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2018/5/7

森内淳の2018年3月 ライブ日記(前編)

2018年3月のライブ日記。どうも原稿を書き始めると気合いをいれすぎる傾向にある。途中まで書いたところで膨大な量になったので、最初から書き直していたりしたら、4月も終ってしまった。あくまでライブ日記というライブに行った記録なので、200字でおさまるように努力する。それでは今月もライブハウスへ行ってきます。

 

3月2日(金) 貴ちゃんナイトduo MUSIC EXCHANGE

ラジオパーソナリティー中村貴子が主催のイベント。彼女の誠実な仕事のおかげで彼女を慕うリスナーとミュージシャンがたくさんいる。そのリスナーとミュージシャンがライブでつながるのがこのイベント。the pillows、和田唱、髭の3組が登場し、ラジオを意識したセットリストと演奏を展開してくれた。そのくわしい模様はライブレポートを書いたのでそちらを読んでいただきたいので、ここではくわしくは書かない。

 

3月9日(金)hotspring/THE BOHEMIANS/droog 新代田FEVER

素晴らしいロックンロール・イベントをhotspringがやってくれた。対バンはdroogにボヘミアンズ。これからのロックンロール・シーンを担うバンドだ。3バンドともそれぞれの特徴を活かしたパフォーマンスを披露。去年の半分を怪我で棒に振ったイノクチタカヒロだが、空白の時間のリベンジを見事にはたした。まだ雑誌に力があった頃は、こういうバンドをメディアが一括りにして紹介したものだが、それもすっかりなくなった。十把一絡げというとネガティブだが、カテゴライズすることによって、横のつながりが見えやすくなる。だからバンド発の「同じ匂いをもったバンド」のイベントは大歓迎だ。イベントもまたメディアであることを証明していた。

 

3月10日(土)フラワーカンパニーズ マイナビBLITZ赤坂

フラワーカンパニーズのブリッツ公演。フラカンの新作は、「ハイエース」という楽曲に代表されるように、バンドをやっていくことへの決意とシリアスに向き合った問題作だった。その決意が日本武道館公演以降のバンド活動の原動力にもなっていたと思う。そんなシリアスなライブの展開になるのかな、と思っていたが、シリアスさと楽しさが混じり合ったフラカンらしいライブになった。MCも面白いし、終始、楽しさに包まれたステージになった。そんな楽しさを打ち消すように、最後の最後で鈴木圭介が終活について話し出し、いきなりライブを重たい雰囲気に変え、グレート前川から激しく突っ込まれるシーンも。そういうハプニングも長く付き合っているファンからすると、いつもの光景なのかもしれない。客席がステージを達観しているような構図がとても面白かった。それもまたフラカン愛なのだろう。

 

3月11日(日)THIS IS JAPAN他 代官山UNIT

THIS IS JAPAN主催のオルタナイベント。イベントもまたメディアであると書いたが、それを積極的に実践しているのがディスジャパだ。自分たちでオルタナティブの旗を振り、オルタナコンピを制作、それにまつわるライブイベントを何度も開催している。その集大成が、この日のUNITでのイベントだ。2000年代以降に登場したバンドでオルタナを通っていないバンドを探す方が一苦労なほど、
オルタナの要素はいろんなバンドに浸透しているが、自らをオルタナと名乗り、同じステージに集結するとなると話は別だ。そこには特別な自意識が存在している。終わりの4バンドしか見られなかったが、全員がオルタナ・バンドという旗を掲げていい緊張感で渡り合っていた。ここからまた新しい音楽の捉え方がリスナーに芽生えてくれば面白い。

 

3月12日(月)錯乱前戦 他 下北沢BASEMENT BAR

錯乱前戦を見にベースメントバーへ。馬鹿みたいに真っ直ぐな演奏と真っ直ぐなリリックをもつロックンロール・バンドだ。まだまだ粗削りで、まとまりがないが、そこを魅力に変えている。昨今の新人バンドはあまりにも完成度が高くて、かえってつまらない。なぜならそこにノビシロが見いだせないからだ。ガチガチに固まったバンドよりも、これからどう転ぶかわからないようなパフォーマンスに惹かれてしまう。ロックンロールは流行っていないとかいうけれど、ライブハウスにはかっこいいロックンロール・バンドがごまんといるのだ。錯乱前戦の真っ直ぐさに今日はやられてしまった。

3月17日(土)トライセラトップス マイナビBLITZ赤坂

トライセラトップスのライブを久しぶりに見に行く。貴ちゃんナイトのライブレポでも書いたが、とにかく和田唱のアコースティック・ソロ・ライブがあまりにも素晴らしかった。彼の持つポップのコアに触れられたステージだった。さすがビートルズとポール・マッカートニーとマイケル・ジャクソンに影響されているだけある。一転、トライセラトップスとなるとまたちがう景色を見せてくれる。スリーピースのアナログ感あふれるロックンロール・バンドに早変わりだ。和田唱のポップをソロで十二分に理解した(つもり)の目で見ると、トライセラトップスの振れ幅も大きく見えてしまう。今日はいつものライブよりも確実に楽しめた。ロックとポップのせめぎあいのなかで生まれる独特のグルーブこそが彼らの武器だ。そう確信した。

 

3月18日(日)ザ・コレクターズ SHIBUYA CLUB QUATTRO

ザ・コレクターズのクアトロ・マンスリー第3弾。クアトロ・マンスリーは昔からの企画で、今年はそれが12ヵ月連続で行われる。クアトロ・マンスリーでは「普段はあまりやらない曲をやる」という暗黙のルールが存在する。だから毎回2、3曲が入れ替わるのではなく、逆に入れ替わらない曲が3曲か4曲しかないというのがこのシリーズの特徴だ。今夜も30周年シリーズでは本編のクライマックスを飾っていた「Tシャツレボリューション」からスタートするなど意表をついたセットリストで攻める。3曲目で「Jet Holiday」の演奏がはじまったときには、すでに客席は熱狂に包まれていた。フロントの2人は50をとっくに超えている大ベテラン。だけどその姿勢は新人バンドのように初々しく、常に攻めている。一般発売分の6月までのチケットが完売なのも頷ける。

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