわたしの心の支えというか、たったひとつの光はそんなチャボさんからのメッセージでした。
「考えすぎるのは僕もおんなじだよ」と言ってくれた表情に、何度救われたかわかりません。
『METROPOLIS』をリリースしてから、わたしも恐縮ながらお手紙付きでCDを送らせてもらったんですが、またお返事を書いてくれて。(本当にやさしい方。。。)
「海へ行こうで終わるのがあやねくんらしいね。」と言ってくださって。
ちょうどチャボさんとラジオをやらせてもらった後、メジャーでアルバム作るときに、できた曲が「海へ行こう」でした。
いわばチャボさんに出会ってできた曲なので(私個人的に)そう言っていただけて本当に嬉しかったんです。
ここでもわたしは「すべてが繋がってる」と思いました。
そんな奇跡みたいな、ミラクルばかりの10代は本当に幻そのものでした。
でもそうやって「幻みたいだった」と断言できるほど、今のわたしは自分に対して客観的にいられてます。
それに幻や無意識の持つ強さを認めた上で、それを超えるものを意識的に作ってやるし!って今は燃えています、本当に音楽人生はここからです。
今よりも不安定で多感な10代の時期に、Rock isという素敵なメディアで連載を書かせてもらったことは本当に自分にとって大きかったです。
たまに、同い歳くらいの女の子から「あやねちゃんの文章に共感してます」とメッセージをいただいたり、ファンの人も文章褒めてくれたり本当に嬉しかったな。
私自身も文章を書くことで、毎回自分の殻を少しづつ、破っているような感覚でした。
自由にやらせてくれて、あたたかく見守ってくれたRock isに感謝しています。
連載は終わりますが、20歳になり、ここからが本番なので、これからも何卒よろしくお願いします。
今まで読んでくれた読者の方々も本当にありがとうございました。♡
LIVE INFO
- 2月22日(金)下北沢Laguna
< Specility !!!>
出演:sooogood!/上野大樹/山﨑彩音(Vo,G 山﨑彩音&Key 丸山桂)
OPEN 18:30/START 19:00
前売 2500円(D別) 当日 3000円(D別) - 3月20日(水)渋谷LUSH
「Beat Happening!feelin’groovy!」
出演:nuance/the sea falls asleep/山﨑彩音(BAND SET)/xoxo(Kiss&Hag)EXTREME
OPEN:18:30/START:19:00
前売 2,500/当日 3,000円(各+1Drink)
※高校生以下のお客様は1000円ディスカウント
当日、必ず顔と年齢の分かる学生証をお持ち下さい。
尚、プレイガイドでお買い求めのお客様には適用されません - 4月7日(日)下北沢ライブハウス
「KNOCKOUT FES 2019 SPRING」
※下北沢ライブハウスで行うサーキットイベント
ネクストブレイクが期待される、
詳細:http://knockoutfes.com/lineup.html
山﨑彩音『世界の外のどこへでも』MV
2018年7月25日(水)リリース
FLCF-4515/2,400円(税込)
<収録曲>
1.アフター・ストーリーズ
2.世界の外のどこへでも
3.ロング・グッドバイ
4.Nobody Else
5. FLYING BOYS
6.恋は夢の中
7.メェメェ羊とミルクチョコレイト
8.ナイトロジー
9. Wolf Moon
10.海へ行こう